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【本編完結】異世界男の娘【連載版】  作者: 物部K
転生~女神との出会い

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開発、調整、確認

聖女アンナに空の魔石のための、孤児たちの魔力訓練を任せた。

なので、今することは、魔道具開発だ。

母上が父上を説得した結果、俺は王都の街に行く許可を得ることができた。

王都の街にも必ず護衛四人を連れて行くようにと、念は押されたが…

行き先を連絡する、移動には必ず馬車を使うなどとも約束させられた。




そして今、王都の街の魔道具店のゾロの下を訪ねている。

体感訓練機(正式名称が決まった)の進捗を確認するためだ。

体感訓練機は父上が作れと言ったのに、確認に行けなくてつらかった。

美顔器の方も母上がまだですか?と頻繁に聞いてくるので困っていた。

だから、今日中に結果を出したいとは思う。




「おはようございます、おじちゃんいる~?」


「おぉ、嬢ちゃんか。朝から嬢ちゃんの顔を見れるとか最高の朝じゃな!」


「おだてたってなにも出ないよー、おじちゃん。

それはそうと、体感訓練機と美顔器の魔道具は完成した?」


「おお、出来ておるぞ!送風機の方も改良済みじゃ。

じゃあ、順番に説明していくぞ。まずは送風機じゃ!

嬢ちゃんの助言のおかげで、温風機能、冷風機能、重量の軽減が出来たぞ。

改良後は無属性の中魔石一つで連続稼働させてみたが、五日も動いた。

魔力効率は以前よりも随分と良くなったようだな」


「へえ、思い付きで言ったことだったけど、随分と改良できたんだね。

ナンシーや王宮メイドたちも喜ぶかも!さすが、私のおじちゃん!」


「ガハハ、どんなもんじゃい!次は美顔器の魔道具じゃな。

こちらも要望通り大型化して、頭をすっぽりと覆うようにしたぞ。

薬液が頭にも届くようになってしまったが問題ないじゃろとは思っている。

ここは使ってみてからの要相談の部分じゃな。


それと、同時進行で魔法薬師に保水液と浄化の魔法液を作ってもらったぞ。

保水液は肌に張り付くように出来ており、潤いを保つと言っておったな。

使ってみたが、たしかに肌に薄く膜が張っておるような感覚じゃったぞ。

浄化の魔法液は顔の汚れをごっそりと落とすようじゃぞ?

ワシは怖くて試せんかったわい…」


「すごい!要望通りじゃん!

薬液が頭に届いちゃうのは、保水液と魔法液でカブレないかの確認が必要だね。

その薬師さんに頭皮にまで薬液がついても大丈夫か確認しておいてくれる?

それと、問題だった火傷の危険性はどうなったの?」


「長時間の連続稼働させなければ火傷することはないという判断じゃ。

鐘で三つ分連続稼働させたら、さすがに熱いとは感じたぞ」



美顔器の魔道具に鐘三つ分もの間、頭を突っ込んでいる姿を想像した。

笑いをこらえることに必死になってしまった。

後ろで護衛たちも想像したようだ、肩が震えてる。



「そっかそっか!じゃあ、美顔器の魔道具も満足いった形だね。

この後、送風機と共に持ち帰るね!

お母様が毎日私に尋ねてくるから、落ち着かなかったんだよね。

じゃあ、一番重要な体感訓練機はどうなったの?」


「体感訓練機はまだまだ改良の余地は残していると思う。

だが、初号機としては十分稼働できると思うぞ。


映像が安っぽいのはワシにそっちの才能がないようじゃ。

だから、ほかを当たってくれ。

嬢ちゃんが考えた物語通りに映像と音が身体に連動して動くぞ。

思いついたから、難易度を段階つけて設定してみたぞ」


「ふむふむ、映像の絵は改良の余地があると…

難易度の段階設定は素晴らしいの一言だね!

