名言を少しお借りします
「プププ……ヒロインの左腕なんだ。ポン骨がヒロインって、全然似合わないんだけど」
左腕があるんだから、他の体の部位があるはずで、全部集めたらヒロインになる? それが出来るのがスケルトンだけなら……俺がヒロインに? いやいや、駄目だろ! 相手は誰になるんだ? 骨のヒロインは嫌だし、相手が男プレイヤーなら気持ち悪いわ!
「ヒロインなんか絶対嫌だから……って、あれ? 頭蓋骨の方はどうなったんだ? 骨の説明もパラメーター上昇もないぞ。そこにあったりするわけ?」
『ヒロインの左腕』の説明があったみたいに、頭蓋骨に関するのが全く表示されない。『ヒロインの左腕』でMPが増えたけど、魔力は上がってない。それなのに目が見えるようになったのは頭蓋骨を『補骨』したからだと思うんだけど?
「無くなってるから、『補骨』されたんじゃないの? 前は両目が赤く光ってなかったし。草井さんの目も外れたよね。他に変わったところは……ないと思うんだけど」
そうなんだよな。光の玉になったはずなんだけど、『補骨』以外の何かが起きたのか? アイテム欄にも新しい骨が入ってないみたいだし、頭の装備に追加されたわけでもないんだよな。
「別にいいじゃないの? ヒロインの左腕が印象が強烈なんだし、目が見えるようになっただけと思えば。それよりも、鎧を付けて、動けるかどうかじゃない? 足はついてないんだよ」
レイは鎧が見えた状態が継続している。というか、俺も見えるようになってるぞ。これもゾンビの目じゃなくなってるからか? 『ヒロインの左腕』も、落ちてた時は見る事は出来なかったもんな。
鎧は青色で謎のマークが描かれている。胴体はまだないし、『ヒロインの左腕』があるからか、人が着るような鎧の形になっている。左腕に合う籠手までは鎧に含まれてなく、骨が剥き出しのままになっている。
鎧を視認出来たからって、重さは感じないまま。大蜥蜴の時とは違って、『ヒロインの左腕』も軽いんだよな。バットの羽ばたきで飛べそうだぞ。
「ふっ……足は飾りに過ぎない。これで万全な状態なんだ」
この状態で動けるなら、言ってみたい台詞なんだよな。決まっただろ!
「……右腕もないのに? それなら、私の方が凄いよね」
すぐに否定しなくても良いじゃないか? 右腕もないのは確かだし、宙に浮けるのはレイも一緒だけど、名言を言うのは男の浪漫でもあるんだからな。