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【本編完結】異世界男の娘【連載版】  作者: 物部K
魔法学園入学~王都の危機

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単位取得

ジェダー講師との約束の二週間後の講義の時間になった。

女生徒二名がこの訓練場にいない。

不安になる残りの女生徒たち。俺は大丈夫だと伝える。




やっぱりなと思いながらも、状況をリアルタイムで聞いている俺。

この講師をこの後どうしてやろうか、と内心で考えていた。

ニヤニヤと笑うジェダー講師。

俺は冷静に行こう、と気持ちを落ち着かせて状況を進める。



「では、ジェダー講師?

どちらの火力が上回っているかという話ですが、審判が必要です」


「そうですわね。

どちらが上回ってるかなんて一目瞭然でしょうが、審判は必要でしょう」


「ですので、中立を貫いてもらうために、冒険者ギルドにお願いしました」


「依頼料だけ用意すれば、中立と。考えましたね?」


「ええ、そうですね。

チンピラ雇って、女生徒を襲わせるなんてことはありませんよね?」



ピクッとこめかみが動いたが、無表情を貫くか。

意外と度胸はあるようだな?

今に見ていろ?



「そちらの女生徒が足りていないようですが…

遅れて来るくらいは、まあ許しましょう」


「ありがとうございます。女性なので何かと準備が必要なのでしょう」


「私の最大火力を見せるのは構いません。

さすがに七回も同じ火力を維持できるとは思えません。

なので、先にそちらの『七人』の火力を見せてくださいませ?」


「ええ、わかりました。

みなさん、出番ですわよ?目にものを見せてあげましょう」


「ディーネ様…」


「くそっ、何をやってるんだ。あの二人は…」


「落ち着きなさい。彼女たちは『必ず』間に合いますわ。

自分たちの力を見せることに集中なさい?」


『わかりました!』



俺は冒険者ギルドからの冒険者に確認を取り、的を用意してもらう。



「では、ジェダー講師?一人目から行きますわね?」

「ええ、いつでもどうぞ」


「一人目!」

「いきます!」



そして、最大火力比べが始まる。

冒険者ギルドが用意した的は、冒険者仕様なのでかなり固めだ。


それを粉々に『無詠唱』で砕いたのだ。

これにはジェダー講師が驚く。



「今、何をしたのです!?勝手に的が砕けましたわよ!!」


「ええ?ジェダー講師、冗談でしょう?

今の魔法の魔力の流れがまったく見えていなかったのですか?」


「な、なにを言っているの…?」


「彼女はただ『無詠唱』の風の砲弾で的を撃ち貫いただけですよ?」


「そんな馬鹿なっ!?

『無詠唱』なんて高等技術をあの威力で使ったですって!あの小娘が!?」


「ジェダー講師?言葉には気をつけたほうがいいですわよ?

どこに学園長の耳があるのかわかりませんことよ?」


「ふんっ。あんな老いぼれの耳など、遠いに決まっている。

ここから聞こえているわけないでしょ!」


「はあ。では、二人目に移っていいですか?」


「いいでしょう。さっさとしなさいっ!」



二人目の的が作られる。

冒険者ギルドの人が意地になっているのか。

先ほどよりも多めに魔力が込められているようだ。


だが、今度も簡単に破壊される。

真っ黒な消し炭になり、風が吹いただけで炭となって飛んでいく。



「なんだというのだ!?まさか、また『無詠唱』だとでもいうのか!?」

「ええ、私は『無詠唱』であの的を燃やし尽くしました」

「くっ、ええい!次だ、次!」



その後も快進撃は続き、無詠唱で的が壊れる。

ジェダー講師はついには、無言になってしまう。


仕方なく、俺が進行役を買って出る。

五人目が終わる。

ここで、狂ったようにジェダー講師が笑いだす。



「あははっ!ここまでうまくやったようですが、女生徒が足りませんわね!

約束では女生徒『全員』が、私の火力を超えたときでしたわよね!?」


「ええ、そうですわね?」


「女生徒が足りない以上、私が力を見せる必要はありません!

あなたは退学です!

