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世界書で恋の魔法は作れない  作者: rpmカンパニー


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124/126

124.記憶呼び出し魔法

 古今東西男子高校生が考えることは変わらない。

 複数人集まればエロ談議に花開かせるのが普通だろう。

 ただその場所が教室内となるのはどうかと思う。


「どこまでOKかそれが問題だ」

「うん、そんなこと言ってる時点でアウトだからな」


 桐谷にツッコミを入れる。

 少なくても『どこまで』といった時点で大体駄目だろう。


「能見は見たくないのか!?」

「そこは否定しないけど嫌がってる人のを見るのはどうかと」

「けっ、彼女持ちが」

「聞いといてそれかよ!?」


 なぜ真っ当に答えたのにキレられないといけないんだ。

 というかそもそも教室でする話題か?


「胸元開けててそこから谷間が見えてたら、見てもセーフだと思うんだ」

「まあセーフだと思う」


 さすがにそれをNGと言われても見えるのだからどうしようもない。

 まあ桐谷のように積極的に見に行ってることがばれたらアウトだと思うけど。


「じゃあ録画するのはOKか?」

「スマホを向けた時点でグレーゾーンにしてもらえるか否かってレベルだと思う」


 実際カメラ起動の有無は関係なくスマホを女子に向けた時点でアウト判定されても仕方ない。

 撮影されているかもってだけで不安になると思う。


 だって女子は好きな男に見せたいからそんな格好してるのであって、好きでもない男のおかずになるためにやってはいない。

 いうなればおこぼれに預かってる身なんだから、余計なことをせずしっかり脳内に焼き付けておくのが堅実だ。

 下手なことをして見せてくれなくなるのが一番困る。


「そこでこれが登場する、[愛のメモリー]という魔法だ」

「なんだよそれ!?」


 ニヤリと笑って桐谷が世界書を開いた。

 まさか桐谷から俺の知らない魔法が出てくるなんて思わなかった。


「人間の脳はあらゆるものを記憶していると言う、思い出せないというのはあくまで呼び出せないだけだと」

「なんだと!?」


 そんなこと知らなかったぞ!?

 もしそれが事実なら今まで見たもの全て思い出せる可能性があるってことだろ!?

 例えば透子の下着姿とかうろ覚えになってるけどしっかり思い出せるなら思い出したい。


「この魔法は脳内の特定の記憶にタグをつけるんだ」

「うんうん!!」


 タグ付け。

 何かを整理したいなら定番の手法だろう。

 どういったタグがどのようにつけられるのか気になる。

 普通に考えれば手動でつけるのかな?

 でもそれだと現時点で記憶していないといけないってことになるから出来れば自動でつけてほしい。


「そのタグは本人が印象的だと思っている記憶に自動でつく」

「うんうん!! それで!!」


 なるほどなるほど、自動でつくなら問題はない。

 印象的と思っている記憶というのが若干曖昧だけど思い出したいと思ってる記憶なんて大抵印象的なものだろう。


「そしてタグのついた記憶をランダムで呼び出すんだ」

「おいいい!?」


 なんでそこでランダムなんだよ!?

 せっかくタグ付けしたのにその意味はなんだったんだよ!?


「タグ付けの意味は知らん」

「一番大事な部分だろ!?」

「能見ほど魔法に興味ないし」

「興味持てよ!? 印象的な記憶が見たい記憶かどうか分からないだろ!?」

「俺の印象的な記憶は全てエロ関係だ」ドンッ

「うん、言いきれる度胸はすごいと思うけど多分それ以外も混ざってるよね」


 ただ桐谷の言い分も一理ある。

 印象的な記憶なんて大抵エロ関係だろう。

 それなら使い道は十分にあるか。


「面白い話してるだろ」


 翔が話に混ざってきた。

 どうやら他の人に聞こえる音量だったらしい、困ったものだ。


「真琴のツッコミがうるさくてよく聞こえたぞ」

「能見には困ったもんだな」

「俺のせい!?」


 絶対こんな所でそういう話をした桐谷が悪いだろうが!?

 それに魔法ネタでツッコんだだけでエロネタにはツッコんでない!?


