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十一月の出来事B面  作者: 池田 和美
7/19

十一月の出来事・⑦



 お昼休み。まあ大体の日本人は昼食を摂るために職場や現場、学校の教室で動きがある時間である。たまに「ダイエット中だから」といって我慢する光景も、また高校らしい場面であったりもするが。

 清隆学園高等部でのお昼ご飯の事情というのは、他の私立高校とそう大して変わったものでは無かった。

 まず四つある校舎の内、D棟一階に学食が店を開いていた。質よりも量に重きを置いたメニューに対する評価は、食べ盛りの生徒たちに概ね良好であった。

 ただ、床面積の関係で全員を納められる程の席が用意されていないのが難点だ。

 強者は料理の乗ったトレーを持って、そのまま上の階にある学生会館と名付けられた部屋へ移動して食べたりもする。しかし主に衛生上の理由で食器の持ち出しは原則禁止されているので、風紀委員に掴まると畳の部屋で正座をさせられることもあった。

 まあ床面積からして全生徒を収容できない事を見越してか、学食の向かいにある購買部でも食べ物が扱われていた。

 よくある菓子パンなどの他に、毎日学食の厨房で作られるお弁当も並べられていた。容器分だけ余分に値段を払わなければならなくなるが、外にあるコンビニ弁当よりかは温もりのこもった食事ができるし、なにより時間の節約になった。

 さらに自動販売機がズラリとならんだコーナーにはサンドイッチなども販売されており、学食にも入れず、さらに購買部の争奪戦に敗北したとしても、何かしらの食料は手に入るようになっていた。

 そして、もちろん通学の途中などでコンビニなどによって食料を調達する方法もある。さすがに外部の業者に出前を注文するのは、生徒には許可されていなかった。(教職員ならば可能であった)

 そんな清隆学園高等部の食糧事情であるが、アキラとヒカルのお昼はどれとも違った。

 毎朝早起きして、アキラの実母である香苗が、お弁当を手作りしてくれるのだ。

 給食だった中学校と違い、毎朝お弁当にオカズを詰めるのは大変だろうと、アキラは香苗に訊いたことがある。その答えは「だって剛さんに作ってあげられないんですもの。腕がなまっちゃうわ」だそうだ。

 たしかに今年に入り出張ばかりの父親は外食が続いているはずである。そんな彼が普通に出社する時は、もちろん香苗は想いをたっぷり込めた愛妻弁当を持たせていた。

 まあ実子であるアキラはあまり抵抗がなかった。たまには菓子パンでも食べてみたいことがあったが、お小遣いの節約と考えれば、これほど有難いことは無かった。

 問題はヒカルである。居候の身で、お昼のお弁当まで作ってもらうことには、非常に抵抗があったようだ。

 最初は早起きをして自分でオニギリを握るなどしていたが、やはり本職の主婦には敵わずに、いつの間にかお弁当を作られてしまうようになった。

 いちおう一回だけ、忘れた振りをして弁当箱を置いて登校したこともあった。

 その時に香苗が、昼ご飯に間に合うようにわざわざ届けてくれたことで、ヒカルも白旗を上げた。

 以来、アキラとヒカルは二人で中身が同じお弁当を突き合わせて食べることになった。

 場所は、最初の内は一年一組の教室であったが、明実が詐欺師のような手口で鍵を手に入れた教材倉庫が使えるようになってからは、そこで食べることが多くなっていた。

 今日も、科学部事務局の看板代わりのダンボールを貼った机を廊下に出して、二人はかろうじて原形をとどめている椅子に座って、お弁当を置いた机を境に向き合っていた。

 もちろん中身は昨夜の残り物だったりすることがあるが、大して問題にしていなかった。実際、今日も昨夜食卓に並んだ白身魚のフライを、南蛮漬けのような甘辛いタレで味付けしなおしたオカズが入っていた。

 余談であるが、アキラが中学校時代にお弁当が必要になった時は、アルマイトのデカさが特徴のいわゆる「ドカベン」に白飯を詰め、オカズは別に用意した地球を救う五人組がプリントされた物に詰めてもらっていた。事情が変わって、体格に見合った食事量になった今は、ヒカルとお揃いのカワイイキャラクター柄の物になっていた。

 教室よりもこの部屋が昼食に有利な点は二つあった。一つは不特定多数の人間に中身を覗かれないことだ。高校生にもなってお母さんに作ってもらっていると、女子の間でのマウント合戦の種になりやすい。元は男であるアキラはあまり気にならないが、ヒカルは気にするようであった。

 もう一点は、この部屋自体はC棟の一角にあるがD棟に近く、自動販売機コーナーで飲み物を調達しやすかった。

 ということで、二人は香苗が作ってくれたお弁当と、自販機で購入した飲み物でお昼を済ませたところだった。

「ごちそうさま」

 空になったお弁当箱に両手をあわせて作ってくれた香苗と食べ物自体への感謝を示す。アキラが毎回やっているので、いつの間にかヒカルも真似するように手を合わせるようになっていた。

