~Black Ship 日米交渉~
8月29日午前8時30分
大阪府庁大会議室
「お待ちしておりました。どうぞ。」
「うむ。」
「他の方々も、どうぞお掛けください。」
「「………」」
東洋の小さな島国。文明の遅れた野蛮人が住む国だ。と、言われ、やって来たペリーたち「東インド艦隊(対日派遣艦隊)」
ここから、少し時間を戻してみよう。
8月29日午前7時53分
アメリカ合衆国東インド艦隊旗艦「ロッキー」
「ニホンの船も来たことだ。行くとしよう。私の居ない間に不用意な事はするな。
例えば、あのニホン軍の軍艦を攻撃する等だ。
分かったな?」
「「「サー!!!」」」
「いい返事だ。
コンティ。船は任せたぞ。」
「サー!!!!
総員、空砲射撃用意!!」
「……完了しました!!」
「………撃て!!」
コンティの命令により、空砲が発射され、早朝の大阪に砲声が響き渡った。
空砲の音が止むと、ペリーらは日本側の舟艇に乗り込み、大阪へと向かっていった。
大阪城跡に近い大阪府庁へは、木造帆走型の小型舟艇でゆっくりと運河を進み、大阪府庁前の船着き場まで向かった。
今回の訪日は非公式であったため、裏口から入り、人目につかぬよう、1階東端の大会議室に入った。
ここで、冒頭に戻る。
「我々の求めることは1つ。貴国の開国だ。」
「なるほど………」
竹腰の言葉を聞き、おそらく開国はしないだろうと思っていたペリーら。
しかし、竹腰が発した言葉は、
「分かりました。それでは、開国しましょう。」
「「「は???」」」
「ほ、本当に宜しいのか?」
「ええ。構いません。いつまでも鎖国をしている場合ではありませんので。そう考えると、あなた方は運が良かったということですな。」
「な、なるほど………
では、条約の詳細は?」
「そうですね………では、1年後。また来ていただくというのは?無論、そちら側の案も。
お持ち頂けますね?」
との、竹腰の言葉に、ペリーはこう答えた。
「ええ。では、1年後。我々も貴国とは良い関係を築けそうだ。」
「おっと。
もう、こんな時間か。
どうです?日本の昼食を食べていかれませんかな?」
「ありがたいのですが、私には船に残してきた部下たちがいます。その者たちのためにも、私は船に戻らなければなりません。」
「分かりました。では、今度いらした際には、皆さんに日本料理を食していただきましょう。」
「ハッハッハッハッハ!!ではその時は、よろしくお願いしますな。」
「ええ。失礼。
……………分かった。
皆さん、船の準備が出来たそうです。行きましょうか。」
午後1時50分
「………帆をあげろ!!帰還する!」
「帆をあげろ~~!!!」
午後1時50分。野次馬が集まる中、アメリカ合衆国東インド艦隊は一斉に帆をあげた。
「空砲用意!!」
「く、空砲ですか!?」
「そうだ!!」
ペリーが怒鳴ると同時に
「ドンドンドン!!!」
「「!!!!!」」
「安心しろ。空砲だ!!こちらも返すぞ!!」
数十秒後、空砲を撃ち返した艦隊は、祖国へ戻るべく、動き始めた。