君が隣に居ないと…(200文字小説)
「またネ!」
そう言って彼女が微笑む。
「うん」
ボクはそう言って、繋いだ手を握りしめた。
でも、ボクは笑えなかった。
今、手を離したら彼女が遠くに行ってしまうような気がして。
彼女の手がボクの手からするりと離れる。
そして、彼女は遠ざかっていった。
いつも隣に居るのが当たり前だと思ってた。
彼女が居ないと、ボクの周りの空気がよどんで見えた。
「来たよ」
そう言って彼女が微笑む。
「うん」
なんだかボクは泣きそうになった。
いろはさん、お帰りなさい!