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【本編完結】異世界男の娘【連載版】  作者: 物部K
魔法学園入学~王都の危機

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事件はいつも唐突に

ちょっと気分が乗ったので、連続投稿っと。

ここ最近は、男装の姿が気に入ってる。

というか、何かあったときのための動きやすさを重視している。


ディーネの姿では走れないからな。

ディーネ派にはすまないが、落ち着くまで許してほしい。

そう理由を話すと全力で協力しますと言ってくれて、ありがたい限りだ。



「ディーノ、ちょっといいか?」


「グリドール?どうしたんだ?」


「最近、うちの親父の動きが怪しいんだ。気をつけてくれ」


「いいのか、そんなこと言って?」


「もう俺には止められそうにないんだ。

昨日だって腕輪型の何かに細工しろって言ってきてさ…」


「っ!?情報提供感謝する。

アカネ?聞いていたな?ちょっと調べてくれるか?」


「ん?どうしたんだ?」


「いや、こっちの話だ。近いうちに事態が動くって、思ってな」


「大丈夫なのか?危ないことはするなよ?」


「ははっ。グリドールにまで心配されるとはな。

お前にも何か縁をつないでやらないとな」


「んん?何を言っているんだ?

消えるみたいなこと言うと、さすがに心配になるぞ?」


「大丈夫だって。俺には勝利の女神様がついているからな」


「また訳のわからないことを…」



さて、仕掛けてくるとしたら講義の時間か、それより少し前か。

最悪、とどめを刺してしまうかもな。

そうなると、忙しくなるのは俺なんだよな。


アカネには心配かけたくないんだが、こればっかりはなー。

あとでいっぱい怒られるのを覚悟するしかないか。


はあ。

その間に、アレクとティナは学園でイチャイチャするんだろうなー。

許すまじ。

あとで、仕事をいっぱい押し付けてやるんだからなっ!!









そして、事件は起こる。

ナンシーの行方が分からなくなったのだ。






「ナンシー?髪ゴム知らない?…へえ?」



舐めたことしてくれるじゃないか…

メイドを返して欲しくば~、というメモが部屋に置かれていた。

俺はメモを握りつぶして、通信機に短く怒鳴り、命令を下す。



「ヴォルクスっ!ナンシーが!徹底的にやってこいっ!!」



さて、俺は次の講義の内容を確認する。




「魔力の枷の対応策、ね」




講義はグラウンドで行われるらしい。

俺はジャージ姿に丈夫なブーツ、腰に鉄扇を装備している。


少々気持ちが荒んでいるため、誰も話しかけてこない。

心配してくれている雰囲気は感じるが…

そんな中、約一名がニヤニヤとこちらに視線を向けているが、無視する。




『お前がそのつもりなら、お前のすべてをもらうからな?覚悟しろ』




俺はそう決意をして、腰の鉄扇の具合を確かめる。




講義が始まる。

やる気のなさそうな講師だな。

へえ、こいつもグルっと。

さすが勝利の女神様、情報がリアルタイムで筒抜けだぜ。



「では、講義を始める。今回使うのはこいつだ」


「先生。それって、犯罪者とかに嵌める魔力の枷って奴ですか?」


「その通りだ、よく勉強しているな」


「そんなものをどうするんですか?」


「こいつは旧式でな?魔力の吸引力が最新式に比べると弱いんだ」


「それで対応策っていう講義なのか」


「ああ、最新式はうちの国でしか扱われていない。

他国で捕まって逃げ出すという体で、今回はこれを嵌めて模擬戦を行う」


「だから、物理的に危険のない装備を持ってこいって言ったんですね?」


「ああ、刃物なら刃は潰してこいと伝えたはずだ」




『すまないな女神様、もう少し黙って見ていてくれ』




「では、模擬戦の組み合わせを発表するぞー」


「あれ?そういうのってくじ引きとかじゃないんです?」


「馬鹿か、お前ら。

そんなことしたら、実力差が出て面倒なことがあるだろうが。

公平になるように一日かけて、組み合わせを考えたんだぞ。

感謝してくれ」


「はあ。そうですか」


「じゃあ、魔力の枷を嵌める側から呼ぶから、列に並んでくれよー」



不自然にならないように名前を呼んでいくな。

もちろん、俺は嵌められる側だ。


俺の名前を呼ぶときだけ、感情が声に乗っていたぞ。

感情を隠すのがまだ甘いな。




そして、俺の模擬戦相手はもちろんバリトーだ。




「お前の武器は鉄扇か。男女のお前らしい武器だな」


「そう言うお前はショートソードか。

刃はちゃんと潰しているんだろうな?」


「ああ、ちゃんと潰すように店に頼んだからな。心配するな。」




はあ。研いできたから楽しみにしていろ。

って、副音声で聞こえるぞ。その顔は。




『女神様、もうちょっとで出番だ。心配をかけてしまうが、許してくれ』




「じゃあ、各自模擬戦相手に魔力の枷を嵌めていけ~?」




やる気のない声に殺気が若干乗る。

周囲の誰も気づかない程度に、だ。


そして、ここで気づくのが、グリドール。お前だけだよな。



「あ!?ちょっと、待ってく…!?」



そんな制止の声を無視して、嬉々として俺に枷を嵌めるバリトー。

枷が閉じると同時にチクッとした。恐らく毒針だろう。




即効性の毒のようだな。しかもこれ、枷も最新式じゃないか?




「ごふっ!」




みんなが魔力の枷のせいで、魔力酔いのような症状が出ている中。

俺だけ吐血する。



「きゃああああ!ディーノ様ああああ!?」



誰かの叫び声が聞こえる。

それを遮る声も聞こえる。



「狼狽えるなっ!枷の吸引力に耐えられなかっただけだ。

枷を外して、様子を見るんだ」



へえ、なるほど?

そういうシナリオね。枷は回収して、証拠隠滅と。

そうはさせないがな。




「バリトー、枷を外しなさい。鍵はこれだ」

「ふん、せっかくこいつが弱っているところなんだ。もう少し観察させろ」

「そんなことはいいから、さっさと枷を外せっ!」

「ちっ!仕方ないな…」




枷がゆっくりと外される。








その瞬間、裁きの雷が降ってきた。




『ああ…、俺の女神様は随分とお怒りのようだぜ?気をつけな?』

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