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【本編完結】異世界男の娘【連載版】  作者: 物部K
魔法学園卒業後

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娯楽室の充実化

『今日は娯楽室の充実をはかろうと思います!』

その日、俺は朝食時に声を大にして宣言した。

アカネからは静かに食べなさいと注意を受けて、俺はしょんぼりとした。

今日はアンナと例のダークエルフの三人組も朝食をともに食べている。

三人組は里の作物が出来たからと、我が家に届けに来ていたのだ。


人数はそれなりに多い方がいいだろう。

朝の宣言をした俺は朝食後の片付けも終わった面々を連れ、娯楽室に来ている。


今回、俺のそばに控えるのは俺が生んだ新ドールたちだ。

見た目はパッと見、人間と変わらない。だが、精神はまだまだ未熟。

アカネのドールたちほど、熟練とは言い難い。

この辺はたぶんだが、俺の精神が影響している気がする。す、すまん。

今回は頭脳班と開発班と技術班として働いてもらう、成長も願ってな。




「よし、みんな集まったな!」

「カオル、娯楽室の充実って何するのよ?」

「あなたという人は、また突拍子もなく…」

「我々はここにいていいのだろうか?」

「馬鹿、お前。新作が遊べるのかもしれんのだぞ」

「そうだな、新作のためなら手伝うのはやぶさかではない」



「はいはーい、みんな静かに!今回、遊びに使うのはこちら、体感訓練機です!」


「ああ、それ?でも、それ頭打ちじゃん」


「貴族たちが遊んでいるのは知ってはいるのですが、見るのは初めてなのです。

でも、お姉さまのあれと何が違うのです?」


「まあ、たしかに現状では頭打ちだ。

そして、アンナ。

これはアカネが作ったあれを模倣しているから似ていても仕方がない」



「そこで、これを魔改造したいと思います!

ゲーム内容の開発には新ドールさんたちが携わってくれています!

はい、拍手!」


『みなさま、よろしくお願いします。

開発を担当させていただきました。ご意見、ご感想、ご提案をお待ちしています』


「というわけでだな?この体感訓練機、元は運動を目的として作られている。

それを俺たちの世界の娯楽機に近づけるために、小型化します!」


「へー、『テレビゲーム』にするってことね?カオル」


「お姉さま。『テレビゲーム』ってなんなのです?」


「ああ、そこからよね。『モニター』って呼ばれるスクリーンがあるじゃない?

あれにつなげて遊ぶゲーム機械?機器?よ」


「ほお?人間の遊具は不思議なものだな?」

「運動をメインにしたものでも、十分楽しめる気がするが…」

「小型化するということは、今度は頭脳型のゲームになるということか?」



「はいはい!静かに!

今回は事前に、体感訓練機を小型化したものがこちらになります!」


「なんだか、三分料理みたいな扱いね…」


「こんな小さなもので、どうやって遊ぶのです?」


「ふふっ、ここからが本番なのだよ!アンナくん!!」


「ぬぅ、なんだか馬鹿にされているのです。ですが、今はいいのです。

ここからどうなるのです?」



「この小型機に『ソフト』と呼ばれる記憶版を差し込みます!

これも事前に作りました!

大型機の『カセット』とは区別するために、名前を変えています!」


「へー。

大型のあれは記憶版と録音機が別々にくっついていたけど…

このソフトは一体型なのね?まさに『ゲームソフト』じゃないの」


「ああ、これはもはや『ゲームソフト』と言っていいだろう、アカネ。

だから、名前も『ソフト』と命名した」



「それでは、実際に遊んでもらいます!ダークエルフ三人組!出番だ!!」


「わ、我らが遊んでいいのか!?」


「ああ、実際に体験してもらった方が早いからな。では、起動!」


「これは、このたくさんのでっぱりが付いたもので遊ぶのか?」


「そのコントローラを使って操作してくれ。

今回は三人でも遊べるものをドールさんたちに作ってもらった」


「ほお?なにやら上から見た王都の地図だな?」


「たくさんの色のついたマスがあるぞ?」


「ゲームの目的とルールを教えてくれ、これは面白そうだ!」



「目的としては、お前らは商人となり、誰が一番に王様に認めてもらうかだ。

認めてもらうには、一定額の所持金を持つことだ」


「ふむ、わかりやすい。だが、我々に商人の経験などないぞ?」


「そこでルールの出番だな。

この青いマスに止まると収入が入る。

赤いマスに止まると、逆に出費して資金が減る」


「ほおほお、面白くなってきたぞ!それだけじゃないんだろ?」


「もちろんだ。商店の商品を買う、それをほかの商店に売りに行くんだ。

だが、商品の値段は商店ごとに違う」


「なるほど。なるべく高い店に卸すのか。これは頭脳戦になりそうだな?」


「まあ、運ももちろんあるぞ?移動はこのルーレットの数値分だけだ。

そして、突発的なイベントも発生する。

ついでに、黄色のマスは魔道具がもらえて、便利な効果を発揮したりするぞ?」



「目的もルールも理解した。我らは先に遊んでいるぞ。

改善点などがあれば、ドールさんたちに報告すればよいのだな?」


「ああ、頼んだぞ。

正式版になれば、王都だけじゃないマップでも遊べるようにするつもりだ」


「任せろ、我々はこういうのは得意だぞ」




そして、ダークエルフたちは遊び始めた。

ルーレットの数値や収入、出費マスで一喜一憂している声が聞こえ始める。



そんな彼らを見てか、うずうずとしだすアカネとアンナ。

君たちも早く遊びたいよね?

