腐った×××
「そう? 街の人達が進化の話で素材がどうこう言ってたんだけど、ポン骨には関係なかった?」
おおっ! 進化の一部が情報公開されたのかな。掲示板も見れてなかったし、素材が必要なわけだな。スケルトンは俺だけだから、何の素材が必要かは自分で見つけないと。勿論、その中には魔物の素材もあるわけで……
「あるんだけど……キノコだもんな。それに泥の手と花だろ。どれも合わないような……意外な素材が必要かもしれないけど」
あっ! 勝手に草井さんが歩くキノコに接近。『歩タンゴと遭遇。歩タンゴはポン骨にまだ気付いてない』と。草井さんはパーティーというか、装備扱いだから、戦闘態勢に入ったのかも。歩くキノコの名前は歩タンゴとそのままだな。
草井さんは歩キノコに尻の一突き。鉄骨が歩キノコを簡単に貫いた。その後、半分に割けた事で歩キノコは動かなくなった。割けてくれなかったら、鉄骨に刺さったまま移動する事になったのかも。
「ハグハグ……いけるぞ」
草井さんは歩タンゴを食べ始めた。デビルドックの死体が消えるのもタイムラグがあった。それは食べる事も出来れば、素材として手に入れる事も可能。
「草井さん、俺も素材が欲しいから全部は食べないで……うおっ!」
草井さんの体からポコポコとキノコが生えてきた。これが進化じゃないだろうし、寄生されて体を乗っ取られる事になるとか……よりもだ! 鉄骨の中が空洞になってるのか、その穴から垂れ流されてるんだけど!
『一口キノコ』と『腐った×××』を発見と道具の名前が表示されたけど、×××は草井さんのう○こだろ! それが道具になるなんて……それを手に入れるのか? 肥料になったりするから進化に必要な物かも。
「ちょっと待て。あれを見てるって事は、私に拾えって事じゃないよね? 私はゴーストだから物に触れられないんだから。ポン骨が歯で挟めばいいじゃない」
レイも草井さんの×××を拾うのは嫌みたいだ。VRでも口に含むのは俺も絶対嫌だからな。ここは『手に入れる』という選択肢で、『補骨』で鉄骨が光の玉になったみたいに道具袋に入ってくれたらいいのに。
「それは無理! ×××は仕方ないから無視して……空中に浮いた? 入手の選択肢は出て来てないんだけど……それはちょっと……レイも避けてくれ」
×××が宙に浮かび、光の玉になれば良かったけど、形も変えないままに俺の方へ向かってくる。なのに、レイは避けてくれない。俺を盾にするつもりなのか?
「レイ! 俺を盾にする嫌がらせは止めて」
「違うんだよ。ポン骨が取れというから、気を取られたせいなんだから。人面樹に吸い込まれようとしてるんだよ。私を食べようとしたのはアイツなんだから」
レイはそう言って、人面樹が俺に見えるように回転した。確かに人面樹が大きく吸い込み、俺達は引き寄せられてる。レイを食べようとしてるんじゃなくて、目的は×××なのでは? その間にいるから巻き込まれてるだけで。