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世界書で恋の魔法は作れない  作者: rpmカンパニー


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122/126

122.レベル制限

 魔法の情報交換はSNSやdiscordといった場所が主力である。

 記録が残るし機能も使いやすい。

 特定ユーザーに限定したコミュニティを作れば内緒話も可能だ。

 ただ問題になるのは情報漏洩の可能性。

 これはユーザーからのハッキングという意味じゃない、運営からの覗き見という意味だ。


 言うまでもなく魔法の情報というのは非常に価値が高い。

 普通の内容であれば運営が情報を吸い出すような真似をしないだろうが、魔法の情報であれば抜いていてもおかしくない。


 事実、discordの限定コミュニティでサーバーハッキングに関する魔法の討論がされていた時、discordサーバーだけはどこよりも早く対応していた。

 たまたま関係者が混ざっていた可能性もあるけどやはり情報漏洩を疑ってしまう。

 もっと気軽になんでも話せる所、それを探してたどり着いたのがここだ。


パヤ夫:やはり人の心を操る魔法はあるんじゃないか?

sari6:可能性は高い

iiiiii:作成不可と出るけど?

早蕨弓:抜け道があると思うでござる

パヤ夫:弓さんなんか知ってんの?


[ノービスさんが入室しました]


ノービス:こんばんは

早蕨弓:曰く「使用制限がかかっている」と

アリアドネ:ノービスさん、こんばんは

パヤ夫:新規は珍しい

sari6:歓迎

flowing:いくつか試したことはあるなぁ

iiiiii:使用制限?


 あっという間に流れていくログを見ながら少し考える。

 今見ているのはマローチャットと呼ばれるソフトだ。

 大昔に作られたソフトウェアでチャット形式で会話できるだけの機能しか持っておらず画像を貼り付けることすら出来ない。

 もちろんスマホ対応なんてしていない。


 ただこのソフトの特徴はサーバーにデータを保存していないことにある。

 誰かが送ったチャットは現在ログインしているメンバーに送られるだけで、個人のPC以外には保存されない。

 つまりその時参加していた人しかチャット内容を確認するすべがないということだ。

 そして個人制作かつ作られた時期が古いので、ソフトのダウンロードもできない。

 現在ソフトを持っている人からもらわなければつなぐことすら難しいので身内用としては非常に便利だ。


パヤ夫:使用制限って身内だけとか?

ノービス:使用制限です?

sari6:あるとすれば何らかの制約か

アリアドネ:ノービスさん、人の心を操る魔法があるかって話

iiiiii:作成不可を制約で突破できるとは思えん


 うーん、活発に議論が交わされている。

 この辺りはDiscordと比べると積極性が違うよな。

 あっちは情報をもらうだけだったり自慢するだけだったりで会話が進まないことが多い。

 船頭多くして船山に上ると言うけど本当だよな。


flowing:作成不可でも似たような効果で作れば可能ってケースはある

アリアドネ:でもそれって作成不可は不可のままじゃない?

sari6:結果が同じなら手段は気にしなくていいだろう


 たしかにそれはそうだよな。

 結果的に人の心を操ることが出来れば目的は果たせる。

 ただ[対抗呪文]がある限りそういった類すべて打ち消されるんだよな。

 [対抗呪文]を使っていない人限定なら可能なんだけど……。


ノービス:あると聞きました

早蕨弓:条件付きの魔法じゃないかと思うでござる

パヤ夫:了承を得ているって条件ならいける

アリアドネ:ノービスさん詳しく

iiiiii:聞いただけ?

sari6:俺も聞いたことはある

ノービス:一定レベル到達です

flowing:条件って言っても、え?

iiiiii:一定レベル?

パヤ夫:そんな制約聞いたことないぞ

早蕨弓:可能性はあるでござる


「まじかよ……」


 今まであらゆる点においてレベルを要求されることはなかった。

 消費MPが実質的にレベル要求だったからだ。

 でももし本当にレベルを要求するのであれば知っている人が少ないのも説明がつく。


ノービス:条件を満たした時にk


[ノービスさんが退室しました]


iiiiii:え?

flowing:どういうこと?

パヤ夫:おいおい種明かしなしかよ


 みんながざわついている。

 ただこれはもしかして退室したんじゃなくて……。


makopi:退室させられた?

