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春夏秋冬  作者: ユイ
3/4

二話

放課後。


私は早々に掃除を終わらせて校門に行った。

校門に着いて周りを見渡しても、雪野くんと桜井くんはいない。


しばらく待つと二人は歩きながら校門まで来た。


「こんにちはです。二人ともなにしてたんですか?」


「…先生に捕まってた。遅れて悪かった。」


「じゃあどこ行きたい?海堂さんの行きたいとこでいいよ。」


むぅ…。


「雪野くん、“さん”はやめてください。」


「んー、なっちゃんでいい?」


「はい!」


そう、呼び方が気に入らなかった。


友達になったのだから“さん”はいらないと思った。


「プリクラというのを撮ってみたいです。」


「………。」


「なっちゃんプリ撮ったことないの?」


「はい。だからどんなのか楽しみです!」


クラスメートが話していたのをたまたま聞いて興味がでた。


「…違うのにしないか?」


桜井くん撮りたくないのかな。


「なに言ってんだよ春奇、行くぞ。」


「ちっ……。」


「あの、桜井くん。行きたくないなら違うとこに行きましょう?私なら構いませんから。」


「いい、行ってやるよ。」


「ありがとうございます!」


桜井くんてあんまり笑わないけど優しいな。


モテるだろうな。


「…なにブツブツ言ってんだ?」


「え!?あ、いや別になんでもないです。」


桜井くんに聞かれてた!?

ていうか声に出てた!

恥ずかしい…。


「じゃあ行くか。春奇、なっちゃん。」


「おぉ。」


「はい!」


………。

……。

…。


-ゲームセンター内-


「なんかドキドキします…!私ゲームセンターなんて初めて来ました。」


なんか色んな音がいっぱい鳴ってて賑やかです。


二人ともよく来るのかな。


「二人ともよく来るんですか?」


「…俺はあんま来ない、けど冬也がよく来てる。」


「そう、ビー○ニをやりにね。」


「なんですか?それ。」


「簡単に言うと音ゲーだよ。タイミングよくボタンを押すんだ。」


聞いたことない…。

ひょっとして凄いマイナーなのでは?


「春奇はクレーンゲーム上手いよな。」


「言うほど上手くねぇよ。それに最近やってないから腕が鈍ってる。」


あのくまさん欲しいです!

挑戦します!


「私クレーンゲームやりたいです!あのクマさん欲しいです!どうしても欲しいです!」


「春奇付き合ってやれよ、俺はビー○ニやってくるから。」


雪野くんさすが!


あ、桜井くんと二人きりか。

ちょっと緊張するかも…。


「ほら、行くぞ。あのクマだろ?」


そう言って桜井くんは両手に収まるくらいの、クマのぬいぐるみを指差した。


両手だから意外とおっきい。


「はい、そうです。」


「取ってやる、見てろ。」


「待ってください、最初は私がやります。」


「そうか。」


私は百円を投入してボタンを押し、クレーンを操作した。


♪〜♪〜♪

ウィイイイイ――…


変な音楽と共にクレーンが動き出した。


「………。」


「………。」


終始二人は無言でクレーンを眺めていた。


そしてクマ目掛けてクレーンが放たれたが、クマを入手することは出来なかった。


「あぅ、取れなかったです…。桜井くんやりますか?」


「あぁ、取ってやる。見てろ。」


桜井くんはそう宣言し百円を投入した。

桜井くんはとても慣れている手付きでクレーンを操っていった。


「桜井くんなんか慣れてますね。」


「こんなんやってりゃコツなんかすぐにわかってくる。」


そして桜井くんはクマを取ってみせた。


「ありがとうございます!嬉しいです!」


「おぉ。」


///!?

桜井くんの笑った顔かっこよすぎます///


「///」


「どうした?顔真っ赤だぞ?」


そんな状態のところに桜井くんは、自分のおでこをくっつけてきた。


「////!?」


顔近いぃ///


「熱はねぇみたいだな。これから冬也連れてプリ撮るんだから、体調崩すなよ。」


「は、はいぃ///」


………。

……。

…。


「冬也、そろそろ行くぞ。」


雪野くんを呼びに行ったら例のゲームをやっていた。


雪野くんの指が残像を作ってる…。

人間技じゃない。


「いやぁ、今日も店内最高記録を出させてもらったよ。」


と、なんとも満足そうな顔をしながら、雪野くんはさらっと凄いことを言っていた。


「プリ、撮りに行くぞ。」


「はいよー。あの機種でいいよね?なっちゃん。」


「はい、撮れればなんでもいいです。」


そして中に入り私達は写真を撮った。


そして撮った写真をプリクラ機から受け取り、その場を離れた。


「なっちゃん写りいいね、春奇そう思わない?」


「そうだな、初にしては可愛く撮れてる。」


「可愛くないです///!」


桜井くんに可愛いって言われた///

今自分がネコなら間違いなく叫んでます。


「さて、プリも撮ったし帰るか?」


「あの、また三人で撮りましょう!プリ!」


「おぉ。」


「うん!」


二人は最高の笑顔で答えてくれた。


それからゲームセンターを出て二人にさよならをして帰った。


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