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誓いの歌  作者: 杏華
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第3章<新たな出会い>

第3章<新たな出会い>


ソンイは花嫁修業をしながら、何度かテジュンとお酒を飲み語りあった。

そして今日も…

「お嬢様!今日もテジュン様と会われるのですか?友達になったとおっしゃっていましたけど、お嬢様が本当は女だと知ったら大変な事になるのでは…?」

とウニが心配そうに言った。

ソンイは、ハッと気付いた様子で

「そうよね… それが問題なのよ。テジュン様はいい人だし、私は結婚に異議はないけどテジュン様には想い人がいる… とにかく今悩んでてもしょうがないわ!これからは会うのを控えるようにしようとは思ってた。でも今日は会わせたい人がいるって言ってたから行かなくちゃ。」

と言って出かけた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


いつもの酒場に行くと、テジュンが手を振りながらこちらに歩いてきた。

「今日は俺の家に行こう!ソルに会わせたい人もそこにいるから。」

と言い、歩き出した。

ソンイは道中その人の事を聞いたが、テジュンは会ってからのお楽しみ!とはぐらかした。

右議政の屋敷に着くと、ソンイは屋敷を見回して

「やっぱりテジュンの家は広いな!」

と興奮して言った。

テジュンは

「ソルの家も結構な大きさだろ?さあ、こっちの部屋だ。」

と少し笑いながら案内した。

その部屋に入ると、1人の男が座っていた。

その男は

「来たか!待ってたぞ。俺はイ・ジョンファだ。よろしく!」

と自己紹介した。

ソンイも

「俺はミン・ソルだ!よろしく!」

と名乗った。

テジュンはその様子をニコニコしながら見て、

「では今日は3人で思う存分語り合いましょう!」

と言い、お酒をつぎはじめた。


しばらくしてお酒も結構減ってきた頃、誰からともなく新しい税収の仕組みの話になった。

ソンイがお酒の勢いもあり

「あの新しい税収の仕組みは失敗だな!今回の法を定めたのは世子様らしいな。まだまだ未熟って感じたよ。」

と言った。

すると、急にテジュンが慌て出して

「おいソル!今のはいい過ぎだろ!」

と言った。

しかしジョンファがそれを制し、続きを促した。

ソンイは

「だってそうだろ?今は民にとって優しい法だが、あと1.2年もしてみろ。両班に優しい法に様変わりするじゃないか!」

と少し怒りながら言った。

するとテジュンがすっかり青ざめた顔でジョンファの方を向き

「世子様、ソルの無礼をどうかお許し下さい!」

と言ってソンイの頭を下げさせ、自分も深々と頭を下げた。

ソンイは初め、テジュンが何を言っているのか分からず

「世子様?どこに世子様がいるって言うんだよ。テジュン、お前頭でも打ったか?」

と笑いながら言った。

するとテジュンが

「頭なんて打ってない!俺は真面目に言ってるんだ。早く謝れ!」

と必死な顔で言った。

ソンイは

「えっ?冗談じゃない?本当なのか?えっ?ジョンファが世子様…⁈」

と言い、同時に酔いが一気に冷めた。

ジョンファは少しばつが悪そうに

「あぁ、本当だ。すまない、騙すような真似をしてしまって…」

と言った。

ソンイはジョンファが言い終わるやいなや

「世子様と知らずこのような無礼を働いてしまい、まことにすみませんでした!」

と深々と頭を下げた。

ジョンファ…もとい世子は

「よいのだ。ソル、お前が言ったような正直な意見が聞きたいと常々思っていた。今日は貴重な意見が聞けて嬉しいよ!」

と笑って言った。

だがソンイはただただ平伏するばかりだった。

世子はソンイの顔を上げさせると、

「罰を与えるつもりはない。しかし、これで俺たちの仲が崩れるのは不本意だ。どうだ?

これからも友達でいてくれると言うのなら罰は与えない。」

と言った。

ソンイは

「世子様が望まれるのなら願ってもない申し出でございます!」

と安心したように言い、突然気が抜けたように倒れてしまった。

横にいたテジュンは慌てて支え、世子に隣の部屋に布団を敷いてあるから連れて行くように頼み、その間に自分は水を持ってくると言った。

世子はソンイを抱え、隣の部屋へ行きソンイを布団の上に下ろした…とその時、ソンイの服の胸元が少しはだけてしまいソンイが身につけていたさらしが見えてしまったのだ。

世子は驚き

「ソルは女だったのか!ではなぜ男装を…?

と言い、少し考えた後に

「男装をしているのには理由があるのだろう… とりあえずこの事はテジュンには秘密にしておいた方がいいな。」

と言い、外へ出るとお付きのキム内官に

「確かこの前テジュンは、ソルは義禁府判事の息子だと言っていたな。密かに義禁府判事の家族の事を調べろ。」

と命令した。

そこに丁度テジュンがやって来て、

「世子様、ありがとうございました。随分と時間が経ちました… 今日はこれでお開きにしましょう。」

と言ってソンイの枕元に水を置くと世子を見送った。

それから少ししてソンイが目覚めた。

ソンイはテジュンに寝てしまった事を謝り、シュンとしながら右議政の屋敷を後にした…。


*To be continued*

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