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天孫来航  作者: 扶桑かつみ
第二部「汎日本主義」
8/22

00「概要」

 19世紀半ば、流星のごとく世界史上に登場した日本は、その後異常なほどの順調さで発展した。

 しかも近代化、工業化、先進国家化の流れを世界最速で突き進み、その歩みの早さは徐々に他の先進国列強に並び、そして明らかに越えていくようになる。

 

 日本の発展について諸外国はおかしいとは思っても、どこからか知識や技術を奪ってきたという事も確認できなかった。

 とにかく分かっている事は、日本人が技術開発や知的進歩が早いという『結果』であった。

 諜報活動も一時期は熱心に行われたが、『瑞穂』という得体の知れない国もしくは集団の壁を越えることはできなかった。

 しかも瑞穂という名は日本の皇室と深く繋がることで、年を経るごとに日本のさらに深部へと沈んでいき、諸外国が追いかけることは事実上不可能だった。

 

 結局瑞穂とは、日本側が厳重に機密保持をした古い伝統のある頭脳集団の一種だという結論に落ち着いた。

 そして何時しか、通常レベルでのスパイや技術奪取、穏便な場合は有償供与などを行うことはしても、瑞穂という存在そのものには深く関心を示さないようになっていた。

 調査した時の損害が激しすぎ、調べる事に対する費用対効果がまったく釣り合わなかったからだ。

 

 そんな疑問が抱えられつつも、日本は高度技術製品の輸出国として大きく躍進していった。

 20世紀に入る頃には、イギリスやドイツ、アメリカに並ぶ先進国列強に躍り出ていた。

 さらに年月を経ると技術面はもちろん政治や思想でも常に日本が先端を走るため、日本が積極的に何かをしなくても、結果的に技術面・学術面で世界を啓蒙する事になる。

 

 一方では、日本が他国との戦争を行うことは防衛戦争以外では必要最小限であり、世界への市場進出も強引なやりかたはほとんど行わなかった。

 20世紀に入ってしばらくもすると日本の優れた製品を求めて、向こうから勝手に貿易を求めてくるからだ。

 日本に対するやっかみから、高率関税や場合によっては事実上の禁輸を行う国も出てくるが、ナポレオン戦争でのイギリスと他のヨーロッパ諸国の状態と同様となって長くは続かなかった。

 禁輸しても、禁輸した側がかえって苦労する事になり、酷い場合は発展が遅れるだけになった。

 しかも日本は、よほどの必要に迫られない限り強引な自国商品の売り込みを積極的に行わないため、あからさまに日本を非難するわけにもいかなかった。

 

 かくして、日本は異常なほどの順調さで発展を続け、世界を強引に牽引していくようになる。

 


 ※※ 超越者の視点より ※※

 日本を中心とした技術革新の速度は、当初は他の国とあまり変化はないが徐々に加速がかかっていく。

 ただし20世紀に入るまでは、日本の中での独自の文明発展速度がヨーロッパ最先端の水準に並ぶだけなので、世界的な技術発展の速度上昇はほとんど発生してはいない。

 しかし20世紀を迎える頃には、日本が世界最先端よりも五〜十年ほど先駆けた状態となる。

 発展の準備が整った日本人に、瑞穂人(「彼ら」=異星人)が少しずつ技術加速(暴走)させていく。

 それに追いつくために、各列強が遅れながらも日本から学ぶ(もしくは奪う)状態となる。

 

 また、日本人を暗に誘導する瑞穂人(「彼ら」=異星人)は、日本に必要外の戦争や侵略は可能な限り避けさせるようにし向ける。

 軍備拡張についても同様。

 

 ただし、自衛戦争もしくは防衛戦争は徹底して行わせる。

 万が一戦争になった場合も同様。

 「彼ら」の足場を失うことは避けなければならないからだ。

 


 なお、これから以後の記述は、個人が何かを行うという時代からは大きくかけ離れていくため、重要事項を中心とした概要を記す形で進んでくものとする。

 

 敢えて言うならば、開国から明治維新までは孝明天皇を中心としたハートフル・パートだったからだ(笑)


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