三話目 愛の強さほど燃え上がるぜッ!
自作です。(なんかしっくりこないバナーだな……変えるかもしれません)
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頬を膨らませた要が手を握りしめる。
お〜!要の拳が凍ったよ。
「この氷さえあれば……凛よりいけるのに…」
「そうか?俺の炎と競争してみる?」
「いいね。じゃあ…いくよ!容赦なしにッ!」
要と凛が手をかざす。
あの…事件解決したばかりに仲間で争うなって…。
だけどあの二人は互角。
「烈火炎!ファイヤー!」
呪文を叫んで攻撃する凛とは対象的に要は無言で手を突き出す。
「お……!またその手か?」
「いいえ。今日は違うやり方でいくね」
氷が薄い膜となり凛を阻む。
だけど、凛は炎で焼き尽くす。
「よっし!勝てる……っつ!?」
凛がツルッと滑りそうになり体制を正した。
床に張られた薄い氷。
「あーそういうことか!」
「遅い!ブリーズッ!」
油断した間に要に背後をまわられていたのだ。
雪吹雪が降り注ぐ。
「燃やしちゃえー!」
だが、雪のせいで前が見えづらく。
要が凛に接近し、氷の礫を放つ!
凛の炎によって溶けるが、要も引かない。
「ファイヤーコール!」
要に大打撃の必殺技を放つ凛。
「フローズンっ!」
次の瞬間、要の周りに冷気が放出されはじめる。
空気を凍らす気か!
「っ!」
それに気付いた凛は全身に炎をまとわせた。
「じゃ、オレの呪文♪」
少しニヤッと笑った凛。
ああ、どうせ熱い呪文を…
「愛の強さほど燃え上がるぜッ!」
この恒例の呪文!
敵を倒す時の必殺技の時いつも言っていたから…。
「その愛って誰に向けて?」
「……?」
「誰への愛の強さなの?」
「それはね…」
凛は面白そうに笑う。
「ん……お前って言ったらどうする?」
「つっ……は?」
その要のすきを突いて凛の炎の壁が迫った。
「卑怯!」
氷の攻撃で守備をする。
けど、これは…凛の勝ちかな。
「……負けた」
要がもう薄くなった氷の壁を汗を出しながら維持をしていた。
「お‼認めるのか」
「もう無理…」
倒れ込む要。
凛は炎を解除した。
「卑怯だよ…そんな人の心揺さぶるのって」
「先に聞いたのは要だろ?」
「そうだけどさ……」
要は水を飲む。
「相手によってはああやって混乱させることもある。今ので油断したら負けと同然だ」
光が冷たく言い放った。
いや、冷たくはないんだと思うんだけど…なんか口調がそう感じる。
「分かってるよ。闇月とか頭脳派の影だからね。まだ黒恋も倒してないし…」
「あの馬鹿影?まあ分身術で厄介なのは確かだけど」
ため息をつく要。
「クリスマスに襲撃されたでしょ?後はバレンタインとホワイトデーを狙ってきそう」
「カップル率が高いところを惨殺する奴だからか」
光と要の話が進む。
……なんかなあ。
私会話に入れてないんだけど。
「バレンタインデーが決戦だな!」
嬉しそうに言う凛。
いや、重大なんだけど。なんで戦いだとそんな嬉しそうな顔するのよ!?
「それまでは結構あるよな。地道にパトロールっていうことか」
光が計画をたてはじめている。
駄目だこれは。
なんで第二警班はこういうやつらが多いのかな…。
「ねえ、バレンタインパトロールしてられる?」
要がふと私に聞いてくる。
「別に。何も用事ないし」
「わたしはあるよ…でも人を思うとしかたないよね」
苦笑すると要は自己反省をノートに書きはじめる。
激しい決戦はバレンタインデーになりそうだ。