「うん、満腹まんぷく」

 ヒカルがわざとらしく腹を撫でた。手にしたボトルから口の中を漱ぐようにして緑茶を喉へ流し込んだ。

「…」

 対するアキラは、なにか言いたげなまま麦茶のボトルを傾けていた。

「…」

 お互い何も言わず、視線だけ交差させる。どうやらアキラの機嫌は少し悪いようだ。

 表情からそれを見て取ったヒカルは、アキラのホッペを摘まんで訊いた。

「どうしたよ」

 イタズラ気に微笑みかけるが、アキラは膨れたままだった。

「言いたいことがあるなら、言えよ。男らしくないぞ」

「べつに」

 腹に何かあるといった不貞腐れ顔であった。

「…」

 ちょっと考えてからヒカルは笑顔を作り直した。

「なんだ、まだ留守番が嫌なのか? ひとりぼっちはさびしいでちゅか?」

 後半はまるで幼子をからかうような口調であった。まあ、二人の間に存在する本当の歳の差を考えると、性別は変わってしまったが見た目通りの年齢のアキラと、実は昭和に『構築』されたらしいヒカルならば、親子どころか祖母と孫よりも離れているはずだ。その歳の差ならば、こういった口調をしても当たり前と言えば当たり前であった。

「やめろよ」

 まだホッペをフニフニ摘まんでいるヒカルの右手をアキラは振り払った。

「あ、つ」

 払われた途端に、ヒカルは指を庇うような仕草をした。

「あ、ごめ…」

 既述の通りアキラは『施術』で『創造物』の身体となっているため、見た目では考えられないような膂力を持っていた。その怪力を無制限に叩きつけたらプロレスラーの腕すら折りかねない。しかも相手が同じ『創造物』のヒカルでも、見た目は細くか弱い指では、相対的に防御力が劣ると見て間違いないだろう。何気ない一撃が重傷になる可能性だってあった。

「い、いや。大丈夫」

 不安そうに指を曲げ伸ばししていたヒカルが平静を取り繕って言った。だがその顔はどこかしら歪んでいるように見えた。

「怪我したのか」

 慌ててアキラはヒカルの指を掬い上げるように手にすると異常が無いか確認した。さすがに骨折していれば見た目に変化が現れるはずだ。

 あんな象を一撃で倒すような銀色の銃(ハンド・キャノン)を楽々扱っていたとは思えないほどの華奢な指であった。

「痛いのか?」

「いや、大丈夫だって」

「ここか?」

 ヒカルの人差し指に変色が見られた。どうやら打ち身程度のダメージはあったようだ。

 アキラは躊躇することなくヒカルの指を咥えた。

「え…」

 口腔に取り込まれた途端、指は熱いほどの体温を感じた。舌が蠢いて痛かった場所に絡みつくように、唾液を擦り付ける。

 ザラザラした触感が皮膚を包み込み、痛みを感じていた部分を覆い隠した。

 相手の体温が気にならないほど温められた後にヒカルは解放された。

「異常があるんなら、明実に…」

「だいじょうぶ!」

 顔を真っ赤にしたヒカルが悲鳴のような大声を上げた。

「本当か?」

 再度の確認に何度もうなずくヒカル。顔は赤いままだ。

「あー、そうそう」

 無理に話題を変えようとヒカルは声を張り上げた。

「最近、おまえを留守番にしてるのは、ちゃんと理由があるんだぜ」

「りゆう?」

 明実と二人きりになりたいからなんて言われたら自分が何を言い出すか分からず、アキラは不安そうに顔を歪めた。

「イジメじゃねえって」

 どうやらヒカルは誤解したようだ。スカートのポケットから柄付きキャンディを取り出すと、包み紙を解きながらちょっと早口で教えてくれた。

「アキザネがおまえの腕のスペアを作った時、腕が保管されている部屋に近づいたら、おまえの調子が悪くなったろ?」

 いまは盗まれるぐらいならばいっその事と全て廃棄したらしいが、かつて明実はアキラの腕を大量に製造したことがあった。まあ、失われる可能性がある部位の予備を先回りして作り溜めしておくという思考は分からないことも無かった。

