白騎士の正体?
「亜里沙! こっちで気を引いてあげてるのに、そんな大声出したら意味ないでしょ。ここは本当の図書室じゃないんだから」
愛毒が怒るのも無理ないよな。亜里沙さんが標的になってるのを外そうとしてるのに、大声を出す事で白騎士の狙いは変わってないから。
「そんな事言われても……本なのは変わらないですし」
亜里沙さんは怯えた感じは消えているような……もしかして、わざと大声を出してるとか? 自分を狙わせて、俺達の攻撃を当てれるように気を使ってる……こっちをチラチラと見てる気がするし。
「他に白騎士の動きを止めれる……じゃなくて、倒せそうな物は」
「MPの消費も考えてね。こんな場所だと同じ回数使えるかも分からないから」
俺もそうだけど、レイも自分のMPが分からないみたいだ。下手したら、ポルターガイストのMP消費量が違うかもしれない。
「あれだ! あれを持ち上げれば」
白騎士は倒れた本棚の乗り越えようと、その上に乗った。その本棚を起こしたら、バランスを崩すんじゃないか?
「あんな重い物なんて……倒すよりも楽かも」
本棚は本が抜けた事で軽くなったんだろうけど、白騎士の体重があるはずなんだけど……無意識なのか、レイの背中から黒の羽が出てくるから、強さが増したのかも。
「よし! バランスを……立て直すの!」
白騎士はバランスを崩し、後ろに倒れそうになったのを、剣を床に突き刺して、それを軸にバグ転をして立て直そうとしてる。
「させないわよ」
そこにまさかの愛毒が白騎士に体当たりを仕掛けた。剣を床に突き刺した事で切られる事がなく、反撃出来る態勢でもない。そう動いた一番の理由は亜里沙さんを助けるためなのかも? その本棚を乗り越えると、剣で届く範囲まで来ていたから。
「……あれ? 滅茶苦茶軽かった」
白騎士は愛毒の体当たりで床に激突。それによって、白騎士の兜は床に転がっていく。一応、白騎士の正体を確認するという目的は達成したんじゃないか?
「顔がないんだけど!」
愛毒は体当たりをして違和感があったようで、白騎士の正体を確認すると、顔が……頭の部分がない。そういう魔物は……デュラハン? 顔と胴体が離れてるけど、体当たりをして軽かったのならリビングアーマー? 幽霊の騎士番だな。鎧も幽霊みたいに重さがないとかで