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私の天職

作者: M.I

 私にとって、これが何度目のハローワーク通いになるのか、もう正確にはわからない。そんな事が自慢になる訳でもないのだが。私だって、いつもハローワークに通うのは、これで終わりにしようと思っているのだ。ただ一ついえる事は、絶対にこれで終わりにするというような、確信に満ちた言葉は、言う事ができないという事である。

 今迄の人生に於いて、短期間で終わった勤めやアルバイトなども全て含めると、三十ヵ所以上で働いてきた事は確かだと思う。それ以上には忘れてしまっているところも、いくつかはあるだろうと思う。中には忘れてしまいたい所というものも確かにある。

世間一般の人から言わせれば、ただの言い訳だと言われるであろうが、私の思いとしては、今に至るまで、自分の天職と思える仕事に巡りあえていないのだろうという気もしている。天職に就ける人なんか殆どいないとか、そんなのは夢に過ぎず、誰もが我慢しながら仕事に就いているのだという考えも多い。確かにそうかもしれないと私も思う。

ことわざにも「好きこそ物の上手なれ」とあるように、本当に好きな仕事に就いてこそ、本人にも、また周囲にも、最も幸せな形態が作れるのではないだろうかと思う。

 そしてそこには、もしかすると有り得るのかもしれない、転生という出来事もかかわってくる場合もあるのかもしれないと考えることがある。前世に於いて他の人よりも長い時間その仕事に就いて、自分の技を極める為に努力をしていた事が、生まれ変わった今生に於いても生かされるという事は、極めて合理的な出来事なのかもしれないのだから。

 もし、そんなことがあるのなら、私自身の前世で就いていた仕事は何であるのか知りたいし、できるならば、その仕事に再び就いてみたいと思う。

ただ、既に人生の半ばを過ぎてしまった今からでは、今更天職に就くのは、少しもったいないないような気もしてくる。

そこで最近は、来世でこそは、初めから天職に巡り合って、その道で大きな業績を残したいものだと、密かに考えている。

 今生での残された時間は無駄なのかと言えば、そうは思いたくはない。今生で、これからでも天職と巡り逢うなら、それは嬉しい事として全うするのは当然の事として、たとえ巡り逢うことが出来ないとしても、苦しみながらでも身に付けた経験というものは、私という人間の幅を広げ、いずれ迎えるかもしれない、次の人生の力になってくれるものと信じたい。

 私の天職探しは、今日も続く。いつまでも。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 色々考えているようでいて、具体性が無い辺りに皮肉がきいている。 [気になる点] 今世での天職探しは、半ばあきらめてしまっているのだろうか? けれど、形だけ続けているような。 [一言] あけ…
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