表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編完結】異世界男の娘【連載版】  作者: 物部K
魔法学園入学~王都の危機

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/132

フォルトとドーンの領主館

俺は各領地で拠点作りをすることにした。

冒険者たちやダモナーとドールたちが動きやすいようにだ。

アカネの扉のこともなるべく隠したいしな。

さあ、急げ!

今頃、アカネが冒険者に対応している頃だ!




俺はアカネの扉で現地の領主館のある街の近くの森に出る。

まずは森をある程度魔法で伐採して広場を確保。

切った木や切り株はダモナーたちが魔法で一か所に集めてくれる。


次に書類仕事をするだけの豆腐ハウスだ。

そこそこの大きさがあった方がいいだろうか?ドールたちに質問しながら作る。

ダモナーたちにはテーブルや椅子を運び入れてもらう。

ドールたちがすぐに紙やペンなど書類関係を運び入れていく。


食糧倉庫も作っておく。

そんなに使うことはないだろうが、今は臨時として複数置いておこう。

ドールたちが臨時拠点の最終確認をしてくれる。

確認が出来たら、次の領地に俺は飛ぶ。




こうして、四つの領地に臨時拠点を作る。

あとは冒険者たちが、勝手に使いやすく整えるだろう。



ダモナーやドールたちと侍従二人を連れて、今度は領主館へ向かう。

この移動には王家の馬車を使う。

立派な馬車を使って、威圧感だけで領主館に突入するのだ。

さっさと領主館を掌握したいからな。



まずはフォルトからだ。

馬車から見たフォルトの街並みは、パッと見は普通だ。

だが、それでも人通りが少ないのがわかる。


領主館についた。門番は仕事をしているな?

