何か思ってたのと違うんですけど
「……仕方ないだろ。『与骨』したのを無駄にしたくないし。俺が行くだけ無駄かもしれないけど、レイと草井さんが来てくれたら問題ないと思うんだけど」
今の俺の状態だと、パワーアップ前のカエルにも負けるような気がする。巻き込まれる形があるとして、俺が死んだ場合はレイ達もマイルームに戻るかもしれない。
「私の方も一人で相手するのは面倒なんだよ。どちらかは来て欲しいんだけど」
どちらかと言いながら、ご指名はレイだな。視線がそれを訴えてるぞ。
「そこは……草井さんでお願いします」
予想外の言葉にかおリンは本人のいる前で、『えっ!』と言ってしまってる。俺も大概だけど、かおリンはそれを嫌だとは言いにくくなったはず。草井さんは装備品から外れて、俺と一緒に戻る事はないはず……その代わりに狼男がいたとすれば最悪だけど。
「レイはポルターガイストで遠距離攻撃が出来るから、カエル達の援護に回れるだろ?」
言い分としては良いんじゃないか? かおリンもそこまで草井さんが嫌なわけがないだろうし。
「レイはどっちの方が……おい! 私を抱き締めるな。肌触りも気持ち悪いし、力も強いって!」
かおリンはレイに尋ねる前に、草井さんに拘束されてしまった。それも逃げられないよう両腕で抱き締める形だ。痛いという、臭いって顔をしてるんだけど。
取り敢えず、草井さんがレイを連れて行ってくれたので、俺とレイは鶏冠カエルがいる、もう一方の蜥蜴の部屋に向かった。T字路でかおリンと草井さんは右、俺とレイは左へ。真っ直ぐ進んで、角を曲がれば到着。カエルが飛び出せるよう水路も用意されている。
「MAPを見たら分かると思うんだけど、曲がったらすぐだから気をつけてよね。私は壁越しにポルターガイストを撃てるけど、ポン骨は戦闘に加わるんでしょ?」
待て待て。出来るなら、俺も壁越しで見るだけが良いんだけど。曲がり角まで着いたので、まずは鶏冠カエル達と蜥蜴の戦闘を様子見しよう。MAP状では黄色の点が次々と消えては、増えていく。かおリンの場合は赤だったのが、俺の場合は黄色になってるのは『与骨』した対象なんだろう。唯一『与骨』をされてない鶏冠カエルはまだ生きてるようで、赤い点が二つ並んでいた。
「どれどれ……出来るなら協力なしで倒して欲しいんだけ……ど」
見た光景はあまりのカエルの多さに驚いたのもあるけど、それ以上にかおリンと狼男が倒した蜥蜴よりも大きく、カエルを食べるたびにデカくなってるというか、姿が違ってないか?