不参加
「……あの、二人はいつの間にそんな親しく……ひっ!」
阿久野は周囲の視線と、天野さんに声を掛けられた事もあって、早口で質問を仕返した。それに対しての天野さんの返答は……背中が凍り付くような笑顔。
「ぷっ! その顔、面白過ぎだし、こいつの笑顔は怖いし。仲良くなるなんて……ないない」
空凛さんはそれを面白がってるけど、天野さんの笑顔よりましかも。その笑顔も阿久野から空凛さんへ移行してる。下手したら、脇腹にボディブロー? 背後から蹴りを入れるぐらいはするんじゃないか?
「教室で別々に話してくれた方が……親衛隊の方々を相手するのは面倒で」
周りには……親衛隊の皆様がいないのを確認。問題なのは天野親衛隊の方なのは内緒だぞ。
「残念だけど、早退するんだね。私だけじゃなく、真面目な天野さんも一緒にさ」
「一緒にしないでください。私と貴女とでは理由は別です。両親の都合で……私は直接先生方に伝えます。メンバーになったのに申し訳ないですが、今日のギルド戦、私は参加しません。それを伝えて欲しいんです。私がいなくても大丈夫ですよね」
「へっ? 参加しないんですか……いや……家の都合なら仕方ないですけど……勝ちます! 明日には……」
「貴女達が勝ち続けていれば」
阿久野は頑張って、セシリアがいる一軍に参加出来たのか。ギルド戦は二日あるみたいだな。昨日ログインしてなかったから、今日の個人戦の情報を見てないぞ。何時開始からなのかも
「というわけで、私も家の用事で不参加。ポン骨は不戦勝なわけ。開始は十九時。昨日ログインしてなかっただろ。携帯の方にも連絡が届くようになってるみたいだけど、レイと私で決めさせてもらったから。続けてもいいけど、負けるのは許さないから」
昨日までは参加するつもりはあったんだな。学校を休む理由が天野さんと一緒にするのは怪しいと思ったけど、前哨戦イベントに参加しないって事は『魔人天生』をするためじゃないって事だ。空凛さんに関しては…生活が不透明なんだよな。
「昨日は停電のせいで……十九時なのは構わないけど、負けるのは許さないとか脅さないでくれよ」
最初のかおリン戦は不戦勝になるわけだよな。負けたら、手下になるわけで……次の試合に参加自由なら、やってみたい。けど、その時に相手の数が増えてたら……