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不穏な帝国
Side 帝国
ははっ、あの国の秘蔵っ子が死んだか!
奴が死んだのは、本当のようだ。
情報によれば、奴を中心に動いていた産業も止まったようだ。
これで、あの国に攻め入ることが出来る!
大量の謎の生物や機械人形、ペガサスも出てこない!
勝ったも同然だ!
さて、そうなると戦争の引き金が必要になるな。
皇帝陛下も頷かせられるような何かを…
そうだな、城に潜入させていた帝国の兵を裏から殺そう。
連絡が取れなくなったと言えば、殺されたと思ってくれるだろう。
殺しに向かった者が生き残っても、我が帝国産の毒がある。
偵察に向かった彼らも殺されたと言い張ればいいだろう。
最近の皇帝陛下は怠慢に飲まれる瞬間がある。
毎食後に出す薬で皇帝は徐々に蝕まれているのだ。
効果が弱い毒で、気づかずに死の淵に追い込まれていく皇帝。
怠慢に飲まれたところに進言すれば、素直に言うことを聞くだろう。
ははっ、ワシが、ワシこそが真の皇帝陛下だ!
はっはっは!
笑う男の部屋の隅で綿毛のような小さな鳥がジッと男を見ていた。
この鳥の存在には、誰も気づかなかっただろう。
ただ一人を除いて。




