格好良い攻撃は一瞬で店仕舞いでした
「ポン骨! 身軽に動ける私達でゴブリンマージを倒しに行くぞ。北と南に一匹ずつ。杖を持った奴がそれだ。そうしないと簡単に全滅する。アイツ等が何人残ってるかも分からない状態だからな」
かおリンは迎撃するのを止めて、ゴブリンの頭の上を跳び回り、同士討ちを誘いながら移動してきた。こんな状態になると、プレイヤーの判断がつかない。けど、睡眠の効果範囲にプレイヤーは確実に一人いるわけで……二匹目のゴブリンマージは俺がいる場所周辺に使ってきた。けど、生憎『精神耐性◎』のお陰で滅多な事で効かないんだな。
「端にいるとか最悪なんだけど……たどり着くのは至難の技じゃないか」
MAPで敵を確認出来ないし、識別も無理。かおリンみたいにゴブリンの頭を踏み台に高く跳んでみる。ゴブ蔵が来ていたような黒マントを着た、目立つ奴が二匹。それを守るのと同時に、眠っているゴブリン達を狙う役割もあるみたいだ。俺にも矢が……届かず、下のゴブリンに降り注ぐ。そこまで命中率は高くないようだけど、寝てる相手だから問題ないのか。
「矢が降ってくる方向にマージがいるんだろ。私はゴブリンを盾として利用する。それと……プレイヤーの一人を言葉巧みにね」
かおリンは跳び回るのを止め、足元の方へ。背が低いから、ゴブリンの視界に入りにくい。それに降ってくる矢は、スライムよりも背が高いゴブリン達が先に突き刺さるわけだ。
俺も一応……獣型の骨の姿だから、ゴブリンよりも低い体勢ではあるけど……攻撃されるから。格好良い攻撃だったのはほんの少しだけ。武器を持ったゴブリンファイターが登場してからは回避一辺倒。隙間を駆け抜ける事で、俺を狙った攻撃は別のゴブリンに当たる。まぁ……かおリンと似たような感じだ。ここまで多くなると、一人に攻撃した途端に隙を突かれてしまう。
「こういうのも動画で見たお陰かもしれないな。それにしても……この状態で使える特技があれば、さっさと使ってると思うんだけど」
プレイヤーを騙した感じで言ってたけど……アイツ等は特技や手下を持つために来たわけで、ゴブ蔵と違って、普通のプレイヤー……
「意味深な事言ってたけど、ゴブ蔵を装備させるのかよ! 酷い事を思い付くよな」
ゴブリン撃退用、呪われた道具だと言って、プレイヤー達に触れないようにされたけど、言い方を変えたら秘密兵器だと思ってしまうかも。それをかおリンは上手く乗せたわけだ。
ゴブ蔵の頭の効果は敵の標的になりやすい。つまり、俺やかおリンは無視して、『ゴブ蔵の頭』所持者だけを狙うわけだ。
問題は何処まで届くか分からない事だったけど、ゴブリンマージでさえも魔法の範囲に入れるため、こちらに向かってくるぐらい。これは『与骨』の効果というべきなのか、ゴブ蔵の嫌われ具合だったら……




