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~北海道へ ①~

9月11日 金曜日 午前6時

今まで、あまり使われることの無かった京都駅の最も北側、零番線に、大型蒸気機関車D51に牽引された6両編成の列車が入線した。

列車の扉が開いた直後、ある男が飛び乗った。






そう、俺だ。

飛び乗った直後、また怒られたが、「こっち」では始めての鉄道だ。それぐらい見逃してくれ。

見た限り、車両自体は現代でもたまに見る「旧型客車」だった。が、やはり内装にはこだわりがあり、上手く和と洋が合わさっているような感じだった。しかし、外観が普通の客車と同じなのは何か理由があるのか。等と考えている間に、列車はゆっくりと動き出した。汽笛は鳴らしていないような気がしたが、気のせいだろうか、

列車自体の速度もそこまで速くなく(体感で30km出てるかどえかぐらい)、のんびりと郊外の田園地帯を走り、気づくと大阪駅を通過していた。


午前8時30分

予定よりも早く、大阪港駅(貨物駅)に到着した。ここから、船に乗り、沖合いに停泊している「松」に乗り込むことになっている。

船着き場は駅のすぐ横にあり、沖に浮かぶ「松」も意外に近くにあるように見えた。



「お待ちしておりました。どうぞ、こちらへ。」

「ああ、長い道のりだが、安全航行で頼むよ。」

「お任せ下さい。必ずや函館まで安全にご案内させていただきます。それでは、お部屋までご案内致します。何かございましたら、いつでもお呼びください。」

そして、駆逐艦「松」艦長 松森永一朗中佐の案内で、部屋に向かった。部屋の扉の上には、「将官室」と書かれた板が取り付けてあったので、おそらく、軍の上層部辺りが来たときに使われる部屋なんだろう。

今回は、遠洋航海と実弾射撃訓練も兼ねているらしく、通常時よりも少し遅い2日後の夕方から夜。13日夕方から夜に函館に到着するとのことだ。

午前10時

汽笛を鳴らし、ゆっくりと動き出した「松」は、進路を南西に向け、大阪湾を出た。

ちなみに、実弾射撃訓練は、いつ、どこで行うかは秘密だそうだ。まぁ、当然といえば当然だが…………





「例の件は?」

「2回にしようかと。」

「2回?内容は同じだろ?」

「ええ。ですが、時間を変更しようかと…………」

「…………なるほど。これなら面白くなりそうだ。」

「なら!」

「ああ。もちろん認める。ただ………………」

「その事についても、対応は考えてあります。これを。」

「………………フハハハハ!!これはいい!奴等はビックリ仰天だな!どう動くかが見物だ。」

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