上映会~裏~
物理的に難産!文字が見えないってつらい!
PCでフォントをでかくできることに気づいたの天才的発想!
でも、フォルダの文字は大きく出来なくて、ナンバリングしてるんだけど
今何話目なのかわかりづらくて、つらい!
Side Cランクパーティ黄金の爪
俺たちは地下の施設から地上に上がってきた。
ホントは最後の冒険者の悪戯まで残って企画したかった。
だが、いつまでもひきずっているのはよくないなと気づいたのだ。
地上に上がった時に、余計な恨みを買うべきでないからな。
俺たちの報酬は今、小さなダモナーたちが運んでくれている。
あれから少しだけ仲直りをしたのだ。
ダモナーたちに指示を出して、えぐい悪戯を仕掛けてもらったからな。
共闘感とでも呼ぶべき感情が生まれた。
俺たちが向かう先は、冒険者ギルドだ。
ギルドには金を預けられる機能があるのだ。
ギルドに到着し、久々に俺たちの顔を見た冒険者たちが驚いた顔をしている。
だが、今は無視だ。
見せびらかすわけじゃないが、こんな大金はさっさと預けるべきだ。
窓口の職員に話しかけ、俺たちはダモナーたちから受け取った金を預ける。
金の入った袋が見えたとき、わずかに周囲から生唾を飲み込む音が聞こえた。
「よお。金を預かってくれ」
「わかりました。皆さん全員ですか?
一人ずつ対応するので、ギルドカードを提示してください」
「わかった。俺からでいいな?」
「ええ、いいわ。順番なんて関係ないわ」
「ゆっくり待つとしよう」
「私も別にいい」
「なんだあいつら?雰囲気が怖え」
「しばらく見なかったけど、どんな依頼を受けてきたんだ?
あの報酬の金の量は尋常じゃないだろ」
「あ、依頼の報酬もあるんダモナー!忘れないで欲しいんダモナー!」
「そうだったな。これは個人の報酬だったな。
依頼のことなんかすっかり忘れていたぜ」
「お姉さん!依頼完了の証なんダモナー!」
「はい、承りました。こちらはどうしますか?金額が少々多いのですが」
「四等分にして、同じように預かってくれ。それでいいよな?」
「端数だけ手元に残せばいいんじゃない?」
「そうだな、それでいいと思う」
「少しだけあればいい」
「は?報酬の金じゃなく、個人報酬だと?」
「報酬の金ですら、おかしかったぞ」
「なんかの不正な金なんじゃねえか?」
うるせえな、正当な報酬だっつーの。
俺はヒソヒソと話している冒険者たちを睨みつける。
ダモナーたちが帰還の挨拶をするので、俺も挨拶を返す。
「じゃあ、ぼくたちは帰るんダモナー!」
「ああ、運んでくれてありがとうな。ジュリー、ナイフをしまえ」
「ちっ、最後だから油断するかと思ったのに」
「デンもだぞ、魔力が漏れている。こんなとこでぶっ放す気か?」
「仕方ない、諦める」
「じゃあね!なんダモナー!」
「なんだ、あいつら?依頼人の目の前で手を出すような真似しているぞ」
「依頼人もまったく気にした様子もないし、ホントになにがあったんだよ」
俺たちは金を預け終わり、ギルド併設の酒場で酒を飲む。
「ちっ、まじーな」
「あれと比べるのは失礼だわ」
「諦めろ」
「果実水も向こうのがおいしい」
「おい、お前ら。提供してる店員の目の前で、よくそんな話が出来るな」
「まずいのが事実なんだから、仕方ないだろ」
「どんな酒飲んできたんだよ、まったく…」
店員が怒りながら、厨房に戻っていく。
あそこの飯と酒を味わったら、しばらくはどんなものもまずく感じるな。
「さてと、これからどうするよ?」
「お金はあるんだし、ゆっくりしたいわ」
「そうだな、身体が鈍らない程度の依頼でいい」
「まだ気持ちの整理がつかない」
俺たち四人が疲れ切った雰囲気を出しているせいで、周りも絡んでこない。
いいことだ。
だが、そんな俺たちの雰囲気を無視して、絡んでくる馬鹿もいるようだ。
「よお。あんたらが黄金の爪っていう噂のパーティか?」
「なんだお前?噂のって、どういう意味だ?」
「なんだ?本人たちは知らないのか?それはまたなんとも…
街の中央では、お前らの話で持ち切りだぞ?」
「ああん?」
「お前らの活躍を見るのを楽しみにしているからな、くくっ…」
絡んできた冒険者はあっさりと俺たちの席を離れた。
そして、ほかの冒険者たちと飲み始めた。
その後もそいつが何か話したせいか、視線が俺たちに集まる。
ったく、なんなんだよ。めんどくせーな。
言いたいことがあるなら直接言えってんだ。
酔っぱらった冒険者が酒を片手に、肩に手を置きながら絡んでくる。うぜえ!
