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~東北本線 上り②~

忙しい…………

山がちな路線を走り、5時間と少しで列車は、盛岡県の県庁所在地、盛岡市に到着した。ここで、30分程停車した後、仙台へ向かう。

車内で駅弁(?)を食べ、暫く外を眺めていると、列車は、かの平泉を通過していった。一ノ関、小牛田を走り抜け、右側から線路が近づいてくると、もう仙台だ。

列車は定時に仙台に到着した。このあと、車庫に入るらしい。いくら最新の客車を使ったとしても、山間の路線を通ったからだろう。尋常じゃないくらい腰と尻が痛い。


翌日、多少良くなったと言っても、まだ痛みの残るまま列車に乗り込む。昨日と同じ列車だ。ただ、機関車がSLから電機機関車に変わっていた。仙台から大宮、上野、小田原、名古屋、京都、大阪、神戸までの主要幹線は電化され、他にもぽつぽつと電化区間が増えていっている。

電機機関車 EH10(みたいな機関車)が牽引する列車は仙台を発車。長町、名取と西に向かって順調に走っていた。

が、白石を通過した所で1つ前の普通列車 福島行きが踏切で人身事故を起こし、この列車は白石~越河で止まってしまった。このため、列車は30分程停車し、午前9時過ぎに越河に到着した。




その頃、国鉄福島運輸司令所

「申し訳ありません!!復旧には、まだ3時間程かかる予定です。」

「どうにかならんのか?陛下を小田原までお連れのせんといかんのだぞ!」

「そう言われましても…………陸軍側が独自に調査をしていますので…………」

「その陸軍が居なくなれば出せるか!?」

「はい。」

「分かった。こっちから、陸軍に話を通してみる!!!」



越河駅 駅長室

「そう言う訳で列車の優先を専用列車の方に出来ないか?………………なに、出来ない?何を言ってるんだ!!……………浦和でも事故だぁ!?と言うことは、大宮辺りから軒並み運休か?………………くそっ。まずすぎるぞ!!で、浦和の復旧予定は?………………6時間!?何をどうしたらそんなにかかるんだ!!………………下り急行の機関車が切り替え前のポイントに突っ込んで、上下線を塞いで横転したうえ、上り列車と衝突だと!?いったい何なんだ今日は!!!………………うるせぇ!!此方だって分かってる!!何かあったら連絡しろ。分かったな!!

………………くそったれが!!!」


「陛下。復旧にはまだ3時間程かかるとのことです。」

「そうか。分かった。」

「それがですね…………浦和でも事故が発生したらしく、大宮付近で再度停車する可能性が…………」

「ああ。構わん。で、今日は何処まで行けそうなんだ?」

「復旧予定時刻を考えますと…………速度を上げれば、小田原まで行けるかと。」

「そうか…………まぁ、いい。事故の無いように、復旧をさせろ。ところで、この事故での死者は?」

「白河~越河間の事故で、行軍訓練中だった陸軍兵士2人が死亡しました。」

「なんだ。一般人ではなく、陸軍兵士だったのか。だが、死んでしまった事に変わりはないからな。兵の家族への支援も頼んだぞ。」


そして、1時間後、東北本線白河~越河間が復旧。

午前10時28分 天皇専用列車は越河を出発。

時速60km越えで、


『数多のトンネル潜り抜けて、安楽浄土(宿泊先の)小田原へ、きっと最初(浦和通過)は専用便、工事の合間に。専用列車、駆動音で、外の音は聞こえないよ、ここは車内、鋼の中、その最後尾から見下ろして。散々飛ばす、臨時の闇、車内にまで音が響く、希望の町、遥か彼方、そのモーター音を響かせろ。』

「何をなさっておられるのですか?」

「うおっ!!」

「あっ……申し訳ありません。」

「い、いや。少し驚いただけだ。」

『あぶねぇ~!!流石に知ってるやつは居ないと思うが、あまり人に見せまくる物でもないしな……で、これは何処に隠しておこうか…………』

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