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【本編完結】異世界男の娘【連載版】  作者: 物部K
魔法学園入学~王都の危機

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父上と母上の救出

扉をくぐり、薄暗い部屋に出た。

どうやら本当に使われてない部屋のようだ。

耳元のイヤリングからアカネの声が聞こえる。



『まずはその部屋を出て右よ。階段まで向かって、階段をのぼってちょうだい』

「了解、二人とも聞こえていましたわね?」

「ああ」

「はい」



扉に近づき、二人に向かって頷く。

勢いよく扉を開き、右を向き走る。

って、階段まで結構距離あるな!?




虫どもが飛んでいる。まだこちらには気づいてないようだ。

一気に突破するためにトリガーを引く。

ガス使っているのか、これ?

気持ちいいな。こりゃ、アイツがハマるわけだ。




二人も見様見真似で撃つ。

ティナは意外と様になっているな。

アレクは片手で撃とうとして、おかしなことになっている。



「お兄様、両手で持って、こう、ですわ!」

「アレク、こんな時にかっこつけようとしないでくださいませ!」

「別に、そんなつもりは…」



徐々にエアガンの扱いに慣れたころに、階段に着いた。

耳元から指示が飛ぶ。



『通路を二つ分のぼって、左よ』

「了解ですわ」


「私が殿を務めます、お二人は前を向いて殲滅してくださいませ」

「わかった」

「わかりましたわ」



俺たちが鍛えているせいなのか、随分とエアガンの反動が少ないなこれ。

こういうときにはかなり使える武器だ。


俺は階段をのぼりながら、たまに振り返り虫どもを散らすように撃つ。

この調子で撃っていたら、弾切れを起こすな。

まあ、アカネがなにか考えているだろう。



「のぼりきりましたわ!」

「ディーネ!こっちだ!」

「今行きますわ!」



二人の援護を受けて階段をのぼりきる。

のぼりきったところで、何かが投げ込まれ、煙が発生する。


なんだ?と思ったら、頼れる妖精ダモナーが二体いた。

誘われるがままに部屋に入る。




「こっちなんダモナー!」

「急ぐんダモナー!」


「はあっはあっ、助かりましたわ…」

「お前たちはどうしてここに?」

「あら?チビダモナーちゃんたちですわ」



『三人とも聞いて、だいぶ弾を消費したでしょ?

チビダモナーたちに補給してもらいなさい。その間に息を整えて』

「はあ、助かる…」

「ふう。頼みましたわ」

「アカネ様?陛下たちの部屋はこの通路の先ですか?」



『ええ。部屋の中でダモナーたちが殺虫剤を振りまいているわ。

出来る限り、虫を近づけないようにしているけど、そろそろ限界よ』

「扉を閉めるわけにはいきませんの?」

「ダメだろう。背後のバルコニーからもきっと虫どもは来ているはずだ。

せめて、少しでも隙を作り、アカネ殿の扉で避難させねばならぬ」



『ええ、そうよ。

虫どもは余裕を見せていて、外にいるのは威圧のみで、動いていないわ。

そこを一気に殲滅して、こちらに避難してちょうだい』

「解毒薬持ってきた意味はなんだったんですの?」


『馬鹿ね、万が一よ。

二人が歩けるようになれば、さらに生存率が上がるのよ?

それに出来れば、飲ませてから移動させた方がいいと思うわ。

変に毒が回るのも避けたいから』

「なるほどですわ」






『補給は終わったわね?

もうその通路の先で戦闘が行われているのが確認できると思うわ。

虫どもを軽く散らしてから、部屋に侵入する。

それから外のを殲滅して、王様たちを回復してから避難よ』

「了解ですわ」

「撃ち切るつもりで、殲滅する」

「アレクは魔法で殲滅した方がいいのでは?」



『魔法は外にもいる虫どもに使いたいから、なるべく温存したいのよ。

少数ならそのエアガンで殲滅した方がいいと思うわ』

「それもそうですわね」

「よし、いくぞ」

「ダモナーたちもついてきてくれるのですね」


「頑張るんダモナー!」

「守るんダモナー!」




俺たちは部屋を出るために扉を開き、戦闘中の部屋に向かってひた走る。

後ろはダモナーたちが巨大な缶に入った殺虫剤を噴射している。

虫どもをけん制してくれるおかげで、後ろを気にしなくていいのが助かる。


急げ急げ!虫どもが来るぞ!

父上、母上待っていてください!!




戦闘が行われている部屋を確認する。

そして、部屋に侵入するために虫どもを散らすように撃ちながら、部屋に入る。

ぶはっ!け、煙い!