この訓練機の中に入って動けばいいの?」


「ああ、試してみてくれ。身長なども関係ないように設計したからな。

そのために光の魔石がどうしても必要だったんた。

だが、嬢ちゃんが魔石の再利用が出来ると言っていたから遠慮なく使った」



ゲームセンターにあるような筐体機だな。

筐体機全体に覆われてる分厚いカーテンを払って、俺は中に入る。

手元が少し明るく、目の前にあるこの魔石に魔力を流せば訓練が行えるようだ。

魔石の左右にコントローラのような棒がある。

先っぽに魔石がついていて、これで身体の動きが連動するようだ。


筐体機自体は大人用に作られているため、子供の俺にはだいぶ広い。

子供でも楽しめるような作りにはなっているようだな。


さっそく中央の魔石に魔力を流し、訓練を開始する。

ジャーンとドラを叩くような音が流れるが、どうにも安っぽいな。

これは改良案件だな。

いっそのこと、俺の声を入れてみるのも面白いかもしれない。


最初に性別を選び訓練の内容を選ぶようだ。

性別を男性と選び難易度を優しいで訓練を開始してみる。

映像による物語が展開されていく。スライムに娘が攫われたという設定だ。

うーん、音声が欲しい。音もなんかチープだ。ここも改良案件っと。


スライムを倒しながら、物語は進行する。意外と身体を動かすな。

って、かなり長いなこれ。

ダメージ判定で途中脱落の演出も入れてもらおう。


最後まで来たようだ。おっきなスライムがボスか。

やはり、映像の絵も専門の人に書いてもらうべきだな。

一度のプレイ(難易度:優しい)で鐘半分くらいの時間か。

さて、意見交換しながら、護衛たちにもプレイしてもらおう。




「どうじゃった、嬢ちゃん?」


「細かいとこだけど、色々修正点は見つかったよ。

まず、おじちゃんが言っていたように音と映像が安っぽいね。

これは専門の人に任せるしかないね。お父様とお母様に伝手があるかな?


男性用で訓練してみたけど、攻撃を受けたり、回避する演出が欲しいね。

難易度での訓練時間も確認したいから、護衛たちにも試させてもいい?」


「なぜ男性用で訓練したんじゃ?