さあ、荷物をまとめて、さっさとこの学園から出ていきなさい!」




「なっ!?」

「そんなのありかよ!」

「横暴すぎるだろ!!」



観戦していた周囲の男子生徒たちが驚きの声をあげ、卑怯だと訴える。



「へえ。では、彼女たちが遅れた理由を連れてきた場合…

あなたはどうなるのでしょうね?」




『遅れた理由?』



誰もが疑問の言葉をつぶやく。

そして、白くて大きな犬が訓練場に現れる。



「ディーネ!連れてきたし、持ってきたよ!」


「よくできましたわね、ポチ」


「な、なんだ!?」



「くそっ!おい、ばばあ!?何が簡単な仕事だ!!

しっかりと護衛がついているじゃねえか!?」


「なっ!?」


「おや、これはこれは。

まさか女生徒に対して、暴漢に襲わせたのですか?」




『なんだって!?』



生徒たちが騒ぎ出す。

冒険者たちは困惑している。



「詳細はあとで詳らかにしましょうか。あなたたち、いけますか?」


「はい、ディーネさん!任せてください!!」

「魔力は一切使っていないので、余裕ですよ!」



「では、冒険者の方!面倒なので、二つの的の用意をお願いしますわ!」

「おう、任せろ!」


「六人目!七人目!」

「いっけええええ!」

「はああああ!!」



冒険者の方が作った的を二つとも綺麗に粉々にする。



「では、ジェダー講師?お手並み拝見といきましょうか?」

「くっ、彼女たちが壊せるのです。余裕ですわ!!」



冒険者の方が魔法で的を作る。

中々に魔力が込められているが、さすがに連続では精度が落ちている。

本人も気づいてるようだが、大丈夫だ。

その程度の的にも、彼女では傷をつけるのが精いっぱいなのだから。



「なっ!?おかしいですわ、不正ですわ!!」


「いや、不正なんてしてねーよ。

むしろ、あんまり魔力を込められていない的作っちまった。

すまねえな、嬢ちゃん」


「いえ、いいですよ。ここまでお疲れ様でした。

あの程度の的に傷をつけるのが精いっぱいとは…

鼻で笑ってしまいますね」


「なんですって!?あなたはどうなのです!

あなたの力も見る必要がありますわよ!!」


「はあ。この状況でまだ足掻きますか?」


「どうせ、あなたは壊せないのでしょう!?」


「仕方ないですね。じゃあ、壊しますよ、はい」



爆発音が響く。

地面を抉って、的なんてあったのかというほどの威力を見せつける。



「これでいいですか?」


「あっ、あっ、そんな…」


「それでは、先ほどのチンピラの件を聞きましょうか?」


「しっ、知りませんわ、あんな奴ら!」


「おい、ばばあ!ふざけんな!!

お前が金と女をやるとか言うから、襲ったんだぞ!

なのに、しっかり護衛がついているとか、意味わかんねえ!!」




「もう有罪でしょう、こんなの。そうでしょう、学園長?」


「ええ、そうですね。失望しましたよ、ジェダー講師」


「なっ!?」


「生徒と私への暴言も、きっちりと聞いていましたからね。

衛兵も到着したようですね。連れていってください」


「私は何も間違ってない!私は…」




「あなたは事あるごとに騒動を起こさないと、気が済まないようですね」


「向こうが騒動を起こすんですわ…」


「それでは、あなたと彼女たちには、魔法理論の単位はきちんと渡しますね」


「ありがとうございます」

『ありがとうございます!』


「男子諸君!ジェダー講師が捕まったのは見ていたな!

よって、魔法理論の単位の存在はたった今消滅した!

ほかの単位を頑張ってとり給え!!」


『ええええええ!』


「はっはっはっは!」




「ディーネさん!やりましたよ!単位です!」


「私たち、やり遂げました!」


「よくやりましたね、みなさん。

その力はあなた方のものです。扱いを間違えないようになさい」


『はい!』




こうして、魔法理論の単位の存在は消えた。

だが、俺たちは魔法理論の単位を取得した。



かなり得した気分で、俺たちは打ち上げを行った。

だが、悲しいかな。

食堂の打ち上げ飯は、美味しくなかったよ…

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