会場づくりを終えての上映会
つらい、全体を確認できないせいで、言い回しが変になってる自覚がある。
あまりにおかしいなと思ったら、脳内補完してください。
今の目では、これが限界です。
体感訓練機を売り始めたため、ゾロのおっちゃんは量産に忙しい。
おっちゃんに研究する暇がない。
それを補う形で国の魔道具専門部署の第三魔術師支部が体感訓練機を研究中だ。
日夜、洗練させる作業とともに、貴族たちからの使用感や要望を聞いてるようだ。
今のとこ大きな問題はない。
大きな問題はないのだが、声優コミュニティ間での問題は発生している。
声優たちの素性を調べるといった動きがあり、がっかりしていたりするらしい。
あれほど調べるなと言っても、気になる人はいるようだ。
その結果、別の声優へと鞍替えしている人もいる。
だが、そういう人たちは他のコミュニティには入れないらしい。
それはそうだろう。
自分たちの声優を暴かれて、現状の空気を壊してほしくないのだから。
コミュニティが形成されてからは日々お茶会が開かれて、情報共有は激しいのだ。
そういった者たちは常に監視されている。
あまりにひどいようなら、立場が上のものから注意が入る。
そういった形でバランスを取っているようで、今は安心している。
特に、マックス君のデレの進捗をお互いに披露するお茶会では…
何やら同人誌のようなものが作られているようだ。
お茶会内でマックス君の声のイメージからこのような姿ではないか?
成長したらこうではないか?と白熱した議論が交わされてるらしい。
マックス君からは、俺に売れ行きはどうですか?と聞かれた。
なので、そのことを話すと青い顔をして
「外ではしゃべらないようにします」
と真剣な顔で、震えながら宣言していた。
数日間、そのように過ごしていたら、アカネに捕まった。
目の前に扉が現れ
「今すぐ来なさい」
と強制連行だ。
何事かと思ったら、上映会の会場の話だった。
会場の準備がまだできていないらしい。正確には地上部分は完成したらしい。
だが、地下のデザインが思いつかず、収容人数なども不明だから…
と、手が出せなかったとのこと。
その話を聞き、もう告知はしているんだよな?と確認してから考える。
貴賓席は作った方がいいよな?
貴族がお忍びで見に来れるようにしないとまずい。
これは父上にも相談だな。
どうしても入り口が貴族街になるだろうし、王城にも欲しいと言うだろう。
貴賓席は貴族限定のロビーから入れるようにする。
そこから個室に移動できるようにして、従者が待機できる部屋も作る。
基本的にスクリーンの正面に席を作らなければ、クレームものだろう。
スクリーンを大型化しないといけないか?
だが、そうすると今度は一般席からが見づらくなる。
うーん、いっそ貴族と一般を分けてしまうか。
一般用は俺たちの世界の映画館と同じような作りにする。
会場は複数用意だ。王都の街は広い。
広さによる人口に対応するために、会場を複数分ける必要が出るのだ。
貴賓席も数は少ないが、念のために用意する。
貴族用には、段々畑のような作りだな。
これは貴族の階級社会のためだ。
位が上の者ほど、見やすい位置で見られるようにする工夫だ。
会場は一つあれば十分だ。
貴族は基本的には、野蛮な冒険者などに興味はないだろうからな。
アカネにはこれでどうだ?と簡単な絵を描き、仕様を説明する。
納得してくれたようなので、魔力を消費して会場を作り始めるようだ。
俺は父上の執務室に向かい、上映会の会場入り口について相談する。
すんなりと話は通り、貴族街の使われてない屋敷を使うように言われた。
屋敷にはユースがついてきてくれて、屋敷の改造などはどうするのか?
という話になり、アカネを呼ぶことになった。
どうせモニタリングはしているだろうと思い、大声でアカネに呼びかける。
すると、扉が現れて、アカネが姿を現す。
ユースは多少驚いていたが、すぐに冷静になった。出来る男だ。
すぐに屋敷をどのように変更するのかと丁寧に話し始めた。
「では、このようにすればいいのですね。
改築は一般の上映会と同日には間に合いそうにないですが…
こればかりは仕方がないですね」
「え?ここもダンジョンの一部なので、私の力でどうとでもなりますよ?
ダモナーたちやドールたちもいれば、完璧に仕上げてくれますし」
「そんなことが可能なのですか…?」
「ええ。明日また来てください、完成していると思うので。
不備があった場合には教えてくれると助かります」
「わかりました、そのように予定を入れておきましょう。
午後に向かいますね?」
「はい、お願いします。
午前中は会場の確認と王城側の入り口を作らないといけませんから」
「ああ。王城の入り口の件もありましたね。
ですが、この分ならすぐに終わるでしょう」
ユースは出来る男だ、冷静に淡々と仕事をこなしていく。
仕事内容が簡単すぎて不満じゃないか?
とも思ってしまい、聞いてみたら
「仕事は楽なら楽な方がいいですよ?」
と笑っていた。
さらには
「アカネ様に関してはこちらで色々と手配する必要もない。
確認作業だけで済み、非常に楽な仕事です」
とも言っていた。
地下の会場と地上の入り口が完成した。
地上の販売所では、軽食と飲み物にパンフレットが用意されている。
パンフレットには上映する冒険者等の情報と銅版・銀板・金版の記憶版と映写機の案内が書かれている。
映写機はかなり安く、銅版よりも安い。
組み立て式なので場所も取らないし、組み立て方もかなり簡単だ。
家族向けサイズも売る予定だ。
一般向けの地上の販売所では、チビダモナーたちが家族連れの子供たちに群がる。
その間に、親が買い物をする。
親が買い物中の子供のお世話をチビダモナーたちがしてくれるのだ。
貴族向けには、ダモナー人形が販売されている。
抱き抱えられる程度のミニサイズ、抱き着けるほど大きいビッグサイズ。
売れるかは謎であるが、一応用意してみた。
いよいよ告知していた上映会当日になった。
俺たち王家はどちらで見ようかと話し合った。
だが、挨拶回りがあるせいで、貴族側の会場で見ることになった。
父上は一般の客たちとともに、楽しんで見たかったらしい。
貴族との会話なんて疲れるもんね、そらそうだ。
アカネたちの一般の方が楽しそうだなあと俺も思う。
さすがに俺も今回は我慢するしかなかった。
貴族との会話を減らすために、上映が始まる直前に会場入りする俺たち。
数名の貴族は上映されるというのに、わざわざ個室にまで来て挨拶しに来た。
父上がそんな貴族たちに対して
「家族水入らずの時間なのだ、邪魔をするな」
と言えば、しつこく挨拶する貴族もそそくさと出ていった。
上映される前に多少のトラブルはあった。
だが、上映開始のブザーがなると、父上たちも機嫌を直したようだ。
今回はあのときのDVDと違って、言語がわかるため、とても楽しんでいる。
母上ですら肩を震わせて笑っている。
ほかの個室からも笑い声が聞こえる。
防音処理はしっかりと施したつもりだったのだが…
それをも無視して聞こえるほどの大声で笑っているようだ。
上映後の売り上げもすごかった。
貴族側では、だいぶ強気な値段設定のはずの金版が来場客分売れた。
一般の方では、商人などの富裕層は金版を買っていた。
上位冒険者はどうせならと銀板を買う人も見られた。
もう一度見られればいいという家族連れは銅版を買っていった。
今頃は最初の犠牲者である黄金の爪も旅館から出てきているはずだ。
一般の会場でほかの冒険者たちとともに、きっと一緒に見ているはずだ。
あとでアカネたちに、一般の方はどうだったかと聞いてみようかな。




