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―第百三十四話― 火炎使い

 アルファルドの手のひらから、かなりの大きさの魔法弾が撃ち出される。

 ……はあ。


「『吸収』」


 突き出した右腕に魔法弾は文字通り吸い込まれていった。

 ……なるほど、流石は本物の魔王軍幹部。

 前にシリウスの分身のを吸収した時とは、威力が桁違いだ。


「おいおいおい、もう攻撃は終わりか?」

「そんなわけがなかろうが、阿保め」


 ……!?

 足元に突然、魔方陣が現れた。


「『ヘル・ファイア』」

「『移動』!!」


 真っ赤に光った魔方陣から、大きな火柱が立つ。

 危ねえ、あと少し遅かったら、丸焦げじゃねえか!


「これも避けるか……」

「当り前だ、もっと本気で来いよ」


 手をくいくいと動かしながら、挑発する。

 ……さて、どうしようか。

 さっきから全然隙がないし、攻撃を仕掛けようにもな……。

 能力でごり押すのもいいかもしれないが、ここまででかなり魔力を消費してしまった。


「『回復』」


 魔力の問題はこれで解決だな。

 さて、次の手は……!!


「『インフェルノ』」

「『移動』! ……くそっ、随分と火炎魔法が好きらしいな!!」

「使い勝手が良いからな。大抵の生物を簡単に消せる」


 こいつ、魔法の使い方が上手いな。

 味方に当たる前に消すとか言う、細かい芸当まで使ってきやがるし。


「どうだ、(わらべ)。まだ戦う気は起きんか?」

「……ああ」

「……そうか。なら、仕方がないな」


 背筋に悪寒が走る。

 ……こいつ、何を……!?


「いけ、我が(しもべ)よ」


 くそが……ッ!!

 魔方陣から、魔物達が一斉に飛び出してきた。

 ……魔力量が、さっきまで戦ってた奴らよりも明らかに高い。

 ……こいつらをジャスミンたちに任せるわけにもいかないよな。


「『結界』!!」


 出てきた魔物達を囲うようにして、少し大きめの結界を張る。

 ……これでどうだ……!!


「『魔物どもを切り刻め』!!」


 結界内に俺の魔力が一気に広がる。

 ……そして。


 ――ザシュッ!!


 幾重にも重なった切断音とともに、魔物の死骸だったものがごろごろと転がっていく。

 ……うげっ、魔力こんな削れるんだ……。

 だが、これで辺りの魔物も殺せた。


「囮とはいえ、こんなにも早く片付けたか……」

「は?」


 ドン、と背後から衝撃を加えられる。

 ……魔法弾か……!?

 くそっ、攻撃してる間に回られたか……。

 骨何本か折れてそうだな……。


「『回復』」


 ……くそっ、マジでいてえ……。


「『インフェルノ』」

「『防御』!!」


 咄嗟(とっさ)に能力を使うも、物凄い熱気が体を襲う。

 ……もういい、面倒だ……!!


「『移動』!!」


 短剣を抜きながら、アルファルドの目の前まで移動する。


「『切断』!!」

「くっ……!!」


 魔力を孕んだ刃がアルファルドの胴体にぶち当たる。

 ……が。


「今のはさすがに肝が冷えたぞ」

「無傷のくせして、何言ってやがんだ」


 どういうわけか、刃が当たった瞬間に能力の効果が消えた。

 ……くそっ、こいつの相手、とことん面倒だな……!!

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