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自称!平凡魔族の英雄ライフ~B級魔族なのにチートダンジョンを作ってしまった結果~  作者: あまうい白一
第四章

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13話 昔馴染の装備

ソフィアやユキノと朝食を共にし、宿を離れた後。

 俺は、イージスが指定した場所――迷宮都市の西にある庭付きの豪邸の前に来ていた。


 目の前には両開きで開け放たれた綺麗な鉄門と、しっかりと整備された庭園が広がっている。

 その奥には巨大な屋敷が見えており、


「ここもデカいな……。迷宮都市はこういうのばっかりなのかな」


 と、門の前でそんな事を呟いていると、


「クロノ君ー。こっちだ。入って来てくれたまえ」


 既に庭に出ていたらしいイージスが、庭の中央で手招きしながら声をかけてきた。


「自宅まで来てもらって悪いね」

「いえ、別に構いませんよ」

「はは、そう言ってくれると有り難いが、構わないついでに、もう少しだけ。向こうの蔵まで一緒に歩いてくれると嬉しいな。そこにしまってあるんだ」

「あ、はい。了解っす」


 俺はイージスに連れられて庭園の奥へと進む。

 綺麗に整備された花壇や生け垣に挟まれた道を歩く事、しばらく。


「ここだね」


 がっちりと幾つもの鍵の掛けられた門扉が目立つ蔵の前にたどり着いた。


「庭の入り口とは比べものにならないくらい、随分と厳重な戸締りがしてありますね……」

「まあ、大切なモノが入っているからね」

「そんなモノが入っている中に、ウチの爺さんたちからの預かりものを入れちゃってよかったんですかね」

「逆だよ逆。君のご家族から預かったものだから、ここに入れているのさ」

「はあ……」


 そんな会話をしているうちの、イージスが蔵のカギを全て解除し、扉を開いた。

 すると、自動的に中に明かりがつく。


「それじゃちょっと取って来るよ」

 

 そして再びイージスは蔵の中に入っていく。

 中はやはり外から見る以上に広く、何となく魔王城の魔王の遺産保管庫みたいな仕組みだ。

 

 意外と色々な所に魔王城と同じ技術が使われているのか、と思いつつ、ふと気になった事を俺は蔵の入り口付近の棚を見ているイージスに尋ねる。


「そういえば、昼に渡してほしい物ってなんですかね……? 昨日考えたんですが、あんまり思い当たらなくて」

「そうかい? 見れば思い出す、と君のご家族は仰っていたけれども……っと、ここだったな」


 喋りながらイージスが棚から一つの箱を取り出した。

 彼女が腕で一抱えにする程度の大きさの、木箱だ。


 イージスはそのまま俺の元まで箱を運んで来てくれて、


「ほら、ここを見てくれ、クロノ君」


 地面に置いた箱の上表面を指さした。

 見ればそこには、白い張り紙がなされており、


『太陽光の下で開ける事。守らなきゃ爆発』


 という墨色の文字が書かれていた。


「この筆文字は……隣の家の陰陽術を研究してた爺さんが書いた奴ですね……」


 筆で適当な紙に文字を書いて『式神』とかいう召喚獣を生み出して、俺の遊び相手にして貰った記憶がある。


「おお、そうなのかい? 私が受け取った時は既にこうなっていたからね。だから、明るいうちに来てもらったんだよ」

「だとしたら、明るいうちに来てよかったですね。出ないと、本当にこの文字の通りに爆発してたでしょうから。……いや、なんか危険物を持たせてしまってすみません」

「あはは……気にしないでくれ。あの方々のやりそうなことだと思うからね」


 イージスが笑って許してくれるからいいものの、一応、手紙が何かで注意した方が良いかもしれないな。

 

 ……まあ、それはおいおい考えるとして、何が来たんだろうな。

 

 張り紙を取り除いた俺は、おもむろに箱に手を掛ける。

 開け口は横についているので、そこに指を引っかけ、一応、トラップが仕掛けられてないか慎重に確認した後、開けた。

 