「いよーお!お前ら随分と苦労したらしいな!
どんな苦労したかは『まだ』知らねーがな!がははっ!」
「ああん?どうして苦労したことを知ってんだ?それに『まだ』って。
さっきの奴も変なこと言ってやがったし、なんなんだよ…」
「マジで知らないのか?お前らの依頼が今度、上映されるって話だぞ?
面白おかしいらしいじゃねーか、期待しているぜ?
あ、どうせならみんなで観に行こうぜ!」
「おう!そうだな。お前らの依頼内容気になっていたんだ!
どんなことしていたのか楽しみだよな!」
「はあ?なんでそんな話になってんだよ!?」
「まあ、街の掲示板を見に行ってみな?
そこにお前たちのことが告知されてるからよ」
俺たちは冷や汗をかきながら急いで街の掲示板を見に行った。
そこにはデカデカとした告知がされていた。
『冒険者の仕事見せます!これが俺たちの力だ!
今回、冒険者としての力を見せてくれるのは『Cランクパーティ 黄金の爪』!
彼らの働きを面白おかしく見せます!
上映後、何度も見直せる記憶版の銅版・銀板・金版と映写機を販売します。
詳しくはパンフレットまで!
以下の日付に上映会を行います。会場はこちら。
軽食と飲み物も用意して、ダモナーたちが君を待っているよ!』
そこには様々な色を使って文字を彩った告知があった。
俺たちの似顔絵までついている告知が掲示板に張り出されている。
周囲の通行人から
「あれ?あいつら…」
と指を差され始めたころには…
俺たちは以前まで泊っていた宿に向かって走っていた。
宿ですらヒソヒソと噂され、食事も味がしなかった。
なんでこんなことになっているんだ!?
そう思っていたら、急にジュリーが青い顔をして話し始めた。
「ねえ、もしかしてだけど…
面接のときにダモナーたちが話していた撮影ってこれのこと?
私たちの依頼内容が全部、観られる…?
…そんなのいやああああ!!」
「お、おい、落ち着けっ!」
「まさか、こんなことになっているとは…」
「不覚」
俺たちは話し合った。
不安半分に安心したいという気持ちで上映会を観に行くことにした。
姿を隠すために、頭からすっぽりと全身隠れるローブを購入したが…
そして、当日になり、地上の会場で軽食と飲み物を買った。
今は地下の会場に向かっている俺たち。
「くそっ、なんて人数だ。あの依頼内容が、この人数に晒されるのか!?」
「あ、あ、あ…」
「ジュリー、大丈夫か?」
「果実水はうまい、けど事態はまずい」
上映会の会場で椅子に座り、祈るように手を組んで沙汰を待っていた。
普段は神なんて信じないが、こればかりは神に祈るしかない。
そして、上映会は始まった。
短い映像が流れる。俺たちにされたことがうまくまとめられている。
すでにここで笑いが起こっている…
俺たちがされたことはこんなもんじゃねーぞ!と叫びたかった。
面接の場面から始まり、あの施設でゆったりする姿が晒される。
この後に待つ罰のことを忘れている、などと煽りの文章が表示された。
それで、馬鹿にされてまた笑われる。
本番の会場に連れていかれる俺たちが映し出される。
そこからは観ていたはずの俺の記憶はない。
気が付いたら上映会は終わっていた。
ただ、最後の俺の言葉だけはしっかりと耳に残っていた。
『次は、お前たちの番だ!!』




