第4章<世子嬪選び>
第4章<世子嬪選び>
数日後…
世子は東宮殿で書を読んでいた。
すると外から
「世子様、チャン内官が来ました。」
と言うキム内官の声がした。
チャン内官とは、世子がソンイを調べさせていた内官の事である。
世子はその声を聞くとすぐにチャン内官を通した。
チャン内官は世子に礼をすると、
「義禁府判事様の家族にソルという男子はいませんでした。しかし、ソンイという娘がとてもソルに生き写しのように似ていました。」
と報告をした。
世子は
「分かった。ご苦労だったな。」
と言いチャン内官を下がらせた。
そして心の中で
(ソルの正体はソンイだったか… それにしても面白い子だった。自分の意見をはっきり言える女子はなかなかいないだろう… あのような女子が世子嬪として側にいてくれたら、きっと宮中生活も華やかになるだろう。)
と思いながらクスッと笑った。
そして側に来ていたキム内官に
「そういえば、この前テジュンが婚約者がいると言っていたな。どこの令嬢だ?」
と尋ねた。
キム内官は
「確か…義禁府判事様の娘、ソンイ様です!ソル様の妹様では?」
と言った。
世子は上の空で
「そうか… しばらく書を読む。下がっていろ」
と言った。
キム内官が出ていくと、世子は
「嘘だろ… よりによって…」
と呟くとしばらく考え込んだ。
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1刻ほど経った時、東宮殿に中宮殿の尚宮が来て、
「世子様、王妃様がお話があるそうです。」
と言った。
世子が中宮殿に行くと、王妃はにこやかに微笑んで
「今日呼んだのは、世子嬪選びの諫択の話をしようと思ったからです。王様と相談して、提出された処女単子の中から候補を5人に絞りました。いよいよ5日後から3日間、宮殿へ来てもらって1人を決めるつもりです。ところで世子は3日目の質疑応答をする審査の時は参加しますか?」
と聞いた。
世子は少し悩んでから
「母上、実はお願いがあるのですが…」
と言った。
王妃は
「お願い?いいですよ、おっしゃいなさい」
と先を促し、世子は
「実は候補に加えてほしい女子がいるのです。」
と申し訳なさそうに言った。
王妃は頷くと
「分かりました。どこの屋敷の令嬢ですか?」
と聞いた。
世子は嬉しそうに
「義禁府判事の娘、ミン・ソンイという女子です。実は、この前のお忍びの時に出会ったて少し話をしたのですが、とても面白くて一緒にいて楽しいと思える女子だったのです。」
と言った。
王妃は
「義禁府判事の娘なら、きっとよい女子でしょう。王様と義禁府判事には私から伝えておきます。」
と微笑んだ。
世子は中宮殿を出ると、東宮殿に戻りながら
(テジュン、すまぬ。お前の婚約者を奪うような真似をしてしまって… しかし私は気付かぬ内にソンイを好きになってしまっていたのだ… 許してくれ。その代わり私はお前の力になろう。)
と思った。
*To be continued*