人数が合いません。
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「おっ! 『与骨』もなしに、ゴーレムを従えるなんて凄いな。一体どんな魔法を使ったんだよ」
レイがかおリン達を無事に連れて来る事に成功。案内してる間、俺は一人でゴーレムの肩に乗ってるだけで、暇すぎ。ソロ推奨なんだけど、レイや草井さんが側にいる事が多かったし、暇潰しのアプリゲームとか漫画があるわけでもない。それに移動するわけにもいかず、ゴーレムが話相手に……なるわけない。自分で振っておきながら、レイに拾ってもらうまでの最初の時を思い出してしまったぞ。それはさておき……
「えっ! レイから何も聞いてないのか?」
「ああ……変な鎧を手に入れたみたいだけど、装備してるのか?」
レイやゴーレムの目には見えても、かおリンの目には映らないのか? 俺も最初は見る事は無理だったわけなんだけど。それに左腕は道具に収納したままで、羽で飛んでるだけにしか見えないか。
「まぁ……呪われた装備だからな。レイも同じ系統のを身につけてるわけだし。こうすれば、少しは納得するかも」
『ヒロインの左腕』を付けてみたら、宙に浮く事になるし、見えない鎧があるのが分かるかも。レイだけ見えるのも、納得出来る説明をしておかないとな。俺の装備だからって可能性もあるわけだし
「どうだ? 草井さんは腕が無くても……あれ?」
狼男はいるのに、草井さんの姿がない。下の階に行く時、最初に置き去りにするのは狼男と決めてたと思うし、何よりもMAPでは黄色の点が三つ。もう一人いたはず……途中にゴーレムを見つけて、草井さんがちょっかいを出した可能性は……あるか。
「もしかして、草井さんは死ん」
「上の階で寝てるな。途中で寝落ちしたかもしれないから、装置の上に置いてきた。それもあるから他プレイヤーも倒す事はしないと思う」
草井さん……自由過ぎだろ。プレイヤーじゃないから本当に寝たな。俺達を心配してると思ったんだけど。ここで草井さんが死んだ場合、どうなるか分かるかもしれないけど。
「それでも、MAPで確認した時には三つあったよな? レイも見たはずだし。別の誰かが一緒だったとか?」
もう一度MAPを見ると、青色、黄色を含めて四つ。俺とレイを含めると、ここに集まってる四人で合ってる。
「それはないな。俺達より先に来た奴はいるはずもないし、それなら草井を引っ張っていく」
狼男はそれを否定した。そうだよな……先に進んでいる奴がいれば、装置の場所にプレイヤーがいるはず。そうでなければ、草井さんを置いておく必要もないし。見間違えたのか? 俺とレイは呪われた装備を身につけてるから、見えない物が見えたりしてさ。