 すると、その中に入っていたのは、

 

「これは…………」


 クッションで包まれた、黒い闇色で出来たリングだ。

 光など一切通さない程の黒で出来た円形の一部には切れ目があり、ブレスレットとしても使えるようなものだ。

 そして、このリングの名称を俺は知っており、


「……『闇光の型』か」


 呟くと、隣のイージスも頷いた。


「ああ、やっぱり知っているものだったんだね」

「ええ、……うん、やっぱり『闇光の型だ』。懐かしいな。俺が昔、故郷で便利な七つ道具として使っていた物ですよ」

「七つ道具として? ええと、それはどういう」

「これは俺が魔力を流すことで様々な一定の形に変化するんです。例えば……この状態でも出来るかな」


 俺は箱から『闇光の型』を取り出し、手のひらの上に乗せた。

 漆黒の闇色をしたリングだ。

 

 ……確かに、これを夜に渡されたら、見えなくて困ったから、昼まで正解だったな。

 

 そんな事を思いながら、


「『斬光……』」


 俺は一言呟いた。

 すると、リング状だった『闇光の型』はうにょうにょと形を変えはじめ、ほんの数瞬でナイフ状になった。

 

「うん、まあ、装備しないとこの程度しか変わりませんが。形が変化するんですよ」


 言いながら見せると、イージスは感嘆の息を吐いた。


「ほお……なるほど。取り扱いがとても難しい、変化する汎用武器と聞いていたけど……君は七つ道具扱いをしていたんだねえ」

「ええ、確かに扱いは難しくて、大規模な変化を起こそうとすると、かなり難度が高かったですね。爺さんたちボコボコになるまで使い方は叩き込まれましたけど。一度慣れてしまえば、ある程度は使いこなせたんで。まあ、その後、便利過ぎて他がおろそかになるって言われて、爺さんたちに取り上げられましたけど」

「ボコボコにされるような要素、これにあるのかい? 喋って魔力を流したら形が変わったように見えたけど」


 イージスの質問はもっともだと思う。

 確かに、やったことと見せた事はそれだけだが。


「この『闇光の型』はですね。装備しないとまともに動かないんですよ」

「うむ? つまり先ほどのナイフへの変化は通常の起動ではないと?」

「そうです。必要に応じて、形を変えて。またその形を『型』として登録する事で、本当に沢山のモノに変化させることが出来るんですが……その『型』は腕に取り付けた状態じゃないと、まともに起動しないんです。さっきの『斬光』も、本来はもっと大きな変化をするんですが、装備しないと、ナイフ一本程度にしかならなかったり」

「ふむう……なるほどね。……装備は出来そうなのかい?」


 言われ、リングを見る。


「まあ、多分行けると思います」


 子供の頃には何度も付けたもので、今は身体も成長しているとはいえ、このリングの大きさならば、上手く嵌められると思う。ただ、気になる点はあって、


「しかし……なんか、昔よりも綺麗になっているというか。昔見たのは、もう少しゴテゴテっとしたものだったような気がするんですよね」


 そう。昔はもっと鎖のようなものが巻き付いていたり、紙が一部に巻かれていた記憶があるのだ。それが無いので、違和感があったのだが、 


「何でも、整備をしたそうだよ。今の君の体格に合わせられるようにね」


 イージスのセリフで、違和感が大分ほぐれた。


「爺さんたち、そんな事をしてくれてたんですねえ」


 まあ、今頃になって送ってきたものだし、気遣いをしてくれたのだろう。

 そう思いながら、俺はリングを自分の手首につける。すると、

 

 ――ィ

 

 という耳を何かがかすめるような音が響いた。

 それと共に、光を通さぬ闇色が手首にブワッと広がった。

 

 ただ、その闇色は、ほんの一瞬ほどで広がりを止め、元のリング状の形にすごすごと戻っていく。

 そして、最初の形であるリング状に戻った『闇光の型』は、

 

