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【本編完結】異世界男の娘【連載版】  作者: 物部K
成長~入学準備

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女装発覚、ダンジョンの活用方法

翌日、ナンシーにいつも通り起こされた。

うつらうつらとしながら、着替えさせられる。

昨日、寝る前にも感じた違和感。

ぼーっとしていた頭が、顔を洗ったことで急速に目覚める。



俺、また女装させられとる!?

ナンシーにどうにか、男の格好に戻せないかと交渉したが…




「ディーネ様、いつも通りの格好ではございませんか?

何か不備がございましたか?」

「不備だらけだよ!昨日みたいに男の格好に戻して!」

「昨日の凛々しい姿もよろしいのですが…

やはり、こちらの愛らしい姿のが落ち着きますね、ディーネ様!」

「俺は冷や汗だらだらだよ!!」




どうしよう、こんな姿をアカネに見られたら…!

焦る俺、響くノック音、かけられる声。

この声はアカネ!なんてタイミングの悪い!!

ただでさえ、俺の女装にはトラウマがあるであろう彼女。

怒り狂うかもしれない。




「ディーノぉ?起きてるんでしょお?

ちょっと、ダンジョンのことで相談があるんだけどお?」

「あら、こんな朝早くにお客様ですか?お通ししますね」

「ま、待って、ナンシー!」




俺の声虚しく開く扉、視線が重なる俺とアカネ。

アカネが眉間を揉む。無言の時間が続く。




「カオル。あんた、こっちの世界でも女装してるの?

もしかして、顔が変わって、目覚めちゃった?」


「違う!これには海よりも深く、山よりも高い言い分があってだな?!」


「そんなことはいいから、うちのダンジョンに来てよ。朝食御馳走するよ?」


「完全にスルー!?って、えっ?お前料理なんて出来たのか?」


「簡単のならね。それにこっちじゃ食べられないだろう、あれがあるわよ?」


「ま、マジか!?行く、行きます!ご一緒させてください!!

ナンシー!俺、今日の朝食いらないから!!」


「ディーネ様?口調が…って、どこに行くのですか!?」


「アカネ、早く食べたい!連れていってくれ」


「はいはい。じゃあ、扉出すわよ」




俺はアカネの言葉に誘われ、朝食を摂りにダンジョンの扉をくぐる。

扉の先は昨日と違って、屋内?家?部屋の中になっていた。

テーブルと椅子、TVモニター。散らかってはいるがDVDが置かれている。

すでに、このダンジョン生活をだいぶ満喫しているなと感じる…

そんな中に感じる、懐かしい香り。これは期待できそうだ!




「適当に座って。適当だけど、味は懐かしいと思えるはずよ?」

「こ、これは!!」



朝食に並んでいたのは味噌汁と白米、そして卵焼き(たぶん塩味だ)。

それに焼き鮭。納豆まである!



「今のアンタは、こういうのに飢えているかなと思って作ってみたけど…

効果は抜群のようね?」

「ヤバい、見た目だけでインパクトがすごい。た、食べていいのか?!」

「ここまで来て見せびらかすわけないじゃない。どうぞ、召し上がれ?」

「い、いただきます!」



まずは味噌汁からだ。懐かしい。ホントに懐かしい。このホッとする味。

具はシンプルに豆腐とわかめだ。

うまい、涙が出る。

白米も一口放り込む。

噛むほどに自然な甘さを感じて、これだよこれ!と感じさせる。

卵焼きも食べる、塩っけのある卵焼き。

母さんはよくこんな味付けだったなあと軽くホームシックになる。

次は焼き鮭を食べる。

身の甘さとほのかに感じる塩気に、皮の苦み。

うん、日本の朝食の魚と言えばこれって感じだ!


最後に納豆だ。ちらっと食卓を見る。

そこには俺が求めていた醤油があった。

醤油を少々回しかけ、納豆を混ぜる。この香りが日本を思い出させる。

納豆をズズッとすすり、白米をかきこむ。

醤油がうまいんじゃああああ!!



