与骨の効果発動?
「Yes、Yes! ここは『補骨』の選択だろ。違う! 『与骨』じゃないんだ」
『補骨』にすれば、デビルドッグの死体と合体、それとも、レイが『鉄骨』を触れたら、再度装備品になるかもしれなかったのに、『与骨』の選択肢が後から出てきたもんだから、そっちの『Yes』を選んだ形になってしまった。
「何を『与骨』するんだよ。出来るなら、折れた角を選ばせてくれ。もしくは、右手と一緒にレイもあげるから」
そんな事言っても、デビルドッグに届くわけもないのに……って、仲間割れ?
一匹のデビルドッグが俺を口に入れようとしてたのに、反転して、仲間のデビルドッグを噛み千切った。よく見ると、助けてくれたデビルドッグは他よりも少し逞しく、威嚇する事で他を撤退させてくれた。
「何が起きたんだ? 『与骨』を選んでしまったはずなんだけど……やっぱり、食べるつもりなのかよ! ……あれ?」
助けてくれたのは独り占めするためか! というわけではなく、レイがいる場所まで運んでくれた後、何処かへ立ち去って行った。
『協力を使用した事で、与骨が強化されました。骨が返された事で、欠けた骨は修復。デビルドッグEとの関係は解消されます』
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与骨D……与骨した骨が魔物を強化する程、影響を与えた場合、一時的に協力関係を手にする事が出来る(目の届く範囲)返却された場合、回復アイテムとして使用されるが、能力が戻ってくる事はない。
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「おおっ! 『与骨』にそんな効果があるなんて。序章はやっぱり、チュートリアルの役割なんだな。これを使って、ベルゼブを倒すわけだ」
『与骨』が勝手に発動したのも、使い方を説明するためだな。強い骨を与えれば、一定期間仲間にする事が出来るわけだ。『補骨』は自分の強化、もしくは武器になり、『与骨』は仲間を増やす。まだ『与骨』したデビルドッグがいるわけで、全てを集めたら、ベルゼブを倒せるかも。
「うぇ……気持ち悪かった。ちょっと、ヨダレでベタベタで触りたくないんだけど。舐めたら回復するとしても、私はそんな事しないよ」
レイはようやく酔いつぶれから立ち直ったと思ったら、いきなり罵声を投げてきた。そういえば、『欠けた骨が回復』と説明があったけど、『与骨』した骨が返された時、回復するようだ。あの時、助かりたい一心だったから、協力関係にあったデビルドッグが回復として返してくれたのかも。