『起動承認:クロノ・アルコン』


 そんな文字を、リング表面に白色の光で描いた。

 昔も見た事がある、装備完了の文字だ。


「うん、装備できたっぽいですね」


 腕を振ってもずり落ちたりしない。

 完全に装備完了したみたいだ、と俺が改めてイージスに向き直ると、 

 

「なるほど……問題なく、付けられたんだね」


 彼女は目を見開いていた。

 明らかに、驚いている。


「イージスさん? どうかしましたか?」


 何か驚く要素があったのだろうか、と彼女に尋ねると、


「いや、……とても良かったと、そう思ってね。なんでも……『友人がいないと付けられない魔法を仕込んでるんだ!』、とか君のご家族や、三角帽子を被ったご老人が言っていたからね」


 後出しながら、そんな条件を言ってきた。


「……三角帽子ってことは、魔術系の爺さんたちだな……! なんでそんな微妙な仕込みをしてるんだ、あの人たちは……!!」

「友人がいないと、その道具を使ったときに見てくれる人がいないからだって仰ってたね。『折角、ワシたちの努力の結晶なのに、クロノは便利な拾得ナイフくらいの感想しかくれんし……』とか拗ねつつね」

「子供か、あの爺さん婆さん共は……!!」


 なんだか、今回の旅行で爺さんたちの変な魔法に関わる機会が多い気がするぞ。これはマジでさっさと手紙でも出しておいた方が良い気がしてきた。

 ただ、まあ、そういう変な魔法についてはともかく、便利な装備を送って来てくれた事だけは確かだ。

 

 そこは感謝すべきところだ。なので、

 

「うん、ありがとうございます、イージスさん」

「いやいや、私はただ荷物を届けただけだから。お礼はご家族に言った方が良いと思うよ」

「では、今度手紙を書こうかと思います。色々と言いたい事もありますし。ただまあ、手紙がどのタイミングで届くかは分からないのですが」

「ふふ、その時は、私がまた君の故郷に行った時に伝えておくさ」


 イージスは微笑しながら言って来る。

 荷物を届けてくれたばかりか、こちらからのメッセージまで伝えてくれようとするとは。本当に良い人だ。

 

 そんな事を思いながら、俺もイージスにつられて微笑んでいた。

 その時だ。


 ――キーン

  

 と、大きな音が響いた

 


「……? 何の音ですかね」


 いきなりの音に、俺は耳を押さえながら辺りを見渡した。

 聞いた事が無い音だったからだ。


 一体どこから、と思っていると、


「ああ、あれは、エンターマイン中継の宣伝が始まった音だね。ほら、あそこだよ」


 イージスが空を指さした。

 見ればそこには、大きい白い板がふわふわと浮かんでいた。

 更に、その板にはエンターマインの表層部の一部が投影されていて、


「さあ、さあ! ついにやってきました。本日はダンジョン早解き競争の日です」

 

 そんなアナウンスの声まで響いていた。


「エンターマイン中継って、なんですか?」

「うん。迷宮都市のイベントの一つに、皆で同じくらいの難易度のダンジョンに潜って、誰が一番早く攻略できたか競争をするものがあるんだ。早解き(タイムアタック)って奴だね。で、あの中継で出場する人たちの表情を確認するためのものさ」


 そういえば、旅行ガイドにそんな風な事が書いてあった気がする。

 迷宮都市の名物に、早解き競争がある、と。


「あとは、攻略後の花火を映すためのものでもあって、街のどこからでも、綺麗な花火を見れるようにって市長が取り入れたんだ」

「はあ、そんな事までしてるんですねえ」


 イージスの説明を聞いて、迷宮都市のサービスっぷりに感心している最中にもアナウンスは続いており、


『本日は、ダンジョンチャンプ――怪力の鋼鬼・イージスによるエキシビションの後に、本戦が行われます。まだまだ参加を受け付けていますので、参加希望の方は、運営の方にお越しくださいませ! 開始まで今しばし、お待ちを!』