殺虫剤の濃い空気の中を、口元をふさいで進む。

目標の二人を確認する。

顔色が思ったよりもずっと悪い。

これは一刻も早く回復が必要だと判断して、二人に攻撃を任せる。



「二人とも!回復を優先します!ここは任せました!」

「任された!」

「お願いしますわ!!」



父上と母上を守っていた兵士も解毒の必要がありそうだが…

重症なのは父上と母上のようだ。すまないが父上と母上を優先させてもらう。



「お父様!お母様!意識はありますか?!」

「うぅっ、でぃー、ね?」

「…」



父上はまだ意識がある。母上は意識がない、まずい。



「お父様、申し訳ありません!お母様を優先しますわ!」

「たの、む…」

「お母様!薬ですわ!飲んでくださいませ!」



間に合って!

母上に薬を飲ませる。

ギリギリ意識があったのか、声に反応して飲んでくれた。

身体がうっすらと光る。

さすがドール製、回復の効果の見た目も効き目バッチリだ。



「今度はお父様ですわ!飲んでくださいませ!」

「うっ…」



父上はまだ意識があったので、素直に飲んでくれる。

意思が強いのか、もう動こうとする。



「リリーは、無事か?くっ…」


「お父様が守ったおかげで無事ですわ、薬も間に合いました」


「そう、か…」


「お父様、このあとは虫どもを殲滅して、扉で避難しますわ。

それまで耐えてくださいませ!」


「わか、った…」



父上も母上も助かった。兵士はまだ動けるようだ。悪いが自力で動いてもらおう。



「あなたたち、聞いていたわね?これより虫どもを殲滅して避難します。

自力で動けるなら、なるべく自力で動いてくださいませ!」


『了解、です…!』



兵士たちに指示を出し、俺はアレクとティナに合流する。



「お待たせしましたわ!二人とも!」

「回復は!?」

「間に合いました!」

「なら、よし!一気に殲滅して、ここから脱出だ!!」


『了解ですわ!』




俺たちは撃てるだけ撃ち尽くし、少々残った虫には俺が魔法で焼き払った。



「アカネ!扉をお願いしますわ!」

『了解!急いで、虫どもが気づいて大移動しているわ!』



扉が現れる。

扉が向こうから開き、担架を持ったドールたちが父上と母上を運んでくれる。

ドールたちは兵士たちにも肩を貸し、なるべく早く移動する。



「二人とも、一時撤退ですわ!」

「ああ!」

「ダモナーちゃんたち、またあとで!」



俺たちが扉を抜け、扉が閉まる寸前。

ダモナーたちがサムズアップしているのを確認した。

映画かよ、と脳内でツッコミを入れてしまった。



「ふう。とりあえず、第一目標は達成できたな」


「陛下とリリー様の容態は?」


「ドールたちが見ているわ。

私のコアで見ても、今は寝ているようね。回復傾向にあるわ」



「アカネ。街の様子はどうなのですか?」


「ダモナーとドールの活躍で、住民は守り切ったと言っていいわ。

毒を受けた人もさっきの薬で治したわ。

動ける住人は殺虫剤を持って、虫どもを警戒中ってところかしら?」


「そう…」



住人を守りきるために、アカネに負担を強いてしまったと俺は後悔している。

だが、アカネの力を使わねば、守り切れなかったこともわかってはいるのだ。

俺は欲張りだな。


アカネは残りの問題を話す。



「問題は残りの虫どもの殲滅ね。

王城の魔法兵士とかの合体魔法とかで殲滅できないの?」


「難しいな。一発撃ったら、その間に虫どもが攻めてきてしまう」


「地道な殲滅しかないのかなー?

今、ダモナーとドールたちの装備をガスボトルエアガンに全員変更したわ。

時間をかければ殲滅できるけど、たぶん街が弾丸のゴミだらけになるわよ?」


「うわあ、それはいやですわぁ…」



俺たちは虫どもの殲滅方法に頭を悩ませる。

魔法があるとはいえ、みんながみんな、俺のような大量の魔力持ちではないのだ。



「アカネ様。現在、虫どもの残存勢力は八割デス。

今、出ている戦力での殲滅ペースだと、一週間以上はかかるかと思いマス」


「聞いての通り、私だけの戦力じゃ殲滅力が圧倒的に足りないわ。

あとはアンタたちの魔法でどうにかしなさい?」



ぐっ、ここにきてアカネに見放された。

いや、ここまで十分手伝ってくれたんだ。


それに、本当はこんなに忙しい仕事なんかさせたくなかったんだが…

それでも、戦力として数えてしまう弱い自分が憎い。




さてさて、どうしたもんかな?あの無数の虫どもの殲滅方法ねえ…

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