この様子なら変な輩に占拠されているということはなさそうだ。

門番は王家の馬車にビビりながらも中に入れてくれた。

先ぶれは届いていたようだ。

この領主館で働く執事を中心とした侍従たちが、館の前で揃って頭を下げていた。


俺は馬車を降り、彼らに楽にするように言って挨拶と要件を言う。

執事は泣きそうな顔になりながらも、残りの侍従に指示を飛ばす。

うん、できる人っぽい。ここはやりやすそうだな。

俺たちは応接室に移動した。人数が人数だから仕方ない。



「それで?状況は?」


「現在、領主館の機能はほぼ停止しています。

街の衛兵たちには、いつも通り働くように、とは指示を出しています」


「よろしい。領主館前に食料だけが大量に置かれていたはずだ。それは?」


「この街の各商会に適正価格でゆっくりと卸すように伝えました。

次にいつ支援が届くかわからないとも」


「いい仕事だ。税に関しては?」


「私の方で考えられる適正な額まで下げました。

勝手ながら、あのままでは民の生活が成り立たなかったのです。

お許しください」


「いや、いい。

お前はお前にできる最善の仕事をしている。

ありがとう」


「はっ!その言葉がある限り私は働き続けようと思います」


「しばらくは迷惑をかける…

各商会ともつながりがあるのはでかいな。

できるのであれば、この領地は商業都市にしよう」


「それはつまり、商人たちにこの領地を任せるということですか?」


「ああ、ここの商人たちは信用できそうか?」


「ええ。重税で苦しみながらも、民の生活のために血を流してくれていました…」


「彼らにも報いなければな…

もうじき冒険者たちが支援物資を持って、近くまで来てくれるはずだ。

それまで耐えてくれ」


「はっ!具体的にはいつごろでしょうか?」


「二日もあれば来てくれるはずだ。

それまで商人たちとの連絡はしっかりと頼む。

商業都市についても伝えて構わない」


「二日でございますか!?わかりました!これで民を守れる…」


「各村にも支援をしっかりと頼む。なるべく死者を出すな。生かせ」


「わかりました。こちらにはどれほど滞在しますか?」


「いや、滞在するほど余裕がない。ほかに三つの領地も任されているからな。

ここはあまり面倒がなさそうで楽が出来そうだ」


「なっ!?複数の領地を同時に治めるのですか?!」


「さすがに同時には無理さ。

領民に任せるつもりだ。ここは商人に任せる。

お前はそんな彼らを支援してやれ」


「わかりました、殿下。殿下もご無理をなさらないように」


「ああ、ではここは任せた。次の領地に行ってくる」




俺は領主館に連絡用にとダモナーとドールたちを何人か残した。

フォルトは大丈夫だ。俺が手を入れる必要はないだろう。

村の方はその内、見に行かなければな。





次はドーンだ。

ドーンの臨時拠点に着いたら、支援物資が運ばれている最中だった。

冒険者たちの姿はまだないが、必要だと思う物資は持ってきているようだ。

いい仕事をする。


再び王家の馬車に乗り、ドーンの領主館を目指す。

馬車から街を見るがなんだろうか、視線が痛い。

歓迎されていない空気を感じる。

領主館に到着する。


だが、門番は貴族の馬車と確認した途端に帰れ!と喚きだす。

ヴォルクスがどうしますか?と視線で聞いてくる。

俺が悩み始めたとき、門の内側から執事と思わしき人物が慌ててやってくる。

門番と言い争いをする執事。何やら訴える執事に門番が驚き、平服し始めた。


仕方なく馬車から降りることにした。

降りた瞬間、大声で謝る門番。青い顔をする執事。

はあ、どうしてこうなったかね。



「す、すいませんでしたああああ!!」

「いや、気にしなくていい。どういう状況なんだ?」

「実は…」



どうやらこの街は各商会と衛兵たちで現在運営されているらしい。

それだけ聞けば健全に聞こえるが、前領主のせいで今回の騒動だ。

街の住民は、貴族を毛嫌いし過ぎているらしい。


バランスが取れていないんだな、この街は。

この執事が、どうにも気が弱いようだ。

このままでは、どこかで衝突してしまうだろうな。

この門番たちにも、多少は折れることも覚えてもらわなければ。

とりあえず、領主館の中には入れてもらえた。

応接室にて対応中だ。




「王家の方が今更、この街に何の用ですか?」


「もうじき冒険者が支援物資を届けてくれることを伝えようと思ってな」


「冒険者が?支援物資?」


「前領主のせいで貴族を毛嫌いするのはいい。

だが、今のままでは無用な衝突を起こしてしまうことは理解したか?」


「はあ。あなたは話せる方のようだ。我々もわかってはいるのです。

ですが、いつ、前領主のような貴族が現れて、統治されるかと思うと…」


「安心しろ。お前たちなら統治を任せられる。

だが、貴族に対しては、折れるところは折れろ。

あの執事と協力して、バランスをちゃんととれ」


「我々に統治を?」


「ああ。現在、領主が存在せずに統治が出来ていない領地が四つある。

その内の一つがここだ」


「ここ以外に、まだ三つも…」



「国としてもこのまま放置するわけにいかない。

かと言って、変に貴族を派遣するわけにもいかない。

なら、現地の民に任せようという流れだ」


「なるほど。

我々としては助かりますが、国としては援助はされるのでしょうか?」


「お前たちがちゃんと統治している間は援助するさ。

一応の統括は私ということになる」


「まさか、あなたは複数の領地を治めるのですか!?」


「形だけだがな。

だが、可能な限り、立ち直すための援助はする。

物資などを隅々まで民に届けてくれるか?」


「…承りましょう。

あなたのような方が上にいてくれれば、我々も安心です」


「では、ダモナーやドールたちを置いていく。

我々との連絡や力仕事、書類仕事に使ってくれ。

彼らは妖精だ。ひどい扱いさえしなければ、よき隣人だ。

では、頼んだぞ」


「は、はっ!」



ここも街の方は大丈夫そうだな。

あの執事と各商会と衛兵が協力してくれれば、うまく回るだろう。


だが、問題は村の方だな。かなり恨まれていそうだ。

うまいこと治まればいいんだがな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