 それだけ言うと、中継映像はぷつん、と切れた。

 残るはふわふわと浮かぶ白い板だけだが、それを見ながら俺は隣のイージスに声をかける。


「ダンジョンチャンプの他に、怪力の鋼鬼ってあだ名がついているんですね、イージスさん」

「はは、まあ、力が強いのは鋼鬼の特性の一つだからね。その中でも特に、私は強い方だったし。お陰で、この迷宮都市のダンジョン早解き競争で役立っているくらいにはさ」


 イージスは腰もとの金属製の棍棒をぽんぽんと叩きながら苦笑する。

 確かにそんな棍棒を武器にしているのだから、かなりのパワーの持ち主なのだろう。しかし、そんな彼女は競争の前にエキシビションをやるとか何とか言っていたけれども、


「エキシビション何をやるんです?」


 聞くと、イージスはエンターマインを指さした。


「ああ、今回はエンターマインの山頂付近にあるダンジョンで一回、一人でタイムアタックをするんだ。それで、こんな形で攻略した事が示されるよって感じで攻略花火を打ち上げる目的があるんだよね。先に一つダンジョンを攻略して、体力を消耗するのがハンデみたいなものになるっていう理由もあるんだけどさ」

「競争前にハンデとか大変ですね」

「はは、もう慣れたよ。何十年もここでチャンプをやってるんだからね」


 頬を掻きながら言ったあと、イージスはエンターマインから俺に視線を映した。


「クロノ君も、これから街中のお祭りにいくんだろう?」

「ええ。皆と一緒に街を回りながら楽しむつもりです」

「それは良い事だ。私のエキシビションなども映るだろうから、よければ見てくれ。スポーツ観戦のような感じで、多少はお酒の肴になるし、騒げるとは思うからさ」

「おおー。了解っす。楽しみにしてます」


 祭りでスポーツを観戦しながら、飲み食いするとか、初めての経験過ぎるし。かなりワクワクしてきた。そう思いながら気持ちを伝えると、イージスは再び微笑を浮かべた。


「ふふ、君からそう言って貰えると力になるね。私はクロノ君を見送った後、現地に向かうとするよ。今日は、来てくれてありがとう、クロノ君。あとは、迷宮都市の祭りを楽しんでくれたまえ」「はい!」


 そう言って、イージスは俺の事を自宅から送り出した後、エンダーマインの方へと歩いていくのだった。




 エキシビション前の中継が終わった後。

 

「さて、今回のエキシビション用ダンジョンは、この辺りでしたね」


 ノルグはエンターマインに登っていた。

 それというのも、イージスが潜る場所の安全確認、ダンジョンからモンスターが発生してないかの見回り、そして簡単な清掃のためである。

 

 ……これから、本格的に中継器でエンダーマイン表層部を映していくことになりますからね。

 

 映るのは、表層部だけでも、ゴミがひとつでも落ちていると何となくいい気分で見れなくなる

 

 綺麗な山で一生懸命にダンジョンをクリアして、そして花火が打ち上がる様が美しいのだから、そう言った邪魔な要素は排除するに限る。

 

 ゴミ拾いを兼ねて、最終確認はしておいて損はない。

 そう思って毎年のように行っている事だった。

 だから今年もノルグは丁寧に周囲を確認しながらエンターマインを登っていた。

 

 そして彼が山の七合目当たりにたどり着いた時、


「どうだった?」


 声が聞こえた。

 やや低めだが、男性の声だろうか。

 

 ……この時間帯は一応、お客さんの立ち入りは遠慮して貰っている筈なのですが……。

 

 エキシビションを控え、ダンジョンに挑戦する人も一旦退いて貰っている。

 

 それはつまり、いくつものダンジョンが未攻略のまま保持してあるという状態であり、そこからモンスターが出てくる可能性が上がっているという事でもある。

 

