~序章~
西洋諸国が植民地争奪戦を行うなか、日本は幕府が倒れ、新たな政府ができ、そして産業革命が起きていた。
江戸幕府第4代将軍 徳川家宗の圧政に不満が爆発し、江戸に北・西・南から攻めこんだ反幕府軍の攻撃を止められず、幕府軍は敗北。
1660年
江戸幕府は崩壊し、天皇は首都(帝都)を京とすることを決め、
1662年新治元年1月1日
京都に皇居が完成し、年号も新治に変わり、名実共に、京都が大日本帝国の帝都となった。また、廃藩置県(大名はそのまま県令として任命。その他大名も政府重役に就任。)と共に、新たに大日本帝国憲法も作られ、天皇を国家元首とし、政治は議会で行うことなどが決定された。
また、鎖国は行っていないものの、東の果てに来る船も少なく、清とオランダのみとの貿易だった。
そして、時は過ぎ
1680年(新治12年)
後に「電気の神様」と呼ばれる筑豊の商人、富田義太郎が付近の山で見つけた「燃える石」と簡単な蒸気機関を造り上げ、天皇の前で披露。
天皇は大変驚き、国家予算を投じてでもこの蒸気機関の改良・新たな機関の設計を行うことを命じた。
また、これと同時期に国内産出&清からの輸入鉄鉱石を製鉄する日本初の近代製鉄所「神戸製鉄所」が完成。
そして
1700年(新治38年)3月25日
天皇が初めて蒸気機関を見てから20年。
日本は世界一発展した国になっていた。
発電効率45%という驚異的な数字を叩き出した「三八式石炭発電機」を用いた発電所は日本中に作られ、日本の主要幹線は電車が走っていた。
しかし、発展が進むにつれて、資源不足が明らかになりはじめた。特に、鉄が不足し、国内では供給が追い付かなくなり始めた。
どうにかオランダと清から輸入しているものの、木造船で運べる量などたかがしれてる。
また、ちょうどその頃、アメリカから始まった「産業革命」により、太平洋上にアメリカ艦が現れ始めた。もちろん蒸気船だ。
日本も蒸気船を開発していたものの、資源不足の影響を受け、開発はエンジン部分のみ続けられ、船体は実験用に作られた「帝国丸」(鉄製、排水量500トン、速力8ノット、兵装・自衛用として十五糎榴弾砲1門)のみだった。
1702年
新治天皇が崩御し、新たに皇太子の新明天皇が即位した。
新たな天皇は、鉄鉱石の輸入の為、現在、呉海軍基地に練習蒸気艦として保管されている「帝国丸」を鉄鉱石輸送に使用することを決定。
帝国議会でも承認され、1702年5月より実行された。
これにより、大量の鉄鉱石が輸入され、この鉄を使い鉄製の船を造り、その船で鉄鉱石を輸入する……………
という鉄の循環が始まり、1710年には海軍に鉄製軍艦を配備することが可能になった。
エンジン・推進機関開発と船体・兵装開発も進み、神戸造船所で日本初の軍艦が建造された。
その名も「駆逐艦 松」
排水量 350トン
エンジン 二式燃焼缶
最大速力 25.6ノット
兵装 十糎砲2門 六糎砲3門 二糎機銃2門
そして、この駆逐艦を元に、海軍を拡充する………
予定だった。
1710年
新明天皇崩御。
17歳の皇太子が後を継ぐのだが、この新たな天皇には誰も知らない秘密があった。
『何?1700年代で大日本帝国?俺が陛下?
ハハハハハ。高校生なんですけど~~~!!!
で、俺、どうしよ?』
感想等、お待ちしています。




