模擬戦 ハルカvs リューナ Ⅰ
座学も終わり、実技の授業になった。
全員、更衣室に行き着替えをした。
「ハルカさん、すごくセクシー」
「モデルさんみたい」
「髪はシニヨンだけど、髪垂らすと絶対素敵でしょ」まわりの同性の生徒から声が上がった。
「よかったね。褒められてさ」少し、リューナは、不貞腐れた。
「君は、どう思うんだい?リューナ」
「私的には、他ではなく君の評価の方が嬉しいんだがね」ハルカは、ロッカーに手を乗せリューナに尋ねた。
「ハルカ近い、近い!」リューナは、ハルカの手を払った。
「言動は、ともかくとして・・・・・・」
(ここは、慎重に言葉を選ばなければ) リューナの中の刹那は、考えた。
(そんなに悩むことかい?刹那、私ならガツンと言うね)リューナの中の龍牙が囁いた。
(じゃ、龍牙お願い)刹那は、龍牙に頭を下げた。
「言動も、そうだが馴れ馴れしいんだよ。牛女!」
「てめーには、一切興味ねーんだよ」リューナの目つきが鋭くなり、纏う雰囲気もいつもとは違う様子だった。
「ほう、リューナは、二重人格だったのかぁ」
「面白い」
「主人格とは、別の人格が出てきた感じか」ハルカは、ニヤけた。
龍牙になったリューナの放つプレッシャーに当てられてハルカの闘争本能に火がついたからだ。
「君の名前は、あるのかい?リューナ」
「今の君に」今にも、更衣室で戦いそうな雰囲気が周りに漂り、他の女子生徒は、着替え終わり逃げて行った。
「なぜ?名前があると?いつも通りリューナでいいんじゃないか?」龍牙になったリューナは、魔法でスマートメイスを作り出した。
「リューナは、おそらく戦いはあまり好まないタイプだろう。君と違ってだから、他の名前がありそうな感覚になったんだよ。単純にね」ハルカは、魔法で鎖鎌を作りだした。
「実技の授業は、確か模擬戦だったな。ハルカ」
「確かに名前はなくはないぞ」
「だが、お前に名乗る名前は、今の私には持ち合わせてないぞ」リューナは、武器を消し着替えをした。
テクテクと龍牙になったリューナは、歩き、すれ違い様にハルカに「実技演習は、複数対複数の連携を想定した授業だったな。真っ先に潰すから覚悟しろよ」そう言い残し演習場に消えていった。
ハルカは、床に倒れた。
「リューナ、これほどとはな。この私をプレッシャーだけで床に・・・燃える展開になってきた。リューナには、なんか特別なものを感じでいたが、特別な存在だな。屈服させてやる。もう一人のリューナ」ハルカは決意を固めて演習場に向かった。