「で、実際使ってみたのか?」


 俺のツッコミは無視して翔が話を進める。

 相変わらず友達がいのない奴。


「もちろん使ったぞ、懐かしい記憶がばっちり再現された」

「ほう」

「おお」


 そうか、上手くいったのか。

 記憶に関する魔法はまだまだ研究途中だから駄目じゃないかと思ってた。

 本人がうろ覚えな記憶が再現されるならかなりの価値がある。


「ただちょっと年が若すぎたな」

「え、桐谷ってロリコンじゃなかったっけ?」

「それは鳥海だ!!」


 俺の質問に人違いだと答える桐谷。

 おかしいな、でも以前に灯里ちゃんを狙っていたような。


「あれはノリだ」

「ほう、ノリでうちのかわいい妹に手を出そうってか」

「あ、やめろ、間接はそっちに曲がらない!?」

「口は禍の元だな」


 翔は灯里ちゃんのことに関してはすぐ本気だすからなぁ。

 まあ指の一本や二本折れた所で日常生活に支障出ないだろう。


「出る!? 小指ないだけで力でないからな!?」

「ほほう、なら親指にしておいてやる」

「もっと駄目に決まってるんだが!?」


 覚悟の決まっていない奴だ。

 諦めて指を捧げればいいのに。


「あれ、桐谷君と春日井君はそういうプレイ?」


 ぎゃあぎゃあと騒いでいたからか橘さんが声をかけてきた。

 ただ指を折るかどうかの状況を見てプレイと思えるのは変態すぎると思う。


「橘さん助けて」

「うーん、折ると太くなるって言うしもっと別の所の方がいいかも」

「へんたいだ!?」

「あ、ひどい、へんたいじゃないよ淑女だよ」

「そこは『へんたいじゃないよ、仮にへんたいだとしてもへんたいという名の淑女だよ』であると良いだろ」

「なにそれー」


 翔のツッコミに橘さんが笑って返している。

 どうやらネタを知らなかったみたいだけどさすがにクマ吉扱いは失礼だと思う。


「ちなみに海綿体は折れると再生しないだろ」

「え、そうなんだ、知らなかったよ」


 ペンとメモ帳を取り出してメモし始めた。

 その行動パターンが以前ワンパックで見た行動パターンとあまりに一緒だったので見た目の違いに違和感を感じてしまう。


「そういえばメガネじゃないんだ?」

「へ? 橘ってメガネなの?」

「あ、もう隠してたのにー」


 しまった、余計なことを言ってしまった。

 よく考えたら学校でつけてないんだから理由があるのに決まってるのに。


「目薬さすのをよく見かけるからコンタクトだろ?」

「そう、コンタクトだとすごく目が乾くの、だからちょっと苦手」

「へぇ、じゃあどうしてメガネじゃないんだ?」

「だって……オタクっぽいって思わない?」


 たしかに以前のメガネ姿はちょっとオタクっぽいとは思った。

 おしゃれメガネならともかく普通のメガネだと橘さんの雰囲気と合いすぎる。


「そうかな、俺は橘のメガネ姿って似合うと思うぜ」

「え……、本当?」


 桐谷の言葉に目を輝かせて答える橘さん。

 これはもしかしてもしかするか?


「おやおやおやおや、どう思いますかな、春日井さんや」

「これはこれは、十分可能性があると思いますな、能見さんよ」

「これはなかなか面白い展開ですぞ」

「うむ、今後の進展に期待ですな」

「二人とも何変な言葉づかいで話してんだよ!?」

「そうだよ、仲の良さをアピールしすぎだよ」

「アピールは違うよ!?」


 ついノリで翔と喋っていたら仲良しアピールに見えたらしい。

 二人の方がよほど仲良しアピールしてると思うけど自覚はないようだ。


「じゃあ何してたの?」

「保護対象には干渉せず遠くから見守る方が良いって話かな」

「いきなり何の話してるんだよ」

「桐谷は知らなくていいことだろ」


 結局このままのぐだぐだで魔法の話の続きは聞けなかった。

 ただ魔法名は聞いたことだし実際に試してみればいいか。

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