ダークエルフ大量発生
「また落下するのは……セーフ?」
外に出されたわけじゃないみたいだ。天井が見えて、そこから落下するかと思ったけど、天井にぶら下がってる装飾品? 無数にあるライトをかける骨組みの板に着地。衝撃も少なくて、骨にも影響がなかったのは良いけど……
「この下は……大量発生の場所じゃないか」
俺が転移したのは地下三階の大広間。地下五階の鎧がボスなら、地下三階には中ボスがいたかもしれない。そこにはゴーストではなく、人? じゃなくてエルフ? 『魔』に大量発生してるんだから、ダークエルフがいる。しかも、場所がそこまで広くないせいか、人数はそこまでいない。多すぎると満員電車に乗るみたいに胸やお尻に接触なんて……痴漢じゃないか!
「敵の数はそれほどでもなく、プレイヤー達は……全滅? もしくは誰も来てない?」
プレイヤーがダークエルフを倒してないから、増援が来てない? それでも時間経過で増えそうだし、???が出現すれば、敵味方関係なく倒していきそうなんだけど。
「かおリンの方が正解だったのかも……まだ気付かれてないようだし、時間まで待った方がいいかな……あれ?」
ダークエルフ達はプレイヤーもいないから、自由気ままに動いてるわけじゃなく、人数も編成され、統制されたように動かない。まるで指揮官でもいるみたいだ。そう考えると指揮官は一番奥? 地下二階と地下四階の階段があるんだから、指揮官を守るなら中央か?
「ここは上位のエルフが最初からいた? それだけの奴なら姿を見るだけで分かるはず……目の錯覚かな」
ダークエルフ達の中心に左腕が浮いてるんだけど! 『ヒロインの左腕』は俺の左腕に付いたままだぞ。別のが用意されていたにしても……骨じゃなく、肉付きだ。ダークエルフのように肌が焼けているわけじゃなく、真っ白。この場所か、魔物に共通する???が出現するんじゃなかったか? 『ヒロインの右腕』に変わったなら納得するかもだし、弓ならエルフに似合ってそうだけど……
「エルフ? セシリアの左腕が無くなってたけど……あれじゃないよな? 『魔』に体の一部が移動してるのはおかしいだろ」
サタリアが見せたかったのはあれか? けど、俺がセシリア、天野さんと知り合いだなんて知ってるわけないんだけど。