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 私は試験でのことを思い出しながら、ところどころ端折(はしょ)りつつリースさんに伝えた。


 リースさんはタイミングよく相槌を打ってくれたのでとても話しやすかった。


「仲良くなった子たちとはそれっきりなんですか?」


「いえ、あのあと連絡先を渡しました」


 その後、アンさんたちとは昨日魔術連盟で偶然居合わせたので、私の魔術通信のアドレスを教えておいた。

 アンさんたちはまだ魔術見習いとのことで、私がアドレスを持っていることに驚いていたが、初級魔術師になったら連絡をくれるとの事だ。

 話によるとトムさんは人が変わったかのように真剣に魔術を学び始めたそうだ。アンさんが嬉しそうに教えてくれた。


「そうですか。それは良かった。出会いは大事ですからね。僕とシスタちゃんの出会いのように」


「もしかして、口説いてますか?」


「ある意味ではそうですね。学校に行きませんかと口説いてます」


「えっと、それについてはまだよくわからなくて。私に才能があるっていうのも信じられないと言うか」


 もじもじする私を見て、リースさんはポンと手を叩いた。


「うん、よくわかりました」


「何がわかったんですか?」


「自分の目でも確認したほうが良いってことです。シスタちゃん、ちょっと付き合ってもらえますか?」


「えっと、いいですよ。今日は一日予定も無いですし」


 というか依頼以外で予定なんて無いから大丈夫だ。



 リースさんに連れられてきたのは魔術連盟の訓練場だ。魔術試験の会場としても使われていたおなじみの場所である。

 訓練場は連盟員に向けて開放されている。スペースで区切られており、受付で申請すると一人ひとりにスペースが割り当てられる仕組みだ。

 スペースごとに中が見える場所もあれば、見えなくなっている場所もある。


「ここですね。準備しておくので先に入っておいてください」


 リースさんが案内してくれたスペースは、他のスペースより大きかった。

 入り口には魔術道具が置いてあり、スペースの結界に関する設定ができるようだ。

 リースさんはその設定をいじっているようである。


 私は言われたとおりにスペースに入る。

 最初は透明だった結界だが、リースさんが操作をしたのかすぐに周囲が見えなくなった。


 リースさんもスペースの中に入ってきたので何をしていたのか聞いた。


「スペースの非可視化を行いました。あとは結界ベースのデコイを用いた威力測定の設定もしてあります」


「なるほど。よくわかりません!」


「結界関係の魔術は最低でも中級魔術ですからね。Eランクなら詳しく知ることができますから、そのうち学びましょうか」


 いずれこの結界も自分で発動できるようになるのかとちょっとわくわくした。



「さて、シスタちゃんにはここで魔術を使ってもらいます」


「流石にそんな気はしていました。でも、本当に私は才能があるとかそういう感じじゃないですよ?」


「それは僕が見て判断しますよ。じゃあ早速ですが、そこのデコイに向けて適当に使える初級魔術を打ってみてください。例えばファイアーボールとか」


「わかりました」



 リースさんは見せないと納得してくれ無さそうなので、指示の通りファイアーボールを飛ばしてみよう。



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