タイムパラドックス・タイム 【二百文字小説】
「やったぞ、完成だ!」
「どうしました、博士? まさか……タイムマシンが完成したんですか!?」
「そうだ。ようやく起動に成功したんだ」
「やりましたね、歴史的偉業ですよ! これで恐竜絶滅の理由も、本能寺の変の真実も解明できますね。で、今から実験するんですよね? 最初は一体いつに跳ぶんですか?」
「五分前だ」
「へ?」
「さっき、未来の私が起動方法を教えに来てくれたんだ。だから私も、過去の私に教えに行かねばならない」
無限ループの発生地点。