 だが、その大量の腕に近づくとアキラはハッキリと体調を崩した。明実の説明によると、大量に作った腕に含まれる神経からの雑音(ノイズ)のせいということらしい。

「あれと同じ事が起きるんじゃないかって、アキザネは心配してるのさ。しかも、今度はもっと酷いヤツ」

「あれ以上のかよ」

 アキラが経験したのは偏頭痛の症状をより重い感じにしたような気分であった。なるべくだったら、もうああいう経験はしたくなかった。

「だからアキザネの仏心でおまえを連れて行かないんであって、けっして意地悪じゃないんだ」

「けどよ」

 ちょっとだけ眉を顰めて、両肘をついた手の上に顔を乗せた。

「あんまり気分のいいもんじゃないぜ」

「もう高校生だろ」

 パフッと今度は鼻をつままれた。



「結局、あそこに決めたんだ」

 一方、同じ昼休みでも、二階にある司書室では違った風景が見られた。やっぱり司書室には『常連組』が当たり前のような顔をしてたむろしており、その中でサトミは一冊のノートを見ながら声を上げた。

 どうやら隣に声をかけたつもりのようだ。

 本日は朝から男の格好である。サトミもお弁当派であり、今日もまるで女の子が持ってくるようなファンシィなお弁当箱で昼食を済ませていた。

 隣に座っている空楽は、腕組みをしたまま微動だにしていなかった。

 今日も売店で購入した菓子パンで昼を済ませた彼は、自分にかけられた声でないと分かってい…「Zzzzzzzz」

 小春日和の柔らかな日差しが司書室の開け放たれた窓から差し込んでいた。

 不破空楽。彼は何よりも居眠りと読書、そしてアルコールを愛する男だった。(確認)

 昼食後で満たされた胃袋。

 昼下がりのうららかな陽気。

 開け放たれた窓から戦ぐ優しい風。

 国士無双十三面待ちレベルで条件は整っていた。

「ん、まあのう。他に良い物件は無かったのでの」

 一つ置いて、何やらノートを広げてペンを動かしている明実が答えた。

 自分のノートを両手で閉じたサトミは、いまさら何の事だと訊くように首を巡らし、明実を見た。

 ちなみに明実の昼は、まるで医薬品のようなタブレット数個とミネラルウォーターという、成分的には一食で間違いないだろうが、見るからに味気ない物であった。

「研究に場所を借りる話しであろう?」

 相変わらずペンを動かし続ける明実。何を書いているのだろうと覗くと、高校では習わないような高次方程式がビッシリと紙面を埋め尽くしていた。

「御門にはそうか」

 改めて紙面を確認したサトミは、指をのばしてノートの一点に指を置いた。

「?」

「やりなおし」

 解の途中だった明実はペンを置き、ノートの最初に戻って式を見直した。サトミが指差した場所へ至ると「あっ」と声を上げた。

「オレが聞きたかったのは、そっち」

 サトミはノートを指差したまま立てていた指の向きを自分の反対側へ向けた。そこには毎日お弁当を自作して来る正美が、窓から差し込む陽光に銀縁眼鏡を光らせていた。

「なんの話し?」

「なんかのはなし」

 あからさまに視線を外した正美に対し、サトミは含み笑いで言った。

「まあ細かいことは言わないけど、身の回りには気をつけないとね」

「ははは」

 サトミの指摘に渇いた笑いと大量の脂汗を滲ませる正美。どうやら何か隠し事をしているようだが、サトミにはお見通しということなのだろう。

「秘密は秘密にするから秘密として成り立つ物だからね」

 当たり前のようにサトミが言うと、今までノートへ書き込んでいた計算式へ大きなバツをして、新たなページを切って計算をやり直し始めた明実が面白そうに言い返した。

「聞いている分には格言のようにも聞こえるが、ちょっと考えるとバカみたいな話ではあるのう」

「でも、突き詰めて考えると哲学的でしょ」

「ほほう」

 数式を書く手を止めて明実は顔をサトミに向けた。

「例えば?」

「無は何も無いから無ではない、とか?」

「たしかに」

 大きく頷いた明実と対照的に正美は首を捻っていた。

「何にも無いから無なんでしょ?」

「まあ言葉としてはそれで合っているけど、これが学問となると話しが違ってくる」

 サトミは人差し指を再び立てた。

「いま、この指先には何も無いように見えるけど、実は空気があって、その重さは一キロにもなるのは、知っているよね?」

 いちおう大気圧は義務教育で習う範囲であるから正美は頷いた。

「じゃあ、何も無い空間とは何か。何も無い事を差して『真空』という言葉があるわけで、そこからオレたちが安易に思いつくのは宇宙空間だと思う。けど『何も無い』が星と星の間に広がっているわけでは無いんだ」

