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並盛、温玉つき、自己肯定感なしで

作者: イスコ

これは一種のセルフラベリングであり、自嘲の盾であり、

同時に現代の仮面舞踏会における“匿名性の鎧”でもある。


そんなチー牛、つまり

「地味で根暗でモテないけど、内心めちゃくちゃ繊細で考えすぎてる男」たちへ贈る、

ちょっと痛い、でもやたらエモい自画像

大学の昼休み、

食堂のレジで「温玉つきチーズ牛丼 並盛ください」って言ったら、

店員さんが一瞬だけ目を逸らしたような気がした。


被害妄想?わかってる。でも、チー牛って呼ばれた日から、

この注文に人格が乗っかっちゃったんだ。


鏡を見る。

量産型黒縁メガネ。前髪、眼球に接触。

UNIQLOで買ったパーカーに、USBメモリのネックストラップが今日もぶら下がってる。

語彙力だけは高いけど、話しかけられることは稀。

「大人しそう」って言われるけど、ほんとは心の中、めっちゃうるさいです。


Twitter(鍵垢)ではそこそこ饒舌。

好きなアニメの考察スレでは無双できる。

でもゼミ発表は無理。

「あいつ意外と話せるじゃん」とか言われると、

逆に何かが壊れそうになる。お前の“意外”で俺の人格を測るな。


恋愛?憧れてるけど、無理ゲーです。

「優しそうだよね」って言われた数日後には、

隣の陽キャと付き合ってた。

うん、知ってた。俺は“話しやすい人”止まりの宿命。


でもさ、本当は。

誰かに言いたい。

「俺、こんな見た目だけど、結構ちゃんと生きてるよ」って。


周りが言う「陰キャ」とか「地味」とか、

それ全部、俺なりに整理して納得して、

それでも食堂で今日も「温玉つき」って言ってるんだよ。



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