アリアドネ:makopiさんが珍しく発言してる

sari6:そりゃあ喋りたくもなる

早蕨弓:怪しいでござるな

アリアドネ:makopiさんが?

早蕨弓:ノービスどのでござるよ

iiiiii:makopiが怪しいのはいつものこと


 ひどい言われようだ。

 俺のどこが怪しいのか言ってほしい。


パヤ夫:変態だからな

makopi:違うよ!?

flowing:もしかして文章を途中で切ったんじゃなくて切られた……?

早蕨弓:可能性は高いでござる

sari6:だがなぜ突然?

iiiiii:真実だったから?


 iiiiiiさんの一言でみんなの書き込みが止まる。

 たしかに真実であればかなり重要な情報だろう。

 ただこのソフトでそんなことがあるのか?

 もしこんな場所ですら監視されてるとしたら……。


アリアドネ:多分物理的だと思う

パヤ夫:アリ姉kwsk

sari6:さすアリ

flowing:アリ

アリアドネ:なんか馬鹿にされてる気がする


 馬鹿にはしてないけどきっとおちょくってる感じがある。

 数少ない女性っぽいアカウントだからみんな構うんだよな。


早蕨弓:入力の途中で切れてるからでござるな

アリアドネ:そうそれ!!

iiiiii:なんでそれだと物理的なんだ?

makopi:多分入力途中で送ることがないからかな?

パヤ夫:なるほどな

sari6:三行で説明してくれ

flowing:むしろ増えてないか?

アリアドネ:えっとね、もしネットから遮断したなら隠したい情報を一部とはいえわざわざ送信しないってこと。

sari6:納得、さすアリ

flowing:アリ

パヤ夫:アリアリアリアリ、アリーヴェデルチ!!

iiiiii:パヤ夫、君はいい友人だったがブチャの真似をしたのがいけないんだよ。

flowing:お別れをつげろ、三分待ってやる

sari6:さあ、懺悔の時間だよ

早蕨弓:sari6どの、さすがにそれは年がばれるでござる

iiiiii:なにそれ?

早蕨弓:30年近く前のテレビドラマのネタでござる

sari6:ち、ち、ちげーし、魔法の勉強で調べただけだし


 sari6さん意外と年だったんだ。

 早蕨さんは会話のネタ的にもかなりの年上だとは思ってたけど。


アリアドネ:でもレベルだけならもう少し情報出ても良くない?

パヤ夫:それはその通り

iiiiii:何か事情があるとか?

flowing:隠しておきたいぐらい便利な魔法だったのかもな

アリアドネ:わたし、もうすぐ100レベルなのよ

早蕨弓:おお、拙者はまだ87レベルでござる

sari6:51……

flowing:これは乗った方が面白いな、95

パヤ夫:嘘だろ、俺まだ26

iiiiii:62、パヤ夫は努力不足では?


 たしかに26はちょっと低い。

 少し頑張れば到達できるレベルだしパヤ夫さんは面白い魔法よく作るからぜひ高レベルになってほしい。


アリアドネ:makopiさんは?

makopi:一応99かな

アリアドネ:あ、いっしょだね

sari6:makopiが調子に乗っている件について

パヤ夫:アリ姉にまとわりつくmakopiは排除だー

早蕨弓:makopiどのはずいぶんと高レベルでござるな

makopi:なぜか有名になった魔法があったから……


 ただ実際の所はMP譲渡魔法の影響も大きい。

 最近は翔だけじゃなく平川さんもレベルアップに熱心だからガンガン使ってるんだよな。

 レベルが上がるほど試行できる回数も増えるから経験値の入り方が半端ない。


iiiiii:何の魔法?

flowing:それを聞いたら名前聞いてるようなものだろ

アリアドネ:聞きたいな

パヤ夫:アリ姉がご要望だ、吐け

makopi:嫌だよ!?


 ただ俺もアリアドネさんの魔法は気になる。

 99まで行くってよほど有名な魔法じゃないと駄目なんじゃないかな。


flowing:ま、パヤ夫は早くレベルあげることだな

早蕨弓:パヤ夫どのは魔法を広く公開さえすればすぐでござるよ

sari6:ずっと隠してるもんな

パヤ夫:検討しておく


 結局ノービスさんは再入室しないままだった。

 ノービスさんが言おうとしていたことが分かるのは少し後のこととなる。

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