心霊写真ならぬ、心霊動画ですか?
「少し眩しいぐらいで大丈夫だろ。私のHPは減ってないしな。まぁ……あまりの輝きで、鏡みたいに私達を映してるけどな」
「いやいや! 見るべきところはそこ! 俺達は映り込んではいるけど」
俺の場合、MENU画面が開かないし、HPが減っていくのも確認出来ないのが怖いんだけど。それでも大丈夫かもと思う出来事というか……黄金の壁には俺達が映ってるのは間違ってないわけで、他にも人が何人も映ってるんだよ。こっちには誰もいないし、壁では俺達を無視して、通り過ぎていってるから。人の姿をしてるからゴースト? 野良魔物はいないはずだからNPCか? 足で壁に触れてみるけど、すり抜ける事はないし。心霊写真というか、心霊動画?
「いるね。何もしてこないし、景色の一部と思っていいんじゃないか? 武器を持ってる奴もいるけど、攻撃してくる事もないし、話し掛けてくる事もないだろ?」
ゴーストも一応は武器を持てたっけ? 俺が『ドクロの杖』になった時、レイは持ってたけど……人以外、獣人やエルフがいたら、『人』パックにも同じダンジョンがあって、表裏になってるかもと思う事も出来るんだけど……いないんだよなぁ……
「気にしても仕方ない。MAPは機能しないから、歩き回るしかないな。目印になるのがあればいいけど……コイツらの歩く先に行ってみるのもありか?」
今俺達が進めるルートには左右の選択肢がある。ゴースト? が向かう先とゴースト? が来てる方向。行く先にありそうなのは出口か……何かを探している?
「俺も賛成だけど……別行動と言わないから安心したかも。MAPも使えないなら、絶対迷子になるし。野良魔物がいなくても、罠がありそうだし」
野良魔物は大量発生でいないのは幸いだけど、それに安心して、罠に嵌まってしまうのは想像出来てしまう。特別な場所に、罠は必ず設置するだろ。宝探しの映画に、何も罠が無ければ全然面白くないのと一緒だな。
「……あれは罠だと思うか?」
ゴースト? が歩く先に、骨が一本置いてある。俺だけじゃなく、かおリンも見えてる。あの時は……レイしか見えなかったし、特別な骨ではないだろうけど……『補骨』しますか? という表示がないのは気になるぞ。