 だからこそ、確率は高くないとはいえ、安全性を優先させるために、一般客には近寄らないように言っているのだ。けれど、

 

 ……まだ残っている人がいるのだろうか。


 とはいえ、周囲には人の影は見えない。

 もしかしたら気のせいかも、と思った矢先 


「私が示した通りだったろう?」


 もう一度小さな声がした。

 確実に誰かいる。 

 血の気の多いタイプのヒトが、早くダンジョンに入ろうとしてフライングしているならまだマシだけれども。そうでないなら良くない。そう思って、

 

「もしもし。どなたかいらっしゃるのですか?」


 自分も声を飛ばす。

 けれど、返答はない。

 代わりにぼそぼそとした呟きだけがどこかから聞こえる。

 

「無理に力を抑え込んで、堪えるなんてこと、もうしなくていいんだ。思う存分、動けばいいんだからね。だから……ちょっとだけ手助けを差し上げよう。ああ、いらないとか、言わないでくれ。これは、私からの餞別だ。君が存分に動くための意思のようなものだ」


 今回の口数は多かった。

 見つからなかったら気配探知強化の道具を使おうと思ったがその必要はないようだ。

 

 ……喋りつづける間、声の方向を確かめる事が出来ましたからね。

 

 声は、エンターマインの山頂近くからした。

 機械でゴツゴツした部分で影が多い場所だ。

 

 ……この辺りの筈……。

 

 そのままノルグは周囲を見渡しながら、山頂付近を捜す。すると、そこには

 

「君がしたいと思わなくても、溜まった力は別のようだよ。だから、抑えようだなんて考えずに、動くと良いさ。一回だけでいいから、思い切りね」

 

 想像通り若い顔立ちの男性がいた。

 エンターマインの路面に触れながら、ぶつぶつと呟いている。


 独り言にしては長く喋っている。

 回りにヒトはいないから、契約した精霊とでも話しているんだろうか。

 

 ……精霊術士の攻略者……? いえ、でも、見た感じ、戦闘用の装備はしていないですね。

 

 不思議な雰囲気の青年だけれども、血気盛んなダンジョン挑戦者には見えない。 

 

 ……むう、お客さんだったら、このまま放置しておくのは、良くないですな。

 

 一応声掛けはしておこう。

 そう思って、


「君、君。そこで何をしているのですかな。その辺りはダンジョンの入り口が近いから、モンスターが出てきた時、危ないですよ?」


 声をかけた。

 すると、青年はすっくと立ちあがり、こちらを細めた目で見てきた後、 

 

「ああ、どうも。すみません」


 こちらに対して一礼した。


「いや、謝る必要はないですが、戦闘用の装備をしていない方は今は街にいた方がいいかと」

「そうですね。もう用件はすんだので、そうさせて貰います」


 その青年は、そう言うなり街の方を見た。

 そして歩きだそうとしていたが、こちらが瞬きを幾つかしたタイミングで、

 

「ん?」


 青年の姿が目の前から消えた。


「消えた?」


 目を擦って見渡すが、


「……いない?」


 周りに、似たような姿はない。

 この辺りの光が薄いとはいえ、人影を見逃すほどではないし。

 気配探知を強化しても……

 

「完全にいませんね、これ」


 道具を使い、周囲数十メートルに渡って気配探知出来るようになっても、引っ掛かる存在はいなかった。


 ……うーむ、こんなにすぐさま消えてしまうとは。あの青年、霊体か、精霊系の種族だったのですかな……?

 

 その割には、魔力を感じなかったけれども。

 魔法を使っていた気配すら無かったし。

 

「……何だったのやら分からないですが。まあ……この辺りからヒトが帰ったのであれば、良いとして。とりあえずは、私は私の仕事をしなければ」


 そうして、ノルグは山頂まで登り、イージスが潜る予定のダンジョンの存続と様子を確認してから、街へと戻るのだった。

 

 現時点でエキシビション続行可能、との連絡をする為に。


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