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自称!平凡魔族の英雄ライフ~B級魔族なのにチートダンジョンを作ってしまった結果~  作者: あまうい白一
第一章

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第33話 沢山の情報入手

 城に戻ってすぐ、リザはソフィアやユキノ達と共に、超特進クラスに備え付けられている医務室に駆け込んだのだが、

 

「さて、治療完了!」


 ものの数分で、リザだけそこから出て来た。

 元気な足取りで俺の元まで歩いてきている。


「治療、早いですね」

「スタッフが優秀だからね。あとサポート用の魔法で、思いっきり治療を進めたから。祝勝会の準備もしたかったし、早くしなきゃと思ってさ」

「祝勝会、ですか?」


 そんな事をやるなんて初耳だが、何に対する勝利の祝いなんだろうか。 

 そう思って聞くと、リザはこちらの体をぽんぽんと叩いてきた。


「もちろん、クロノの勝利に対して、だよ。ダンジョンで生態型の遺産を倒した時は超特進クラスの食堂に集まって、皆で勝ち残ったことに対するお祝いをするんだ。大体が強敵で、協力して倒す事が多いからね」

「そうなんですか」

「まあ、今回は特にクロノの大活躍でどうにかしてもらったわけでね。クロノも参加してくれると嬉しいな。美味しいものも一杯出るよ!」

「ああ、はい。タダメシが食えるなら参加しますよ」


 美味いものが食えるなら大歓迎だ。特に今回は動いて体力も消耗したし、空腹度合いも中々だからちょうどいい。


「良かった。じゃあ準備はするけど、――その前にそれを鑑定しなきゃね」


 リザはそう言って、円卓の上に置いてある竜のコアを見た。


「ああ、そうですね。忘れてました」


 怪我人を医務室に放り込む事を優先していたので、つい鑑定を後回しにしていた。


「ふふ、後回しにしてくれた方が鑑定結果をリアルタイムで追えるから私も嬉しいよ。待ってて、今装置を動かすから」


 そうしてリザはにこにこしながら、鑑定装置を操作していく。 


「なんだか楽しそうですね」

「そりゃそうだよー。中々見つからなかった二代目魔王のお宝が手に入ったんだよ! あの、完璧主義者で、絶大な効果を持つ遺産しか許さなかった魔王のお宝が。そりゃ、楽しくなるってものだよ」


 口調もやけにテンションが高い。リザは好奇心が旺盛というか、新しい知識を得ることにワクワクするタイプなのかもしれないな。

 そう思っている内に、鑑定装置の台座が動き出した。

 

「さ、どうぞ、クロノ。準備万端だよ」

「では、入れますね」


 俺は竜のコアを鑑定装置の台座にゆっくり置いた。

 するとそのまま、竜のコアが光に包まれていく。


 そして、数秒後、装置下部のスリットから結果を記した紙が出てくる。

 そこに記されていたのは、


『商品名:暴食竜のコア+融合破損した打ち消しのタクト 種別:生体融合品 特殊能力:竜種の生産 査定額:七千万ゴールド』


 色々と驚くべき情報だった。


「……」

「……」


 俺はリザと一緒に紙を見た後、お互いの顔を見合わせた。


「……あの、リザさん」

「ええと、なにかな、クロノ」

「凄い鑑定額が出てるのは嬉しいんですが、同時に凄く嫌な文字が見えてるんですけど。この鑑定機って、遺産の状態も鑑定してくれるんですかね」


 首を横に振ってくれる事を祈りながら問いかけてみたのだが、リザは見事に首を縦に振ってくれた。


「その通りだねえ。壊れているか壊れていないかは重要な情報だから、しっかりと、間違いなく、ほぼ確実に鑑定してくれるね。不明とか出る事はあるけど、出た結果に誤りはないよ」


 念を押すようにして言われたよ。

 ということは、この表記に間違いはないようだ。


「これが、打ち消しのタクトだったのか」


 水晶の球体を串刺しにしている木の棒が、そんな大層な代物だとは思わなかった。

 何せ、最初はただのゴミかと思った位には、何の変哲もない木の棒だったんだから。


「なんでこんな状態になってるんですかね……」

「多分、暴食竜がダンジョンを食い漁っている時に、どこかの部屋にあったタクトも一緒に食べちゃったんだろうね」

「あの、魔王の遺産って相当強固なんですよね? だったら、そのままの形で出てきてもいいと思うんですが。融合破損って意味がわからないんですけど」

「私も初めて目にする状態だからなあ。多分、食べられて消化されかけた感じなのかなって思うけれど。それで、破損扱いされているのかもね」


 俺は打ち消しのタクトと融合されている竜のコアを改めて握りしめる。

 そしてタクトをぐいぐい引っ張ったのだが、抜ける気配は全然ない。

 

 いっそぶっ壊してタクトだけ取りだそうかとも思ったが、魔王の遺産は強固だし、俺の力で砕けるかどうかは未知数だ。


 もっと言えば、無理にぶっ壊して更に破損させることになったら目も当てられないし。


「これ、どうにか直せないですかね」


 現状だとどうしようもないのだが、それでも何か分離させる装置やアイテムなどは無いだろうか。そう思って呟くと、リザはすぐに答えをくれた。


「直せるか、直せないかで行ったら、直せる確率の方が高いと思うよ?」

「え、マジですか?」

「うん、ホントホント。修理が得意だった魔王は何人かいるから、そのダンジョンの資料をあさればチャンスはあるし。十代目魔王とか遺産の分解と修理ばかりやっていたらしいし」

「では、次の目的地はそっちのダンジョンですかね……」


 また、新しく潜る先が出来た。

 しばらくは十代目のダンジョンに潜ることになるようだ。


「ま、まあまあ、お宝を持って帰ってこれたのは事実なんだからさ。喜ぼうよ!」

「……確かに、宝そのものは見つかりましたし、一歩進んだのは事実ですからね。喜びましょうか」


 今回もダンジョンでも収穫を得られて何よりだったし。

 一応、目的のモノを取れたのだから、良しとすることにしたよ。


ブクマ、評価、感想など、とても力になっております!

本当にありがとうございます。

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