またゴブリンかよ!
「もしかして……鎧が見えてるのか?」
「そういえば、見えない鎧だったな。首、手足が揃ってた事で認識出来るようになったんじゃないか?」
俺自身は最初から見えてたから、かおリンに指摘されないと分からなかった。まぁ……鎧が見えなくても、頭や足を隠せないからどっちでも良いんだよな。
「それが俺に乗る理由になるとは思えないけど……そうだ! かおリンに良い情報があるんだ。草井さんは穴を掘るのが得意みたいだから、罠を設置出来るような場所で、大量発生を経験するべきじゃないか?」
「そうなのか? 草井だけじゃなく、ポン骨も得意になっただろ。ここ掘れワンワンみたいな感じで」
「そうか! 今は犬の姿……じゃなくて、狼だから! いや……特技が増えてないのに結構楽に掘れるんだけど」
柔らかい土なら行けるぞ。ベルゼブの城の床も石じゃなかったから大丈夫だし、鎧塚も行けるのでは……っと、骨を発見したぞ! 犬の嗅覚もないのに良い感じじゃないか!
「骨……私が持ってる新しい骨はどうするんだ?」
これ以上『補骨』するのはどうなんだ? ゴブリンの鼻骨はパラメーターはマイナスになったし、組み合わせ次第で能力低下は頂けない。パラメーターも高いし、地味に『与骨』もしたくないかも。そうじゃないと命令を聞いてくれないんだけどさ。
「一応……『与骨』した時のために貰っておくけど……何の骨なんだ?」
土から出てきた骨は『××の骨』で謎だけど、かおリンが所持してるのが飛行系の魔物なら、バットの時みたいに翼を授けてくれるかも。魔物が大きければ、背中に生えてくれるかもしれないし。
「そこらへんに落ちてた物だから、何の骨かは知らないぞ。ゴブリンはウロチョロしてたような気はするけど」
ゴブリンって……ゴブリンの骨はもう十分だから。人型と獣型が今の状態で『補骨』したら、ケンタウロスみたいな感じに……ならない可能性もあるし。
「ゴブリンの大量発生にするか? 良い時間帯にあるんだけど。動きも動画で見てるし、罠に引っ掛かってくれそうじゃないか? ポン骨はゴブ蔵を倒したんだろ」
次の次……三時間後にゴブリン大量発生が始まる。ゴブ蔵と遭遇した山じゃなく、『仲間の森』という場所だな。立て札にもシンリーから西の矢印にクロスという街があって、その中間に『仲間の森』が書かれてる。仲間って……集団でいる魔物達が出現しやすい場所なのか? ゴブ蔵がいた山とは反対方向になるんだけど、ゴブリンの出現率が高いな。




