表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編完結】異世界男の娘【連載版】  作者: 物部K
魔法学園卒業後

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

106/132

特別報酬、完璧な淑女

ティナと弟子の近衛たちと別れ、再び母上の私室を目指して歩く。

さっきまでのしんみりさは消えてなくなりそうな予感がする。

憂鬱だなーと歩いていたら、目的地に着いてしまったようだ。


深呼吸をする。気合を入れなきゃな。

実の親に会うのに、そんな気合を入れなくてもいい?

数年も離れていたら、こんな気持ちにもなるさ。


俺は意を決して、名を告げてから入室の許可を求めるノックをする。

中から「奥様!」という声と、ドタバタと慌ただしい音がする。

扉が開く。

開いた先には母上がいた。すでに目元に涙がたまっている。

俺は口を開く。



「お久しぶりでございます、母上」


「…ディーノ。この、親不孝者!」


「あ、え?」


「今までどこをほっつき歩いていたのですか!

しかも、ヴィルに聞いたら『あいつはもういない』ですって!?

なんなのですか!

あなたたちで勝手に密約なんて決めて、勝手にいなくなって!

私がどれだけ心配したと思っているのですか!!」


「母上!?密約については、事が事ですから、内密に…」


「そんなものは私は知りません!あなたたちが勝手に決めたものです!

私には関係ありません!

いなくなったと思ったら、何年も経ってから急に現れるんですから!

心配するこちらの身にもなりなさい!!」


「す、すいません、母上…」


「いいえ、許しません!

私だけでも、あなたとアカネちゃんと会えるようになさい!今すぐです!」


「ええっと、それはちょっと了承しかねるな~、なんて…」


「私だけでいいのです!

向こうにはドールちゃんたちもいるでしょう!?

私の世話くらい、どうとでもなるでしょ!!

いいから、私だけでも連れていきなさーい!!」


「はあ。母上がここまで我儘だったなんて、今まで知らなかったですよ…」


「私は元々こういう性格です!

王妃教育で私はお淑やかになったのです!

いいから、扉を繋ぎなさい!!」


「では、仕方がありません。こうしましょう。

私は今回、仕事のためにこちらを訪れたのです。

その協力の報酬として、『特別』に扉を繋ぎます。

それでいいですか?」


「やったわああああ!勝ち取ったわああああ!

ヴィルなんてもう知らないんだからっ!

私はアカネちゃんたちと老後を楽しく過ごすんだからっ!」


「はあ。こりゃ、そのうち父上もこっちに来るな…」



「あ、あの?ディーノ様?

私たちにも、その、報酬はいただけるんですよね?

私たちも老後はまったりと過ごしたいのですが…?」


「ぐっ、そうですよね…

王宮メイドさんたちにもその権利はあります。

いいでしょう。この際、まとめて面倒を見ましょう。

知りませんからね、まったくもう!」



『やりました!私たちも老後の安住の地を手に入れました!!』




「はあ。では先生方、俺の準備をお願いします…」


「ディーノ?その役目は彼女たちじゃないでしょう?」



そこで扉が開き、俺の元侍従二人がこちらにやってくる。



「ディーノ様!その役目は私のものです!誰にも譲りません!!」

「ディーノ様?妻以外にその役目を譲るのはどうかと思いますよ?」


「ナンシー、ヴォルクスも…」


「ヴォルクス、お仕着せを!化粧箱も!あと靴もです!」

「こちらに」

「よろしい。では、外に出ていなさい」

「はい。あ、ディーノ様?我々にもさっきの権利、ありますよね?

もうそろそろ私たちも後進の育成が終わります。

余生を楽しく過ごさせてくださいね?」


「ああ、もう。わかったよ!お前たちも来い!」


「言われずともそのつもりです。

ああ、護衛だった彼らにも今までの報酬として…

この話をさせていただきますね?」


「くそっ、一気に賑やかになってしまう。向こうでの俺の仕事が増える!」


「その際は手伝ってあげますから。

さあ、妻が待っています。頑張ってください、それでは」



「ディーノ様の髪の毛が、さらにサラサラになっていますね。

何かお手入れに使いましたか?」


「こっちにはない、向こうの世界って言ってもまだわからんか。

特殊な洗剤で毎日のように洗っているからかな?

アカネには、オイル使っての細かい手入れをしてもらっているしなあ」


「ふむ。これだけの髪質。そして、肌艶もいい。これは腕が鳴ります!

化粧は濃ければいいってものじゃないんです!」


「な、ナンシー、さん?」


「行きますよ、ディーノ様!今までで一番のディーネ様に仕上げます!」


「のわああああ!」



こうして、俺の元侍従のナンシーの手により、俺はディーネになった。

靴も久々にヒールがあるので歩きづらい。

服もこのひらひらがなんか恥ずかしい。女装当初の気持ちに戻っているな。

それを見透かす母上と王宮メイドさんたち。

報酬のこともあってか、もう目がメラメラと燃えちゃってます。



「ディーネ!なんですか、その姿勢は!私の教えを忘れたのですか!?」



「ディーネ様?何を恥ずかしがっているのです?

今のあなたは王族に等しい娘です。

凛々しさを持って、胸を張って堂々としてください」


「姿勢と気持ちは、少しはよくなりましたね。

次は歩行と仕草です。

我々との特訓を思い出してくださいませ?」


「ディーネ様、視線が下がっております。前を向いてくださいませ。

そして、堂々と胸を張ってくださいまし」


「ディーネ様、そのような仕草を教えた覚えはありません。

歩く時の仕草はこう、です。指先まで集中してください」


「ふむ、仕方がありませんね。

ディーネ様、一度お手本をお見せします。

どこが悪いのか自分で指摘できるように、しっかりと見ていてくださいませ」



「ちゃんと悪かったとこは自覚していたようで安心しました。

これならお仕事にも間に合いそうですね」


「そうですね、この調子なら一週間で思い出してもらえるでしょう。

できれば、もう一週間欲しいのですが…

え?いいんですか?では、完璧な淑女に仕立て上げますね!」


「皆様方?ディーネ様にやる気が戻ったようです。

短期集中講座の開始です。誰が見ても見惚れる、完璧な淑女に仕上げますよ!」


『はい!』



俺はいつの間にか、負けん気を出してしまい、完璧な淑女を目指してしまった。

心はまだ男のままでいられるのだが…

口調や仕草は女装時のみ、完璧な淑女になってしまいそうだ。


ここまで仕上げれば、ちょっとやそっとのことじゃ忘れないだろう。

たまにアカネに女装姿を見てもらい、違和感がないかを確認してもらおう。



これも今までの怠慢のツケということで、矯正を受け入れましょうかね。

今までリリーの出番が少なかったからですかね?

ちょっと爆発してしまいました。

王宮メイドさんたちと共に、老後の安住の地を勝ち取りました。

ヴィルフリートも王位を譲ったら追いかけてくるでしょう、きっと。


そんなこんなで潜入準備が整いました。不穏なコルネリウスがいる魔法学園へ行きます。

はてさて、どうなるかな?ネタ帳には細かいことはまだ書いてません。


今日は病院なので、ここまでです。帰ってきたら、また書こうと思います。

早くちゃんと目が見えるようになるといいんですけどねえ。

それではしばらくお待ちください。

残りもこの調子で続きます。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