夜のお誘い
「ああ……あの転校生の事でしょ。自己紹介で『私はスライム』発言は先生達の中にも話が出てたわ。同じ『魔人天生』仲間だから、私的には面白かったけど、ポン骨の手下になってたスライム『かおリン』がそうなのね」
……あれ? 自己紹介の話が職員室で話題になったのを聞いただけで、知り合いじゃない? イベントが始める前、かおリンから俺達の話を聞いててもおかしくないわけでし……話が脱線したな。これで用事が済んだら、阿久野の見舞いだ。それと毒島先生が何時からログイン出来るかも聞いておかないと。手下を増やすのを止めるのも手なんだけど、もう一回ぐらいは……
「そうなんですけど、毒島先生は何時からログイン出来るかなって? 今日のイベントは一回は参加したいけど、空凛さんが休みで、人数も増やしたいんですよ」
「人数? 貴方には……彼女は天使にやられてしまったわけ? プレイヤーじゃないと言ってたけど……」
彼女というのはレイの事だよな? 毒島先生はあの場所から離れたから、どんな状態なのか知らないんだ。レイも愛毒が参加したら、文句を言うかも……
「死んでないです。俺から生まれた『分身』が拐われて、条件があるんで、増やす事も出来ないから」
一度対戦したし、『人魔大戦』にも協力してもらうんだから、『分身』の特技ぐらいは話しても大丈夫だろ。
「そうなの……ログインねぇ……」
何? レイが嫌で協力拒否するなら、約束が違うぞ。レイがいる事を忘れていた?
「あっ! 彼女がいても、協力はするから安心して。そうじゃなくて……本当は愛毒の事を生徒達に内緒にしてもらうのだけが用事だったんだけど……今日の夜に……会う事は出来ない? 学校で……」
……えっ! それは現実で? 冗談でも嵌めようとした話をしたよね。今会うより、夜の学校で会いたいのは……誘惑以外ないと思うけど
「……やらしい事じゃないからね。この学校を調べたいというか……別の場所からVRで入れるのかな……」
言ってる意味が全然分からないんだけど? 学校を調べるって……毒島先生が何年目か知らないけど、別に夜じゃなくても良くないか? 俺を誘う理由って、毒島先生との共通点は『魔人天生』の『魔』をやってるぐらいでしょ?