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一話目 愛なんて滅びてしまえ 


♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥


 聖夜の喧騒の中に影が忍び寄る。


 黒く黒く


 暗い暗い


 どす黒いどす黒い


 渦を巻いた物が。


 ──影というより怪物だ。


『お前ら楽しんでんな?』


「……!?」


 聖夜の中に溶け込んだ恋人二人が振り返る。


『愛なのかよ?』


「だ、誰」

「大丈夫だ、僕が守る」


 影は笑い、二人の周りを周る。


『はは、笑わせてくれるぜ。聖夜だからって浮かれやがってよ。だったら、その愛を見せろよ』


「……!」

 

 そう言うとともに、女性に接近。


「僕がっ‼」


 一瞬で男性が影との間合いを詰める。

 

 ──が。


「んが!?」


 影に吹き飛ばされ、壁に激突した。


『愛なんて脆いんだよ。俺には嫌なことしかねえ…。あんさ、無力じゃねーか』


 男性は事切れた。

 女性は震えている。


『お得意の愛はどうした?愛、愛……!笑っちゃうぜ』


「うるさい!」


 突如、絞り出すように女性は叫んだ。


「わたしたちの愛を否定しないでッ!」

『ああん?本当にバカなやつだ』

「あの人はわたしを守ってくれた!それだけでいいのっ!それが愛なの‼」

『鬱陶しい。じゃあ…愛を見た最後に死ねて幸せだろ?』


「きゃああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!」


 すざましい絶叫が鳴り響く。

 彼女は、胸をパクリと開けて倒れ込んだ。


『愛?笑わせてくれるぜ。こうしてすぐ死ぬというのに』


 影は下品な笑い声を上げ、去っていく。


 クリスマスの聖夜は愛が飛び交ってるぜ。

 潰してやりたい。

 今日の次の大イベントはバレンタインだな。

 あんな、虫酸が走る愛イベント潰してやるぜっ‼

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― 新着の感想 ―
[良い点] ブラックな雰囲気のものが始まりましたね◎ 連載頑張ってください☆彡
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