あれはそこそこの体力が必要という設定で作ったんじゃが…


攻撃を受けたり、回避する演出か。

ちょっと待ってろよ、ちゃちゃっといじってみるわい。

訓練機は二つ用意しているから、護衛たちにはそっちを使ってもらってくれ」


「じゃあ、クリス。女性用の物語で難易度は優しいでやってみて」


「私は護衛の任があるのですが…」


「ほかに三人もいるんだから護衛は大丈夫だよ。

順番にやってもらうからね。

お父様たちに献上って形になるから、問題点はなるべく洗い出したいんだ」


「はあ、仕方ないですね。

王族に献上するものを確認するという意味では必要なことでしょう。

わかりました、一時護衛の任を離れることをお許しください」


「うん、お願い」



ヤンとペティが遊びたそうにしてるのがわかる。少し待っていてくれ。

君たちには調整してもらったものをプレイしてもらうつもりだから。

おっちゃん次第で今日中に体感訓練機も持ち帰りたいな。

しばらくして、おっちゃんが筐体機の裏から出てきた。

調整が終わったようだ。


「とりあえず、男性用だけ調整し終わったぞ。

スライムたちが魔法を使ってくるようにした。

それを撃ち落とせば回避、失敗すれば攻撃を受けるという仕組みじゃ。


三回から五回まで攻撃を受けていいという難易度も選べるように設定したぞ。

女性用のも訓練してもらって、問題点があれば調整しよう」


「じゃあ、シャフリ。難易度優しいで訓練してみて」


「お嬢、俺も遊びたいっすよ!」


「訓練と確認よ、そこは間違えないで、ヤン。

あなたには難易度難しいでやってもらうから楽しみにしていなさい。

ペティにも調整した後に、難易度難しいでやってもらうわ」


「あの、お嬢様?俺も護衛の任があるのですが…」


「さっきも言ったでしょ?これは王族に献上するものの確認だって。

店内だから護衛は二人もいれば十分よ」



渋々といった形で、シャフリが筐体機に入っていく。

ちょうど入れ替わりにクリスが筐体機から出てくる。

ペティが目を輝かせているが、先に問題点の洗い出しだ。

そして、女性用の訓練を俺がプレイした後だ、君は。


「クリス、どうだった?」


「そうですね、始めは訓練の開始の仕方がわからなかったです。

どのようにすれば動くのかわからなくて、戸惑いましたね。

基本はその場で足踏み。

障害物に対して飛び跳ねたり、殴って壊す。

という一連の操作がわかった後は楽しめましたね。


運動量としては普段運動しないご婦人にはちょうどいいかもしれませんね。

あとはやはり音が安っぽいですね。

基本的に足踏みだけなので映像に文句はないです」


「ふむふむ。おじちゃん、どうしよっか?

私が音声を録音して、音声で操作を案内してみる?」


「そうじゃな、音声で操作の案内。

それと、手元か外に訓練の仕方の案内を作ってみよう。

一応、取扱説明書も用意はするかの」


「じゃあ、また私が訓練してみて、欲しい音声を考えてみるわ。

紙とペンはあるかしら?

私が訓練している間にシャフリが出てきたら、ヤンも訓練していていいわよ」


やったっす!と喜ぶヤンと自分の番はまだかというペティが対照的だ。

おっちゃんに紙とペンを用意してもらい、また筐体機の中に入る。

今度は女性用の物語を選び、難易度を優しいでプレイする。


ふむふむ、たしかにこれだと操作がわからないわな。

音声ガイダンスは必要だろう。

紙にガイダンス内容をメモしながら、プレイしていく。


女性用のはひたすら足踏みというか、もも上げだ。

たまに障害物が現れて対応するという程度だ。

運動量としては、男性用と比べるとかなり軽い内容だ。


クリアしたので紙にメモした内容を精査しながら、筐体機から出る。

ヤンはすでに筐体機の中のようだ、若干うるさい。

シャフリが私を待っていたようだ。



「お嬢様、訓練をしてみました。

これなら安全だろうということがわかりました」


「そう、何か不満点はなかった?」


「映像でやることがわかりやすく、訓練内容は準備運動程度でした。

ですので、騎士である私からすれば、難易度優しいは物足りないですね」


「そっかそっか、騎士たちには物足りないか。

うん、そこは今後も考えてみましょう。音には不満はなかった?」


「そうですね、訓練していて緊張感が足りないという気持ちはありましたね。

もう少し音楽で臨場感が欲しいです。

音楽で緊張感が生まれるのかはわかりませんが…」


「ふむふむ、わかったわ。ありがとう。

おじちゃん、店内で大声を出せる環境ってあるかしら?」


「それなら工房内で扉を閉めきってしまえばいい。

よほどのことがない限り、音は漏れないぞ。何をするつもりだ?」


「さっきの音声での操作案内の録音と臨場感を出すための録音よ」


「ほおほお、操作案内の方はわかる。

声で臨場感を演出か、実に面白そうだ。

工房はそっちじゃ、大声を出すなら扉はちゃんと閉めてくれよ?」


「わかったわ、工房と録音機を借りるわね?」



私は工房に入り扉を閉める。護衛も一緒だ。

まずは操作案内の方をサクッと録音して、おっちゃんに確認してもらおう。

録音し終わったものを、すぐに確認してもらい、筐体機に組み込んでもらう。


この録音は別の人にしてもらうことでバリエーションを出せるな。

以前から集めてる俳優、女優のデータが活かせるはずだ。

体感訓練機には夢が詰まっているな。

一人でニヤニヤしていたら、護衛に不審がられた。笑顔で誤魔化したけど。


さて、男性用の臨場感溢れる音声を録音しますかね。

今から叫ぶことを護衛に伝えておき、録音する。

シャフリが若干青い顔をしていたが、無事に録音が終わる。


俺の成長と共に声を録音したら、プレミア化できるかな?

