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骨・骨・骨!  作者: マネージャー
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キャラメイク



「新入りが来たようね。魔界へようこそ。私は魔王のサタリアよ。まずは貴方の名前を教えて」



『魔人天生』をスタートとすると、最初に目に入ったのは映画やアニメで見た事があるような城にある謁見の間。その先には魔王サタリアと名乗る女性が玉座に座っている。黒い二つの角と燃えるような紅く長い髪、紅い瞳に黒のドレス。黒と紅を象徴している。



 サタリアはキャラメイクの進行役なのか、彼女の言葉の後、名前の入力のためにタッチパネルの画面へと切り替わった。その画面には薄くだけど、俺自身が映し出されている。



 名前か……(だい)って自分の名前を入れてもいいけど、ここは代=DIE(ダイ)にしたら格好いいんじゃないか? スケルトンを選ぶつもりだから、死人であるわけだし。



「DlE。厨二のような名前で、オリジナリティがないわね。貴方と同じ名前が何人もいるわ。それでも良いのかしら?」



 うっ……辛辣な言葉を言ってくるな。十万人もプレイヤーがいるんだから名前被りは仕方ないかもしれないけど……最初のスケルトンになるつもりだし、ここは妥協したくないな。それなら、『ポン骨』というのはどうだ? 骨という文字も入って、最強なのにポンコツと皮肉な感じが良い気がするんだけど……



「『ポン骨』に変えるのね。愛嬌があって良い感じ。これで良いのかしら? なら、次は種族を決めて貰うわ。貴方なら、これが似合うと思うのだけど」



 名前をポン骨で決定した後、次は種族決めだ。サタリアがオススメで示したのは『スケルトン』。名前に骨が入っていたので、判断したのかもしれない。勿論、『他の種族を選ぶ』という選択肢もあるけど、これと決めての名前だからね。



「私のチョイスを選んでくれるなんて褒めてあげるわ。『スケルトン』という事で、ポン骨の姿をトレースするわね」



 『魔人天生』の人パックでは自身の姿のままでゲームの世界に入る事も可能であり、別人となる事も出来る。『魔』の場合は、魔物や魔族の姿で、俺の体をトレースなんて意味がないと思うんだけど。



「はい。この姿はポン骨の骨の形を忠実に再現してるから。受肉すれば、人間だった時の君になるわ。カラーリングは変更可能だから安心しなさい。黒でも緑でも、黄金でも構わないわよ」



 俺の目の前に鏡が現れて、骨の姿を映し出した。病院で「肋骨が一本足りない」と言われた事があったけど、そこまで再現されている。色で判断するのは分かるけど、骨で誰かと判断するのは難しいと思うぞ。プレイヤー以外に野良魔物として、『魔』で選べる種族が存在するわけだし。



 野良魔物に紛れ込んで相手を騙すのも一つの手だし、ここはあえて色を変更するのは止めておこう。



「『白』のままで良いわけね。後からでも変更は可能だから覚えておくといいわ。次は初期パラメーターよ。『魔』の場合、最初から振り分けれるのではなく、私の質問に答えていく事で決定するの。後々の特技にも影響するから、楽しみにしておくといいわ」



 極振りとかを楽しむなら『人』パックという事かな? ……質問数五十とか結構多いぞ。種族によっても質問の種類が違ってくるのかもしれないな。



Q1 貴方が死んでから何年経ちましたか?


Q2 貴方の魂は体のどの部位に宿っていますか?


Q3 貴方が持つのは騎士の剣ですか? 魔法使いの杖?


Q4 貴方は奪う側ですか? 与える側ですか?


Q5 大勢の敵が現れた。貴方はどうする?

A 一人で無双する B 他の魔物を利用して戦う C 逃げる


Q6 貴方がライバルと思う魔物の種族を選べ


Q7 貴方が自然の一部であれば、どれを選ぶ?

A 火 B 水 C 雷 D 地 E 風


Q8 牢屋に閉じ込められた。脱出するためには?

A 力で牢を壊す B 器用に鍵を開ける C 柔軟に体をすり抜ける


Q11 迷宮のダンジョンの曲がり角で何かとぶつかった。それは一体何?

A 罠 B ゴーレム C 転校生


Q23 この四つで無くなればいい学校の行事は?

A 体育祭 B 学園祭 C 修学旅行 D テスト


Q31 貴方に彼女(彼氏) 既婚者がいますか?


Q50 実は『魔』よりも『人』パックが良かった?



 途中からアンケートも加わり、飛ばす事も可能だったけど律儀に入力した事で結構時間が掛かったな。その結果はこんな感じだ。



名前 ポン骨


種族 スケルトン


HP 300

MP 0

力 200

耐 300

速 150

魔力 0

器用さ 100

幸運 5


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


特技 精神耐性◎=毒、マヒ、眠り、洗脳等の精神攻撃が効きにくい


   補骨E=アイテムとして手に入れた骨を、自身の体に取り込める。ランクにより能力変化


   与骨E=自身の骨を他に与える。ランクにより能力が変化。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

装備


頭 なし

右手 なし

左手 なし

体 なし

その他 謎の首飾り(幸運値+20)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 騎士系にするつもりではいたけど、MPと魔力が0になるとは思わなかったな。けど、幸運値以外が滅茶苦茶高い。『人』のパラメーターの振り分けの数値は100だと載ってた。特技の方は『精神耐性◎』は使えるし、『補骨』は回復力手段なんだろう。『与骨』というのは仲間が出来た時にでも使うのか謎なんだけど、これって結構勝ち組の選択をしたんじゃないか? しかも、『スケルトン』は装備可能な魔物なのもお得だ。



「首飾りはアンケートに答えてくれた事へのプレゼントよ。これでキャラメイクは終了だけど、本当にこれでいいかしら? 」



 俺は頷くと、鏡に映る骨の体が光に包まれる。『魔人天生』の世界に移動開始のカウントダウンかもしれない。



「まずは序章からよ。それを攻略する事で、外への世界が広がるから」



 序章というのはチュートリアルの事だろうか? 今の状態だったらすぐに攻略出来るだろうと思ってたんだけど……

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