君たちにはゲームソフトを二つ用意しているのだよ。




「か、カオル?わ、私たちの分は?」

「アカネとアンナの分はこれだ。題して、ペガサスレースだ!」

「それはどんなものなのです?」

「あ、レースゲームね?カオル」

「アカネは理解がさすがに早いな」



「これはペガサスを選んで、その速さを競い合うゲームだ。

コースを周回して一番にゴールを目指すのが、目的だ」


「なるほど、ペガサスさんたちに個性があるのですね?」


「そうそう!アンナちゃんは理解が早いわね!

コースの道中には、便利なアイテムも落ちているのよね?カオル」


「ああ、その辺も再現してある。

まあ、実際に遊んでみてくれ。その方が早いだろう」


「さっそくやろっか!アンナちゃん!」


「はい、お姉さま!」




「うぅ、うまく曲がれないのです!

このペガサスさん、直線では早いのですが、曲がりづらいのです!」


「ペガサスらしく、上下の操作もあって、普通のレースゲームより難しい!」


「ははっ、楽しめてるようだな。

ペガサスを育成するモードで、育成してから競争も出来るぞ。

ついでに、ペガサスたちを走らせて賭ける競馬モードも搭載してみたぞ」




アカネたちは別モードもしっかりと楽しんだようだ。

小休憩を入れて、別のゲームも遊びたいと言い始めた。




「ペガサスレースは十分楽しんだわ!今度はじっくりと遊ぶゲームはないの?」


「俺が通った魔法学園をベースにした恋愛シミュレーションなんてどうだ?

ストーリー展開にドールさんたちがかなり頑張ってた逸品だぞ?」


「へえ、泣ける作品なんでしょうねえ?」


「さあ、その辺は俺はわからん。俺は触りしかプレイしてないからな」


「アンナちゃんでも楽しめる?」


「まあ、疑似的に魔法学園に通ってる気分は味わえるかも?

詳細な説明はないが…

それでもわかりやすい用語説明はしてくれていた気がする」


「へー、気になるわね。じゃあ、私たちはじっくりと遊んでいるわね?」


「お姉さま、これはどういうゲームなのですか?」


「これは物語の主人公になった気分で、物語を楽しむゲームよ」


「へえ、面白そうなのです!」




さぁて、ドールさんたちはアカネたちを泣かせるほどのストーリーを作れたかな?

しばらくはじっくりと読み進めていたようだが…

徐々にだがキャラに違和感が出てきたと申告を受ける。

ストーリー展開はまあ、悪くないのだが、キャラに何か違和感を感じるらしい。




「なんでそこで優しくしないの!?とかね。

そこで怒るの!?って展開が多いの。

そのせいで、ちょっとストーリー展開に集中できなくて、断念したわ」


「私もお姉さまの意見に同意なのです。

とてもキャラに違和感があるのです。そのせいで話にイマイチ入り込めなくて…」


「うーん、ドールさんたちの感性は…

俺の精神に影響を受けている部分が大きいってのがあるな。

あとは、まだまだドールさんたち自身の『精神的な経験』不足が原因かな?」


『我々に不足はありません!

マスターカオルの手により生み出された我々は…

旧ドールたちの性能を大きく上回っているはずですっ!!』


「あー、うん。そうな。たしかに身体性能は上回っているだろうな?

だが、お前たちに今足りないのは、『精神的経験』だ。

その性能差は旧ドールたちとは比較にならないほど、性能差があるはずだ」


『マスターカオル?意味が分かりません。

我々にはそのような性能差はないはずですっ!』


「まあ、お前たちは俺の手によって生み出された子供たちだ。

これからゆっくりと育てばいいさ。いずれわかるときがくる」




アカネは自分のドールたちを馬鹿にされ、怒るかと思った。

だが、俺のドールさんたちを見て微笑ましそうにしていた。

まあ、俺のドールさんたちはホントに子供だもんな。

今は癇癪を起してるようにしか見えないし…

何かあった時は注意をちゃんとしないとかな?

この日はドールさんたちには不満を抱えさせたまま、解散させてしまった。



だが、ダークエルフたちのゲームでは絶賛され、喜んでいた。

こうしてくれ、ああしてくれなどと意見が出ても…

真剣に話を聞き、受け入れ、検討してみますと言っていた。


ほらな?褒められると弱い。

そういう『精神的経験』がまだまだお前たちには足りないんだよ。

これは説明が難しいな。どうやったら、あの子たちに理解させられるかなあ?

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