~北海道へ ②~
船は、大阪湾から紀伊水道を南下。太平洋に出た。
潮岬が見え始めると同時に、日も陰り始め、房総半島までの直線区間(?)に入ると徐々に陸地が遠くなると共に、辺りは暗闇に包まれた。
昼過ぎまでは、艦内をふらついていたが、特にやることも無かったので、夕方頃からは部屋でボーっとしていた。
9月11日 午後6時30分
夕食の時間だ。
夕食は、白米に茶色っぽい色でとろみのある液体がかかった料理だった。
そう。カレーだ。
「これが海軍カレーか?」
艦長に問うと
「よくご存知ですね。中村堂の「かれえぱん」を参考に作ってみたものです。」
との答えが返ってきた。
『カレーパンって、中村屋じゃなかったっけ………………?まぁ、いいか。』
「それでは、早速いただくとしよう。」
「「「…………………………………………」」」
味は日本人好みの味に近くなってはいるが、まだ純インドカレーに近いような気がする。好みの問題だろうか、辛さはそこまで辛くないように思う。中辛ぐらいか?
「美味しいじゃないか。なぁ?」
「ええ。このような美味しいカレーは初めてです。」
「私もです。これなら飽きることも無いですね!」
皆からのウケも上々だ。っていうか、店でも出せるんじゃないかな?カレー自体そこまで有名じゃないし。
これも、また考えてみよう。
その後も、適当に話しつつカレーを食べ、(俺でも2回しかおかわりしていないと言うのに、流石に3回おかわりは食べすぎのような気がするが…………やはり、役職に「海軍」がつく影響か?)
ちょっとした連絡を終えると解散になった。
その後、風呂に入り服を着替えると、もう夜9時30分だった。
前世なら、PCいじったりする時間だったが、特にやることもないので寝ることにした。
そして、布団に入ると、あっという間に眠ってしまった。
翌日
早めに寝たからだろうか、5時ちょっと前に目が覚めた。
ささっと着替え、外に出る。やはり誰も居ないようだ。
そ~っと扉を閉め、階段を下り、甲板へ向かう。
何回か通ったので、今回は迷わずに辿り着いた。甲板に出る所で、見張りに止められたが、ちょっと押したら出させてくれた。
(変な圧力かけてすんません。)
甲板に出ると、左舷側に陸地が見えた。遠くにだが、灯台らしきものが見えるので、房総半島の先端か九十九里浜辺りか?
そのまま陸を眺めていると、急に視界が明るくなった。
日の出だ。
前世は遅寝遅起という生活だったので日の出なんて見たことが無かった。
初めて見る日の出、それも海の上からと言うことで凄く綺麗に見えた。やっぱり、こういうのは生で見るべきだな…………




