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序章

「リュシア。お前の歌には、人を幸せにする力がある」


父王の優しい声が、今も耳に残っている。

陽光が降り注ぐ白亜のバルコニー。色とりどりの花が咲き誇る王宮の庭園。頬を撫でる風は、いつも花の香りを運んできた。隣で微笑む母の髪を飾る、国花『ルシリア』の純白が、昨日のことのように思い出せる。


「歌いなさい、リュシア。喜びの歌を。祈りの歌を。この国と、民のために」


あの幸福な日々は、すべて帝国軍の軍靴に踏み潰された。

炎に包まれる王城。人々の絶叫。父と母の最期の言葉さえ、私には届かなかった。


あれから三年。

私は生きている。

すべてを奪われ、名前さえ捨てて、灰色の帝都の片隅で。

ただ一つ、あの日の誓いだけを胸に抱いて。


――歌だけは、誰にも奪わせない。

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