なんて考えてしまい、音声データは別にできるように相談しておこう。




「おじちゃん、ありがとう。いいのが録音できたよ。

それでね、音声ごとに録音したものを別に保存できないかな?

録音機を入れ替えるだけで、使われる音声が変わる状態にしたいの」


「ほお?また面白いことを考えるな。

嬢ちゃんの成長と共に録音すれば、人気が出そうだな」


「私も同じことを考えたわ。女性用の方にも考えているんだ。

渋い声だったり、声質のいい音声を録音するの。

こっちも人気出るわよ~?」



後ろでクリスが生唾を飲み込む音がした気がする。

気のせいだろうか?

今度推しがいるのか聞いておこう。


一度ヤンを筐体機から引きずり出し、音声の追加作業をしてもらう。

ペティにもおっちゃんの作業が終わり次第、試してもらおう。

その間に、ヤンから感想を聞く。

ペティが涙目になりながら視線を投げるが、もうちょっと待って欲しい。



「ヤンから見て、この訓練機はどうだった?」


「いいっすね。難易度を最高にしたら、やりごたえありますよ。

足腰を使って、腕も酷使しないと、騎士の訓練としてはまだ物足りないです。

けど、現役から離れている人や文官にはちょうどいいと思うっす。」


「今、臨場感を演出するための音声を追加させているの。

だから、シャフリと交代で訓練してみてちょうだい。

問題点はなるべく少なくしたいの」


「わっかりました!たしかに緊張感が足りなかったっすからね。

その追加音声とやらに期待っす!」


「よし、こっちの筐体機には男性用・女性用の追加音声を入れてみたぞ」


「じゃあ、シャフリ…って言いたいとこだけど、ペティに譲ってくれる?

随分と待っていてくれたからね」


「わかりました、もう一つの訓練機も確認しないとですからね。

俺はそちらを待ちます」


「いいんですか!?やった!シャフリ、ありがとう!!」


「ペティ、仕事だってことを忘れるなよ…」


「王族に献上するこの体感訓練機の調査の任につきます!」


「わかってるならよろしい」



なんだか、シャフリとペティの仲が気になる。

軽いイチャイチャに見えるぞ?

そろそろお昼ごろだな、店内なら安全なんだ。

何か買ってきてもらおうかな?


「クリス、そろそろお昼だから何か買ってきてくれる?」

「はっ!わかりました。」

「お金はこれね。あ、でも人数多いから一人で行かせるには悪いわね…」

「じゃあ、俺がついていきますよ。結構動いたから、俺も腹減ったっす」

「でも、護衛の数が…」

「大丈夫、大丈夫。店内なら問題ないって。

サクッと買って帰ってくればいいんだからさ」

「ヤン!あなたは護衛の任をなんだと思っているんですか?!」


「早く帰ってきてくれればそれでいいから、シャフリもいるから大丈夫よ」

「はあ、わかりました。すぐに昼食を調達してきます。行くぞ、ヤン!」

「ヘイヘイっと。あとは任せたぞ、シャフリ」

「ああ、任せろ」



ヤンとクリスはまだまだって感じの雰囲気だなあ。

喧嘩しなきゃいいんだけど。

とにかく、体感訓練機(初号機)は完成としていいんじゃないかな?

父上と母上の意見を聞いて、もっと洗練させて量産機を作らないとね!



「こっちの筐体機も音声の追加終わったぞ」

「ありがとう、おじちゃん。

今、昼食を買ってきてもらってるの。

だから、そのあとに最終確認して持ち帰るように手配するね」

「それなんだが、嬢ちゃん。ホントにこれを献上するのか?」

「ん?そのつもりだけど、どうしたの?」




そのあとに続くおっちゃんの言葉に俺は青ざめた。

ちょっと考えればわかる、大問題が発生していたのだ。


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