星のこと
カフェインを摂れば
どうにかなると思ってる胃を
服の上から撫でて
なんとなく
寝付けない夜を
やり過ごして
星のことを考えている
窓は思った以上に
厚くて
カーテンは
開き直り
光を通すから
呆れ返りながら僕は
背中に感じる
床の冷たさに
行ったこともない
星を感じてる
それは
きっと
ちょうどいい温度なんかじゃなくて
煮えたぎった熱さを
隠していたり
尖った冷たさに
覆われていたりしながら
僕を拒絶して
そういうものさ、と言いながら
長々と
僕の上にあるんだろう
楽観的な胃に
流し込んだブラックコーヒーが
冴えざえと主張して
なんとなく
眠りたくない夜を
持て余して
どうにもならない
星のことを考えている
漂っている星屑が
否応なしに流れて
背負わされた願いを
聞き入る間もなく
消えていく
それは
きっと
ちょうどいい形なんかじゃなくて
ちょうどいい場所には程遠くて
小さくて
頼りなくて
そのくせ
僕を拒絶したまま
明るくなんかない気持ちで
淡々と
僕の上を降るんだろう
僕の部屋の床は硬くて
窓ガラスは厚すぎて
カーテンは薄っぺらいから
こんなに
遠くで
星のことを考えている
聞き入れられない願いなら
軽々しく口にできるよ
僕は
あの流れ星を守る星になりたい