「?」

 言葉遊びのようなサトミの台詞に正美は首を捻るばかりだ。

「何も無い空間では、物質と反物質が常に生まれてきて、次の瞬間には対消滅しているから何も無いように見えるだけなんだ」

「ああ~。聞いた事があるような、ないような」

「つまり、数字の(ゼロ)がそこにあるのではなくて、プラス一足すマイナス一イコール(ゼロ)という式が常にあるということだ」

 サトミから説明を受け継いだように明実が教えてくれた。

「? じゃあ、その式を壊すことができたら、物質か反物質がそこに残るってこと?」

「まさしく」

 明実がうれしそうに人差し指で輪を描いた。

「ブラックホールの事象の地平面ではソレが起きていると考えられている」

「ブラックホールの蒸発か」

 明実の言葉にサトミが反応した。

「なにもかも吸い込むブラックホールの強力な重力が働いている空間と、通常空間の境目ではそういうことが起きる。同時に生まれた物質と反物質の内、反物質がその性質上ブラックホールへと飛び込み、物質の方は熱放射のように飛び出すことになる」

「??? その物質もすぐにブラックホールに吸い込まれるんじゃ?」

「だから高重力と通常空間の境目の話しだから」

 サトミが楽しそうに言った。

「同時に生まれた物質と反物質の内、反物質の方が高重力圏へ飛び込んでしまったら、光速で落ち続けるだろ」

「ん~、それでも物質の方も空間を自由運動するんだから、高重力圏へ飛び込んじゃうんじゃあ」

「全部が全部そうとは限らんという話しだ」

 それまで寝ていたと思っていた空楽が急に発言したので、皆一様にギョッとした。

「水素と、その反物質たる反水素が生まれたとして、反水素がブラックホールに吸い込まれたとしても、必ず相手方にあたる水素の全部が全部ブラックホールに落ちるわけでは無いってことだ。サイコロの目が地球の重力のせいで必ず同じ目にならないのと同じだ」

「そうやって見かけ上は少しずつブラックホールから物質は逃げ出している事になる。これを『ブラックホールの蒸発』と言うのだ」

 空楽は明実が追加してくれた言葉に大きく頷いた。

「で、俺は居眠りを続けてもいいのか?」

 不満そうに空楽は周囲を見回した。どうやら話し声がうるさくて眠れないという苦情のために会話へ加わったようだ。

「うるさかったら図書室の方へ行けば?」

 サトミがちょっと突き放すように言った。いつも昼休みの空楽は、本格的に居眠りをしようとする時に図書室の雑誌コーナーへ行くことが多かった。そこには雑誌を愉しめるように一人用のソファが数脚、窓を向いて配置されていた。

 接客用とは違い、後ろから包み込むようなデザインのソファである。一見、ひなたに並べられているように見えるが、その陽射しは全て窓にかけられた緑色のカーテンを透過して弱められていた。太陽光に含まれる紫外線は蔵書にとって有害だからだ。図書室のカーテンは、その有害な紫外線をカットしてくれる素材で出来ていた。

 今日は天候が安定しているので、図書室の窓も開けられていた。そこから入り込む優しい風と相まって、午後の予鈴まで安らぎの時間を演出してくれるだろう。

「ふん」

 できればそうしていると言いたげに空楽は鼻息を噴いた。首を伸ばして司書室(こっち)図書室(あっち)の境にある大きな窓ガラスを覗くと、同じことを考える読書好きな生徒でソファは全て埋まっていた。

「あら、空楽が出遅れるなんて珍し」

「雨でも降るのではないか?」

 明実は司書室の窓から校庭の空を見上げた。白い雲が視界に入ることは入るが、青空と言って間違いない空模様であった。

「雪でしょ」

 サトミが訂正する。

「槍かもね」

 これは正美だ。

「空楽だと槍よりも徹甲榴弾もしくは焼夷弾の方が似合うか」

 さすが爆発物が好きなサトミである。その意見を聞いた明実は、思い出したように白衣のポケットをゴソゴソやり始めた。

「そういえば、コレ」

 新しいUSBメモリーを取り出した。空楽越しに手を伸ばしてサトミに差し出した。空楽が自分の上を横断した腕を、片目だけ開けて確認した。

「なにこれ?」

 受け取りつつ目を瞬かせるサトミ。

「詳しい質問は後で受け付けるが、オイラはその対象を撃破したいと思っておる。だが見てもらえば分かるが、ソレの防御力は並みでないのでな。キミの意見を聞かせて欲しい」

「ふうん」

 サトミは受け取ったUSBメモリーの表と裏を確認するように引っ繰り返してみたりした。

「御門でも破壊しづらい物体があるんだ」

 感心したようにサトミは言いつつ、受け取ったUSBメモリーをブレザーのポケットへと落とした。

「御門ならそれこそバズーカから核兵器まで持ち出してきて、何でも壊せると思った」

「キミと同じにするでない」

 同族嫌悪だろうか明実の顔が歪んだ。

「使えるのは対物ライフルぐらいだ」

 明実が言い切るとサトミが何か言い返そうと口を開けた。途端に空楽が咳ばらいをして腕を組み直した。

 いつもはサトミと一緒になって騒ぎを率先して大きくするくせに勝手なものである。

「とりあえず評価はしてみるよ」

 空楽に遠慮して声を小さくしてサトミは答えた。



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