実は魔界4:現実1
「あっ! 昨日と一昨日も急に消えるから、驚いたんだからね。プレイヤーって、そういう……あいた!」
レイは俺が急に消えた事を怒ってるみたいだけど、レイと草井さんがプレイヤーだとかおリンに勘違いしておいて欲しいから、不用意な言葉はバットの骨を器用に使って、口を塞がらしてもらった。
「突然消えた事は謝るけど、かおリンが言ったように、俺の許可もなく部屋に入れるのは止めてくれよ。」
『ゴメン! かおリンには俺とレイや草井さんが同じ存在と勘違いしておいて欲しいからさ』
『そうなんだね。……多分、ポン骨が来るまでの話でボロは出てないと思うんだけど』
レイに触れた事で普通に話すのと、レイにだけしか聴こえない方法を使った。人前で内緒話をする時、俺とレイの会話方法は助かる。まぁ……ボロが出ていたら、かおリンは俺に突っ込んでると思うから、大丈夫だと思っておこう。
「そんな事よりも……かおリンには言いたい事があるんだ! 本当は持ち込みたくないと思ったけど、かおリンが戻ってこなかったから、教室は微妙な空気になったんだからな。俺だけじゃなくて、天野さんも休憩時間に捜しに行ったんだぞ」
イベントまでかおリンと会う事はないと思ってたけど、天野さん、クラスメートがいる教室よりも、ここで話しておいた方がいいはずだよな? レイ達はちんぷんかんぷんな話かもしれないけど。
「ポン骨も捜してくれてたんだ? ゴメンゴメン。まぁ……明日からはちゃんと授業を受けるし、クラスの奴等とは声を掛けられたら普通に返すさ。今のところは」
「どういう心境の変化だよ。それと結局何処にいたんだ?」
「心境の変化というか……放課後にセシリアとある約束をしたんだよ。私が戻るまで待っていやがったからな。いた場所は……内緒だ」
放課後、天野さんは空凛さんが戻ってくるまで待ってるとか凄いな。しかも、セシリアと下の名前を呼ぶまでになってるなんて、どんな魔法を使ったのやら。その約束も気になるけど、隠れてた場所も教えてくれないんだったら、聞き出すのは無理だな。
「ポン骨はかおリンに用事があって、一人で捜しに行ってたの? それは時間が勿体なかったよね。結構な時間一緒にいたんだよ。二日ぐらいかな?」
……はっ? 俺が魔人天生を始めたのは三日前なんだけど? 画面から見る事が出来る時計も現実にリンクしてるはず。序章がベルセブの城の中だったのもあるけど、朝と夜とで空の色に変化がないとか……二、三日ってどのくらいの時間になるんだ?
「ああ……説明を飛ばしたな。ここだと朝や夜がないから把握出来ないよな。一日は六時間なんだよ。あっちの四分の一だな。魔界には時計もないから、こっちの時計で判断しないと駄目だから」
それぐらいの計算は俺にでも出来るから! 時間は連動してると思ったら、そんな仕組みになってたのかよ。という事は、レイとかおリンが二日ぐらい一緒にいたとすれば十二時間……
「学校にいた時間じゃないか!」