すべてを食べ終わった俺は放心状態だった。



「どうだった?久々の日本食は?」

「最高だった。その一言に尽きる」

「ふふっ、お粗末様」

「ああ、ごちそうさまだ。

って、作ってもらったのに片付けもさせてしまったのか、俺。

あまりにうますぎて放心状態だったわ」

「ふふっ、大丈夫よ。あの子たちが働いてくれるから」



アカネの視線の先を見る。

大きな着ぐるみと小さな着ぐるみが洗い物をしていた。

なんだあれ?

アカネに視線を戻すと教えてくれる。



「あの子たちは私が作ったダンジョンの妖精よ。

まだ生まれたばかりでしゃべったり、難しい指示には対応できないけどね。

でもきちんと教えれば、ちゃんと仕事してくれるわ」


「へえ、すごいな。名前とかあるのか?」


「今のところないわ。個性を見てから名づけようと思っているの。

ここは広いからね。

話し相手にもなってくれることも期待しているわ」


「そっか、なるべくここに来れるようにするよ」


「ううん、いいの。カオルにもやることがあったりするんでしょ?

なんてたって王子様なんだからね。あっ、今は王女様か」


「やめてくれ、俺は王子だ。この女装は流されているだけなんだ…」


「まあ、しばらく様子を見てから、それは判断するわ」




「それで、ダンジョンの方は何かわかったのか?」


「うん、ある程度は、かな?基本的に魔力がなければ何もできない。

昨日ダンジョンを広げた分で魔力をだいぶ消費したんだよね。

けど、広げた分、地上からの余剰魔力で、二週間もすれば補える程度よ」


「今朝の朝食ももしかして、ダンジョン産なのか?」


「材料はね。魔力コスト的に、出来上がったものよりも材料のが安いのよ。

あと、約束していたエリクサーも三本作っておいたわ。

だいぶ魔力を消費したけど、魔力はまだ十分あるってところかしらね?

でも、できれば聖女さまの魔力が欲しいわね」


「エリクサーを作ったのか!?それも三本も!?

驚きの生産力だな…

ん~、聖女に関してはその内に会わせるよ」


「はい、これがエリクサーよ。カオルから王様に渡しておいて」


「ああ、わかった。たしかに受け取った」




「それにしても、この世界って娯楽が少なすぎじゃない?

私なりに調べたけど、リバーシしかないみたいじゃない」


「それは俺も思う。

どうにかしたいと思って体感訓練機を作ったが、量産がまだなんだよなー。

声優も募集しないとだし…」


「へえ、カオルはカオルで面白いことしようとしていたのね」



俺は今までの苦労話をする。

アカネは相槌を打ちながら、楽しんでくれたようだ。

それからアカネはこの地下ダンジョンの利用方法を相談してきた。



「この家を出たら、ただのだだっ広い空間なのよねえ。

このダンジョン空間を有効活用したい」


「だけど、何をするにも魔力が必要なんだろ?」


「うん、今日聖女さまに会えたりしないの?」


「会えるっちゃ会えるけど、急な訪問だと機嫌が悪くなるんだよなあ」


「聖女さまって、どんな子なの?」




真面目な顔で聞いてくるアカネに、俺の聖女アンナのイメージを伝える。

ふんふんと頷いて聞いていたアカネが、俺に指をビシッと向けてきた。




「アンタ最低ね。完全に聖女ちゃん使いっぱしりじゃないのよ!

そら、機嫌も悪くなるわよ。

今の聖女ちゃんに必要なのはだらけること。すなわち、ストレス発散よ!!」



俺の幼馴染が力強く宣言して、今すぐ聖女の下へ向かえと俺に怒る。

俺、そんなにアンナにストレスを与えていただろうか?

とりあえず、自室に戻って馬車と護衛を引き連れて孤児院だな。

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